No.18 / 2002.04.18

****** global middle east *************** issue No.0018 ***********
グ ロ - バ ル  ミ ド ル イ ー ス ト
*** From Erico Inc. Editor/ Ken-ichi Matsuoka ***** 17/04/2002****

皆様いかがお過ごしですか。編集部のある東京では季節はずれの真夏日や気温低下の逆戻り、強風日など不安定な気候が続いています。季節のかわり目、くれぐれもお気をつけて。

【コンテンツ】
1.パレスチナ問題は対岸の火事ならず      新谷 恵司
2.チャレンジ!チュニジア・クイズのご案内
3.邦人ムスリムによるメッカ巡礼レポート
4.使えるレストラン発見!5.Mail from readers(読者のコーナー)

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1.パレスチナ問題は対岸の火事ならず         by 新谷 恵司==============================================================

占領地では、ベツレヘムの聖誕教会の篭城が続き、ジェニン難民キャンプにおける大量虐殺が明らかになるなど、イスラエル軍による狼藉の非人道性、残酷さが報道されています。

日々、その報道に接している身として、私は多くを語りたい衝動にかられますが、短いコラムで言い尽くせるほどお話が単純ではありませんし、それだけの筆力も持ち合わせない自分を無力に感じます。

人生これからという若者や少女が、国のため、家族のためと言って体に爆弾を巻き付けては、肉体をバラバラに散らしています。そのような攻撃を決して奨励してはならないし、ひとりでも多くの若者が無駄に命を散らして欲しくない、と強く思います。しかし、祖国のため、家族のため、自らの命を犠牲にするという最も崇高な行為は、たやすく実行できることではありませんし、そのような事件が頻発するのには理由があるわけですから、その問題の本質(植民国家による違法占領と被占領民族に対する半世紀以上の抑圧)に目を向けなければ、何の解決にもならないでしょう。

それなくして、人間として最大の犠牲を払った若者をテロリストと非難することがどうして出来るでしょうか。

非難されるべきは、そのような行為を若者に強いる状況を放置している政治家であり、国際社会に共に生きている、われわれひとりひとりです。

4月10日、国会における党首討論で、小沢一郎氏の質問:「総理はパレスチナの行動をテロリズムと見るか、抵抗権の行使と見るか」に対して、小泉総理は「(占領地に対して)木目細かな援助をする努力をしていかなければならない」という趣旨のめちゃくちゃな答弁をされました。鹿児島の知覧特攻平和会館を訪れて、平和への決意を新たにしたと言われる総理が、このような最も基本的な質問にもお逃げになったのを報道で知り、深く残念に思うと共に、そのことが、さして問題にもならず、有事法制の議論が進んでいることに、わが国の将来と我が子達の幸せが深く憂慮されたことでした。

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2.チャレンジ!チュニジア・クイズのご案内==============================================================

サッカーW杯の開幕は、もう目前となりました。予選H組で日本と対戦するチュニジアの注目度も増す一方で、スポーツ番組をはじめ、クイズや旅行番組でもチュニジア特集が組まれるようになったことは本当にうれしいことです。

さて、読者の皆様がチュニジアと聞いて思い浮かぶイメージはどのようなものでしょうか。一見日本とは縁が薄いと思われるチュニジアですが、案外身近なところで接しているかもしれません・・・?

ウェブサイト『チャレンジ!チュニジア・クイズ』では、チュニジアの地理、歴史上の偉人、食べ物や言葉についてクイズ形式でご紹介しております。お子さま向けにアレンジしておりますので、ワールドカップの日本・チュニジア戦を機会に、お子様とご一緒にチュニジアについて知識を再確認してみるのは如何でしょう。もちろん大人の方にも充分お楽しみ頂ける内容だと自負しています。案外、難しいかもしれませんよ。

『チャレンジ!チュニジア・クイズ』は下記アドレスからどうぞ。http://homepage1.nifty.com/erico/

さて、あなたは何問正解できるかな??

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3.あるイスラム教徒のメッカ巡礼レポート==============================================================

本年2月(西暦)にメッカ(マッカ)巡礼を果された鬼頭学さんが、巡礼レポートを寄せて下さいました。

白布を身にまといメッカ入りし、カアバの回りを周る周礼、とても体力を必要としそうな走礼、石柱に石を投げつける「ジャムラ」、メディナに移動し預言者廟参詣と、聖地における7日間の巡礼行の詳細が報告されています。

「異教徒」である私達がメッカ巡礼の様子を知る上でとても貴重なレポートです。また、日本人イスラム教徒に対し露骨な好奇心を向ける他国のイスラム教徒たちとの教義問答、イスラムの聖地を擁するサウジアラビアに対する氏の冷静な視線など、読み応えのある内容です。

