エリコ・モニタリング・レポートについて

エリコ通信社は、アラビア語情報の翻訳・分析を日常的に行っている専門家集団です。
エリコ・モニタリング・レポートは、アラビア語ニュースの雄・アルジャジーラのメインニュースを中心に、ネットやSNSで発信される重要情報も含め、中東と世界で起きている事象の今を「逸早く」、「正確に」お伝えします。

非公開で、過去20年間行われてきたアルジャジーラのモニタリング業務(後述)を継承するエリコ・モニタリング・レポートは、政治家、政府関係者、実務家、ジャーナリストといった専門家に簡潔で最良の中東国際情勢をブリーフするものですが、一般の読者もまた、既存の邦字メディアでは伺い知ることのできない国際政治の動きを目の当たりにすることができるでしょう。エリコ・モニタリング・レポート。それは日本語による報道の後進性へのソリューションです。登録は無料で、どなたも配信を受けることができます(配信は毎日、午前中に1回)。

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アルジャジーラ・モニタリングの略史

アルジャジーラ・モニタリングの略史

2001年9月11日に発生した米国同時多発テロ事件後、オサマ・ビンラディンのメッセージビデオを独占放送するなどして世界的な注目を浴びた「アルジャジーラ」。1996年に開局したこのアラビア語のニュース専門チャンネルは、2001年11月5日、日本のCS大手「スカパー!」によって中継放送が開始された。日本語解説(同時通訳)付との触れ込みであった。「アルジャジーラ・モニタリング・レポート」は、この事業の副産物として誕生したのだが、その経緯を知る人はほとんどいない。

元外交官で、「アルジャジーラ」の同時通訳放送の第一声を放った新谷恵司(弊社代表)は言う。「今、放送許可の問題で物議を醸している総務省が、アルジャジーラの放送許可を出す前提条件としたのが、放送内容を日本語でまとめた報告の作成と提出でした。テロリストの放送局と言われたアラビア語オンリーのテレビが何を放送しているか知らない、では済まされませんからね。」

この報告書の作成は、東京大学大学院イスラム学研究科の「天才」に委ねられた。「彼の存在がなければモニタリングは始まってなかった」と新谷は言う。簡潔に記された1枚の紙には、その日に起きた世界の最重要事がパノラマのように展開していた。「これは役人の机の上に眠らせる種類の紙じゃない。今の日本が必要としている最良の情報だ!」

そしてこのことを聞き、共感した政府情報機関幹部の働きかけもあって、アルジャジーラ・モニタリングは事業化されることとなった。

2002年の1月4日に始まり、2021年の3月31日まで、エリコ通信社のモニター陣は年末年始の数日を除く毎日、中東の動きをモニタリング・レポートに刻んできた。バグダッドが多国籍軍の空爆を受けた日も、奥大使、井上書記官が銃撃を受け殉職した日も、そして最近では、スエズ運河が詰まってしまった日も。そして4月1日、その情報は広く一般に公開されることとなった。


FAQ ~ よく聞かれる質問

Q:アラビア語がわからなくても、Aljazeera English を視聴すればよいのではないですか?

A:アルジャジーラ・ファミリーの英語放送、Aljazeera Englishはアラビア語チャンネルとは同じ敷地内に本部を持つ姉妹局ですが、一部情報源を共有するものの、それぞれは独立した編集体制をとっているため、報道項目、内容は100%違います。中東アラブ世界に起こる問題、世界を巻き込む問題について当事者独自の視点を得ようとするとき、アラビア語チャンネルがどう取り扱っているか、どのような論調であるかをフォローすることが重要です。また、アラビア語ニュースの視聴者が世界のアラブ人であり、英語ニュースの受け手は主に英語圏の非アラブ人であることも、その影響力に大きな違いをもたらしています。

Q:アルジャジーラはカタール政府(首長家)の強い影響下にあり、偏向しているという指摘がありますが?

A:ご指摘は相当程度に事実です。しかし、現在中東には完全に独立・中立であり、かつ報道内容が高度に信頼できる、というメディアは存在しません。BBCアラビア語サービスの伝統を引き継ぎ、非常に優秀なジャーナリスト陣を擁しているアルジャジーラの報道内容は、アラビア語報道の世界では、総じて、最も信頼できると感じています。しかし、ニュースの選択の妥当性、特定の紛争課題について過度に扇動するような報道がみられること等には注意して利用する必要があるでしょう。

Q:御社はアルジャジーラとどのような関係にあるのですか?

A:いち視聴者、完全な第三者としてニュースを受け取り、その内容を忠実に書き留めています。アルジャジーラとは直接・間接いかなる形でも契約関係にありません。 (J)