2021年10月5日 (No.21188)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

5日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

(フェイスブックや同社傘下のアプリ等の世界的な接続障害を受けて特別報道体制を敷いたため、ヘッドラインはなし)

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―特になし

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―特になし

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―特になし

○ 国際テロ・過激主義情勢

―特になし

○ マグレブ情勢

―特になし

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―フェイスブックや同社傘下のアプリのインスタグラム、ワッツアップの接続に障害が生じた。また、グーグル、テレグラム、アマゾンのウェブサイトについても、多くのユーザーにとってアクセスしにくい状況となった。フェイスブックは「一刻も早く通常の状態に戻れるよう取り組んでいる」とツイッターで発表。一方、ニューヨークタイムズの特派員は、「フェイスブックの社員らの電子カードに不具合が生じ、接続障害の原因を分析するために社内に入ることが出来ないでいる」と報じた。

―米国防総省は、「SNSに生じている出来事を受け、治安上の脅威が存在する可能性を調べている」と発表した。また、サキ米大統領報道官は、「フェイスブックの元社員の1人が3日にテレビ番組(CBS)で明かした情報により、SNSが準拠している自主規制が機能していないことが示された」「こういった企業による集客のための試み、そして若者の精神衛生への悪影響は確実に懸念を呼ぶものだ」「これは孤立したケースではない」と述べた。

―フェイスブックの社内通達によると、サービス停止の原因は今のところ不明(0559JST)。アルジャジーラはこの内部通達を入手。その中には「技術チームが手作業で不具合の修復を試みている」との記載もあった。

―アルジャジーラのSNS部門チーフ、アフマド・アーシュール氏の話(ドーハ):フェイスブック等にアクセスできない状態が何時間も続き、それについて同社からの公式な説明が行われていないという重大な事態になっている。これに関して、ツイッターやユーチューブ・コミュニティ上のアルジャジーラのプラットフォームで「技術的な不具合のせいだと思うか、それともサイバー攻撃だと思うか」を選ぶ投票を設定したところ、参加者の73%が後者を選んだ。不具合の原因についての憶測も多数飛び交っており、例えば「中国人の13歳の少年がハッキングを行った」などというものもある。

―ワシントン特派員の報告:ワシントンでは、フェイスブックと同社傘下のアプリ等の不具合に関して、フェイスブックの社内で実際に何が起こっているのか知るために皆が待機している状態だ。同社の広報担当者がツイッター上で行った発表は、不具合の修復に取り組んでいるとの説明や、ユーザーに対する謝罪に限定されているからだ。

社内からメディアに漏洩した情報で目立った内容は、サイバー攻撃が原因である可能性を除外するものだ。また、同社がコンフィギュレーション(機能構成)を更新した後、主なサーバーの1つに不具合が生じた可能性が指摘されている。こういう場合、直近のコンフィギュレーションに戻すのが普通だが、今回はそれが不可能だったと見え、技術者らは手作業で復旧に取り組んでいる。2019年にも技術的不具合のためフェイスブックのサービスが約24時間停止していたことが思い出される。

フェイスブック社内の問題としては、インターネットの利用に全面的に依存していることが挙げられる。社内の個人や各部署を繋ぐためにもインターネット上のプラットフォームが使われており、社員らは現在ズーム等の他の連絡方法を模索している。

現在までのところ、米ではホワイトハウスのサキ報道官の(上記の)発言以外には、SNS規制の必要性に関する明確な公式声明は出されていない。FBIを始めとする治安関連機関や国防総省は事態を注視している。サイバー攻撃の脅威やフェイスブックのデジタル経済等の複数分野との繋がりから来る懸念のためだ。その背後には、米国内でのランサムウェアへの真剣な懸念がある。FBI高官は9月末の(上院司法委員会の)公聴会で、「FBIはこれまで100種類以上のランサムウェアのプログラムやサイバー攻撃を確認した」と証言している。

フェイスブック等へのハッキングが行われたら、経済のみならず治安面での脅威も生じる。なぜなら、全ての国家機関がこの種の企業と繋がっており、公式ページを持っているからだ。しかし前述のとおり、内部情報によると、サイバー攻撃・ハッキングの存在を示す兆候はない。

―(字幕速報)フェイスブックとワッツアップにユーザーがアクセスできない状態が数時間続いた後、サービスが復旧した。(0659JST)

エリコの目

ー西岸で、入植者とイスラエル軍によるパレスチナ人への加害行為が激化している中で、仮庵(かりいお) の祭りに合わせ、エルサレムの神殿の丘(アルアクサー・モスク)に対して入植者が集団で侵入、イスラエルの国旗を振ったり歌を歌う等、聖蹟を冒とくする行為が続いた。この間、イスラエル警察は神殿の丘に至る通路を封鎖してパレスチナ人の集団礼拝を妨害した。アラブ連盟、ヨルダン政府等も厳重な抗議をしているが、イスラエル極右団体による聖地のユダヤ化の試みの一環であり、今後大きな衝突の可能性を秘めている。(アルクドゥス・アルアラビー紙)

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<特記事項・気付きの点>

―0500JST以前から特別報道体制を続けて、フェイスブックやインスタグラム、ワッツアップ等に生じた世界規模の接続障害に関連する情勢を大きく取り上げ、米各地とドーハのスタジオを繋いで専門家のコメントや特派員報告を中継する等、ノンストップで報道。

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