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「イスラム国」が衰えない理由

◆攻勢をそぐのが精いっぱい 情勢分析をする専門家が好んで用いる言葉に「中東政治の方程式」がある。その変数は、石油資源などの権益に群がる諸外国の与える影響、冷戦時代に後戻りしたかのように対立する米、露の介入といった外的要因から、トルコ対クルド...
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過激組織「イスラム国」の狂信性

◆殺人をむしろ奨励する「タクフィール」主義 「唯一絶対の強大な力=アッラー(唯一神)」を信じるか、信じないか。人として生まれた以上アッラーに帰依しなければならず、そうしない者は「不信心者」、すなわちアッラーの敵である。それは、ジハード(聖戦...
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イラクは三分割の可能性

◆戦争が常態 今年の初め、バグダッドを訪問する機会があった。会議通訳の依頼だった。治安情勢は昨年暮れあたりから最悪になっていたため、空港からホテルに防弾チョッキを着て護送され2日間ホテルに缶詰めになった後また「護送車」で空港に引き返すという...
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オバマ弱腰外交のつけ重く

◆「中東のクリミア半島」バーレーン バーレーンは、人口約125万人、ペルシャ湾に浮かぶ淡路島ほどの大きさの王国であるが、この島を「中東のクリミア半島」になぞらえた論説を読んだ。18世紀にアラビア半島から移り住んできたスンニ派の王家が支配して...
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細分化するアラブ諸国

◆お題目にとどまった「アラブの統一」 アラブの統一を目指す「汎アラブ主義」は1952年の「エジプト革命」で同国の軍部支配を確立した故ナセル大統領の一大政治綱領であった。アラビア半島から北アフリカの西端までをかつてのイスラム帝国のようにひとつ...
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ジハード(聖戦)という名の背教

◆イラクは本格的な内戦状態 バグダッドで、またベイルートでと、自爆か、仕掛け爆弾であるかを問わず、冷酷な爆弾の爆発で罪のない多数の人々が死傷したというニュースを聞かない日はない。特にイラクでは政府軍(シーア派)がスンニ派住民武装勢力の拠点で...
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「平和」という呪い

◆「平和的デモ」の意味するもの 平和という言葉には呪いがかかっている。その好例を、戦乱に明け暮れる中東に見る。エジプトの「街頭民主主義」の主役であるデモを、主催者は「平和的」デモと呼ぶ。アラブの春が始まってかれこれ3年間になるが、今も続いて...
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イラクの治安悪化は深刻

◆まさに戦争 これまでに約11万人が死亡し、数百万人の難民を出しているシリアの内戦をどうにか解決することは国際社会の第一優先課題だが、隣のイラクの治安情勢も極めて憂慮すべき状況にある。爆弾テロが止まらず、毎月千人前後が死亡、その何倍かの数の...
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真の敵はスンニ派過激主義

◆説明がつかない化学兵器使用 「自国民を攻撃するはずがない」と、シリアのムアレム外相は化学兵器の使用を否定したが、アルジャジーラの人気番組に登場したある評論家は「何が自国民だ。彼らは頼みもしないのにやってきてイスラム教徒を抑圧し続けている異...