鬼頭さんのレポートは日記形式で詳細に記されており、当ニュースレターでは全体を掲載することができません。そこで、氏の了解を得た上で、興味のある方にはレポート全文を無償で転送させて頂きたいと思います。ご希望の方は編集部までご一報下さい。ファイルはテキスト形式(32KB)です。

【鬼頭学さんのプロフィール】1999年度東京外国語大学アラビア語学科卒業後、東京都立大学大学院に在籍中。2001年から在サウジアラビア。2001年2月キプロスにてイスラム教徒となる。

(「ハッジ・レポート」より)**************************************************************2月20日人混みをかき分け、手早くタワーフ(周礼)を行う。後を追うのに精一杯。タワーフ終了後、6回しか回っていないのではないかと不安になり、彼に尋ねる。指折り数えながら、「確かに7回回った。」と答えながらも、表情が曇る。もう一回尋ねたところ、ためらいつつ、「インシャーアッラー」。案外、いい加減にやっている人も多いのだな、と拍子抜けする。

礼拝の後、地下のザムザムの泉で口を潤す。広大な広さの空間を埋め尽くす数の蛇口。中心には汲み上げているポンプとそれを分配するパイプがあり、ガラスで囲われている。そのポンプの周囲で礼拝している巡礼者が多くいた。(水が湧いている場所だから神聖だと認識されているだろうか?しかし、メッカ郊外にも、同じ水脈の泉がある。何が違うのか?巡礼者たちの真剣な礼拝と、ガラスの中の近代的なポンプとパイプの構造体のギャップに違和感を覚える。)

その後、サイー(走礼)に入る。これまた早足で、手短に終了。それにしても、深夜だというのに、すごい人の数。足を踏まれたり、腕でこづかれたり、満員電車の比ではない。全てが終了した時には、右足の小指の皮膚が剥けていた。(後略)**************************************************************(抜粋終わり)

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4.使えるレストラン発見!
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先日、六本木を歩いていた時のこと。六本木交差点から外苑東通りを東京タワー方面に歩いていると、街の景色にミスマッチ?のドネル・ケバブ(回転焼肉)の大きなかたまりが目に入りました。

ここはトルコ料理レストラン・アナトリア(本店・渋谷)が今年3月にオープンしたばかりの六本木店。

1階は開放感のあるカフェになっており、ケバブ・サンドイッチのような軽食のみのオーダーもOK。トルコ・ワインを片手に、じっくりトルコ料理を味わいたい向きには3階フロアでゆっくり楽しめます。羊チーズの風味が効いたトルコ風ピザやヨーグルトを混ぜて頂く肉の煮込み料理など、コクのあるトルコの味覚が食欲をそそります。

年中無休に加え週末祭日は24時間営業とのこと。眠らぬ街・六本木で、ふとエスニックな味が口恋しくなったら足を運んでみてはいかが?

【トルコレストラン アナトリア(ANATOLIA)六本木店】〒106-0032 港区六本木3-13-10(1~3階)年中無休(月~木:10:00am~5:00am 金、土、祭日:24時間営業)TEL:5775-1151 E-mail:anatolia@gaea.ocn.ne.jp

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5.Mail from readers (読者のコーナー)==============================================================

global middle east17号についてY.M さんから以下のようなメールを頂きました。ありがとうございました。

☆  ☆  ☆(前略)前回の号で知りましたクウェート楽団の3月3日公演に行ってきました。ひょんなことから、私はその場で司会をすることになってしまったのですが、内容は大変よくてなかなか楽しい演奏会でした。

代理大使Khaled Jassim氏とも意気投合して、近い将来クウェートと日本の音楽家で何かコラボレーションできたら、と(まだ夢のような話ですが)盛り上がりました。おかげさまで輪が広がって、感謝しております。

季刊「アラブ」のエッセイを拝読いたしました。アル・ジャジーラのことがよくわかってとても面白かったです。ひとつの意見に対して、かならず別の意見が、というのはいいですよね。アメリカの「テロ」撲滅スローガンが肥大して、パレスチナにもイラクにも、被害が及ぶのを非常に危惧します。別な見方、別の意見をぶつけていかないと、大変な事態になりますよね。(後略)☆  ☆  ☆

そうですね。日本や自由世界の師であるアメリカで言論が著しく統制され、一方で、報道の自由がなかった中東にこのようなTVが出現したというのは、歴史の必然なのか、いたずらなのか・・。これは新しい時代を作っていく動きだと感じます。-新谷-

==============================================================<編集後記>近頃、通勤経路のJR駅『みどりの窓口』は長蛇の列。通勤定期券の新規購入・更新に並ぶ人達は、今まで通りであれ新規であれ職場のある人たち。ハローワークに通う求職中の知人によると、老若男女区別なく大勢の人達が出入りしている由。国内・海外の諸々の情勢が大きく流れを変えている昨今、ふと改札口から同じ方向に流れてゆく大勢の人波に、歩調を合わせるままで良いものなのか我が身を振り返る。(ハッサン)

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