エリコ・モニタリング・レポート

2021年5月24日 (No.21054)

■ パレスチナ全土における停戦定着のため、地域的な外交活動が活発に行われる。米国務長官は「停戦によってより前向きな事態へと向うだろう」「パレスチナとイスラエルの安全保障における平等な状態の実現を支援する」と述べる ■ アルアクサー・モスクに入植者が治安部隊の警護を受けつつ再び侵入したことを受け、パレスチナ大統領府はその影響を警告し、「イスラエルの挑発行為の阻止に介入するよう」米に要請 ■ 世界の各都市でパレスチナに連帯するデモが続く。デモ参加者らは欧米諸国に「イスラエルの政策を非難し、同国との国交を停止するよう」求める ■ イラン、「米は一部の制裁の解除と地域問題を結び付けた」と述べる。米国務長官は「イランとサウジの良好な関係は、地域における『代理』による紛争を終わらせるだろう」との見方を示す
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2021年5月23日 (No.21053)

■ EU、ハマースを「対イスラエル紛争解決の一部」とみなし、対応へ門戸を開く姿勢を示唆。EU上級代表は「一部アラブ諸国のイスラエルとの国交正常化が『パレスチナ問題は終わった』との印象を与えた」と述べる ■ ガザ地区に日常生活が徐々に戻る中、国連は「同地区の水道施設の半分が損害を受けた」と発表。統計によると、住宅17,000軒に破壊の被害が及ぶ ■ ハマースのガザ地区指導者、イスラエル軍によるガザ地区攻撃で死亡したカッサーム部隊指揮官の弔問のため、同攻撃開始後初めて公に姿を現す ■ NY、ロンドン、パリ、ベルリン、シドニーで、イスラエルによるパレスチナ人攻撃を非難し、欧米によるイスラエル支援を止めるよう求めるデモ ■ エチオピア、ルネッサンス・ダム貯水の第2段階をあくまでも予定通りに行う構え。エジプトは「アフリカの不安定化」と警告。スーダンは「今月末にエジプトとの陸海合同軍事演習を実施する」と発表
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2021年5月22日 (No.21052)

ガザ地区が停戦に入った21日の金曜礼拝後、パレスチナ人の若者とイスラエル軍が、西岸地区やエルサレムの各地で衝突。パレスチナ赤新月社によると、パレスチナ人97人が負傷した。複数が実弾、数十人がゴム弾で負傷していた。催涙ガスで窒息状態に陥った人もいた。負傷者のうち23人は、イスラエル軍がアルアクサー・モスクに押し入った事に伴うもの。
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2021年5月21日 (No.21051)

イスラエル首相府の声明によると、縮小安全保障閣議に出席した閣僚らはエジプトが提案した「無条件での相互(且つ同時)の停戦」に同意した。これは治安機関及び軍の指導部、特にアルガマン・総保安庁(シャバク)長官とコハビ軍参謀総長の勧告によって受け入れられた。この2人は「イスラエルの軍事作戦は目的を実現した」とする報告書を提出した。後の情報により、停戦は(現地時間)21日午前2時(0800JST)から実施段階に入ることが確認された。
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2021年5月20日 (No.21050)

19日、イスラエル軍の砲撃や無人機・戦闘機での空爆等の軍事行動激化が明白に見られた。これにより、パレスチナ人12人が死亡、多数が負傷した。デイル・バラハでの無人機による空爆では、身体障害者の男性と妊娠中の妻、2歳の娘が死亡した。また、ガザ地区各地の住宅15棟以上が破壊され、パレスチナ諸派の拠点や農地も標的となった。しかし、今から約2時間前からは、攻撃の手法や対象地域が変化した。イスラエル軍は砲撃や空爆の度合いを緩和し、対象をガザ地区の境界付近に限定するようになった。パレスチナ諸派も、砲撃やロケット弾での攻撃対象をスデロット等のガザ周辺20キロ以内の範囲に限定するようになった。仲介者を介して、口頭での相互理解が成立したかのようにみえる。早急な停戦合意成立に向けた協議を行う余地を作るためだ。しかし、これは現場での成り行きに左右される。
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2021年5月19日 (No.21049)

イスラエル軍は18日もガザ地区に対する空爆を続行。地元筋によると、イスラエル軍はガザ地区の北部に70回以上、南部に50回以上の空爆を実施した。空爆によりこれまでにパレスチナ人220人が死亡(うち子供61人、女性36人)、約1400人が負傷した。 一方でハマースは18日夜に、アシュケロン、アシュドッドを含むイスラエルの複数の都市や、軍事基地に向けてロケット弾を発射した。
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2021年5月18日 (No.21048)

17日も、ガザ地区からイスラエルに向けて新たなロケット弾発射が行われ、イスラエルの「アイアンドーム」が迎撃を試みた。現地時間午後11時(18日0500JST)過ぎにも、更に多くのロケット弾が新たに発射された
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2021年5月17日 (No.21047)

ガザ地区の保健省は、「イスラエルのガザ地区に対する攻撃開始以降、197人が死亡した。うち58人が子供、34人が女性。負傷者は1235人」と発表した。また、「16日朝の虐殺により、医療従事者2人を含む42人が死亡、50人以上負傷」「医療従事者への攻撃は、イスラエルの醜悪な顔を晒すものだ」と激しく非難した。
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2021年5月16日 (No.21046)

ハマース軍事部門カッサーム部隊のアブー・オベイダ広報担当は現地時間の16日午前零時(0600JST)過ぎ、「ガザの『ジャラーア・タワー』を始めとする複数のタワーに対するイスラエル軍の空爆への報復として、ガザ地区からテルアビブに向けてのロケット弾発射を再開した」と発表。同部隊は、現地時間の15日午後10時から16日午前零時までの2時間にわたる対テルアビブ「停戦」(ロケット弾攻撃の停止)を表明していた。その後、イスラエルの消息筋は「16日午前零時過ぎに2度にわたるロケット弾発射が行われ、テルアビブとイスラエル中部に42発が着弾した」と伝えた。ロケット弾は、イスラエル南部や沿岸部に向けても発射された。
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2021年5月15日 (No.21045)

パレスチナの保健省は14日夜、「イスラエル軍のガザ地区への空爆による死者が計126人(うち女性20人、子供31人)、負傷者は950人に上った」と発表した。ヨルダン川西岸地区では抗議デモ参加者と治安部隊が衝突し、14日に11人死亡、多数が負傷した。一方でイスラエル当局は、「これまでにイスラエル人7人(兵士1人と、子供2人を含む民間人6人)が死亡した」と発表。 15日は1948年のイスラエル建国に伴いパレスチナ人70万人以上が難民となった「ナクバ(大災厄、大惨事)」の日であるため、各地での衝突激化が懸念される