「イスラム」タグアーカイブ

不信心者(ふしんじんもの)

久しぶりに「講演」をして、短い時間にイスラムの基本的な概念を説くことの難しさを感じた。新釈「アラブの春」講演の全体像は、いつかこの欄でご紹介したいと思うが、きょうは特に通じにくかった「不信心者」(英:infidel、亜:kaafir)について所感を記す。 「タクフィール(takfir)」(←相手は不信心者である、と宣言する)という不思議な動詞(ここでは動名詞)に基づく、「「タクフィーリー」という集団の存在は、アラブの春の現状と今後を語る上で外すことのできないキーワードだが、その説明が厄介なことが主因なのか、邦字メディアに登場したのを見たことがない。これはある意味日本マスメディアの怠慢であって、少し解説をつければ誰 … 続きを読む 不信心者(ふしんじんもの)

Vive la France!

職業柄、中東からの絶え間ないニュースの中に身を置いているが、28日、「これは?」と注目した2つのニュースがあった。ひとつは、「仏内相、モスク落成式でイスラミストは追放すると宣言」というものであり、もうひとつは「預言者侮辱の映画製作者逮捕」のニュースであった。 1.「ヴァル内相、大モスク落成式で過激なイスラム主義者は追放すると演説」 ストラスブールにフランス最大のモスクが竣工した。27日、その落成式があり来賓のヴァル内相が歯に衣着せぬ演説をしたのだ。こういう発言をできる政治家が日本にいるだろうか。報道から、重要部分を2箇所だけ抜き取る。 「イスラムはフランスに居場所を有する。フランスのイスラムは、フランスの一部であ … 続きを読む Vive la France!

イスラム過激主義の行方

次の話は、FBに出回っていたアラビア語の小話です。出回っているということは、エジプトの人の中に、少なからず共感する人々がいるということでしょう。引用されている故シャアラーウィ師に直接お会いしたことはありませんが、TVでよく彼の説教を見聞きしたものです。他のウラマーとは違い、エジプト口語で分かりやすい話をするイマームとして大変人気のある人でした。 著名な説教師、故シャアラーウィ師は言った。 私はある狂信的な若者と議論し、「イスラムの国でナイトクラブを爆破することは宗教的に許容されるか、それとも禁忌か」と聞いた。 すると彼は、「もちろんそれは許容され、人々を殺すことも許される」と答えた。 そこで私はこの若者に聞いた。 … 続きを読む イスラム過激主義の行方

預言者について

預言者(prophet)とは、その文字が示すとおり、神のメッセージが直接または間接的に託されたとされる人間のことである。イスラムにおいては、ユダヤ教のモーゼやキリスト教のイエスも預言者であり、ムハンマドが最後の預言者としてアッラーに選ばれ、宗教が完成した、と教えられている。 イエスが、キリスト教の教義においては「神の子」として神格化され、神と人間の区別が曖昧になったことへの反省(?、対抗??)からか、イスラムにおいてムハンマドは「預言者」であることが強調される。すなわち、預言者ムハンマドは孤児であり、文字は読むことができないが正直な男であり、大天使ガブリエルから神のメッセージを伝えられた後はイスラム世界を率いる人 … 続きを読む 預言者について