エジプト第二革命始まる

報道によると、日本時間29日朝(現地28日深夜)以降カイロのタハリール広場を中心に、投石する群集と催涙弾、ゴム弾等で対抗する治安部隊との間に激しい衝突が繰り広げられ、1000人以上の負傷者が出た。
目撃者の情報によれば、闘争に参加している若者は「(革命の要求である)旧政府高官の裁判が延期されていることに怒って」おり、政治的様相の強いデモであったという。この日、人々は民衆蜂起の過程で死亡した市民の遺族の権利回復を求めるデモのためにタハリール広場に集結していた。
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また、現地では29日深夜になっても若者達が集結しており、治安部隊のデモ隊に対する対応の仕方が不適切であったと怒っている由。小生がフォローしているエルバラダイ氏は、ツイッターで「事件の事実究明を急ぐよう軍事評議会に求める。なぜ、またどのように実力行使がなされたのか。そして、評議会は同事件終結のため必要な措置を講ぜよ」とつぶやいている。
ムバラク大統領の辞任で、形式的には革命成功とされているエジプトだが、所謂守旧派エリートは軍主導による体制再構築を静かに待っている。実際のところ、大統領、首相といった表層部分だけを消し去ったものの、体制の基盤である軍と党による国家機関の支配を、実際のところ革命は何も変えてはいない。
昨日の衝突は第二革命の始まりであろう。しかし、この蜂起は失敗し、軍による支配がより表面化する、というのが私の見方である。ムスリム同胞団はこれに上手に立ち回り、合法政党の立場(今回革命の最大の果実)を死守しようとするのではないか。

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