2021年4月4日 (No.21004)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

1日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ ヨルダン軍、元王宮府長官を含む要人複数を逮捕し、ハムザ元皇太子に「治安を標的とする行為に利用される活動」を止めるよう求める

■ キンシャサでルネッサンス・ダム問題をめぐる協議が始まる。エチオピアは、4日の閣僚会合を前に「同ダムの第2回貯水を成功させるための作業が続いている」と発表

■ 米、「6月までにイランとの合意に至る機会を逸することのないよう」警告。イランは、段階的制裁解除の提案を拒否。仏は、次期ウィーン会合での前向きな姿勢を呼びかけ

■ ウクライナ、「露が約20か所の拠点を攻撃」と非難し、「数か月中にNATOとの演習を実施する」と発表。露議会は、ウクライナとNATOに「事態をエスカレートさせぬよう」警告

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―ルドリアン仏外相は、イランに「現在の交渉路線を脅かすようないかなる新たな核合意違反も行わないよう」呼びかけた。仏外相は、ザリーフ・イラン外相との電話会談後、「イランに次の協議で前向きな政治的方向性を取るよう促した」「米を含む核合意の全当事諸国が、核合意の完全順守に戻る手順の統一に向けて取り組んでいる」と明らかにした。一方、イラン外相は「仏外相に、核合意に関して前向きな立場を取るよう求めた」と述べた。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―特になし

○ エジプト情勢

―コンゴ民主共和国の首都キンシャサで、AU主催によりルネッサンス・ダムをめぐる新たな交渉が始まった。エチオピアとエジプトの専門家らは、AUの仲介者と個別に準備会合を行った。スーダン代表団は「会合を4日に延期した」と発表。3か国による直接閣僚会合は4日の正午に始まる予定。

○ 中東和平(占領地情勢)

―特になし

○ 国際テロ・過激主義情勢

―特になし

○ マグレブ情勢

―特になし

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―ワシントン・ポスト紙は、ヨルダン王宮府幹部の話として「ヨルダン当局が、『国家の安全を脅かした』との理由で、ハムザ元皇太子と他の20人を逮捕した。この措置は、複雑で広範囲にわたる謀略(クーデタ―未遂)を背景としたもので、この謀略には諸部族の指導者や治安機関の幹部のほか、王室のメンバー1人が関与していた」と報道。

―上記に関し、ヨルダン国営通信は「ハムザ元皇太子は逮捕されておらず、いかなる制限措置の対象にもなっていない」と報道。

―フネイティ・ヨルダン軍統合参謀本部議長は、声明で「合同治安捜査の末に、シャリーフ・ハサン・ビン・ゼイド(国王の元サウジ担当特使とされる人物)、バーセム・イブラーヒーム・アワダッラー(元王宮府長官)ほか数人を逮捕した」「捜査は続いており、追ってその結果が発表される。すべての措置は法の枠内で講じられた」と発表。また、「ハムザ元皇太子が逮捕された」との報道を否定し、「同元皇太子は、ヨルダンの安全と安定を標的にすることに利用される運動や活動を止めるよう求められただけだ」と説明。

―上記の後、ハムザ元皇太子は、ビデオ・メッセージで「自分は自宅に軟禁されており、ボディガード数人が拘束された」「政府の政策に対する自分のわずかな批判によって、このような事態に直面したことに驚いている」と述べ、「自分はいかなる謀略や(外部勢力との)同盟にも関与していない。自分が気にかけているのは自国の利益だけだ」と強調。

―SNS上には、ヨルダンの首都アンマンのダーブーク地区にある王宮付近に治安部隊が配置され、厳戒態勢が敷かれている様子を撮影した映像が公開された。

―米国務省報道官は、「アブドラ・ヨルダン国王は米の主要なパートナーであり、米は同国王を全面的に支持する」と発表し、「米はヨルダンの状況を注視し、同国政府当局者らと連絡を取っている」と述べた。

―サウジ王宮府は声明を出し、「サウジはヨルダンに味方し、アブドラ国王とフセイン皇太子が安全・安定維持のために講じるあらゆる決定や措置を全力で支援する」と発表。クウェート外務省も同様の内容の声明を発表。エジプト大統領府は、ヨルダンとアブドラ国王に代表される同国指導部への全面的連帯と支持を表明。

ムハンマド・ハラーイカ元ヨルダン副首相(アンマン):「アンマン市内は落ち着いており、異常な様子は全く見られない。ヨルダンでは長年にわたり政治的な悪夢やクーデターの試みといったものはなかった。今回起きたことが、2つの点でヨルダン国民にとって大きな驚きであったことは疑いない。1つは、ハムザ元皇太子の名前が取りざたされたこと。もう1つは国家の指導部に近い人物であったアワダッラー元王宮府長官を始めとする一団が逮捕されたことだ。ただし事態は収拾されつつある。また、この問題はこの数時間に出てきたものではなく、以前から捜査が行われていて、今に至ったものだ。

ハムザ元皇太子の名前が取りざたされたことが混乱を呼んでいるが、恐らく直接関与していたわけではないと思われる。内務省や政府ではなく軍統合参謀本部議長が声明を出したことから、今回の問題には国家の安全保障に関わる側面があることが分かる。ハムザ元皇太子はこのところ、様々な地域で諸部族と会合するなどの活動を行い、(政府に)批判的なツイートも行ってきた。これが『反指導部』あるいは『人気取り』と解された可能性がある。

アワダッラー元王宮府長官にはサウジとの繋がりがあり、外部関与の可能性も考えられるが、現時点で断定すべきではない。ただし、こうした繋がりがあるために、サウジ当局はすぐさま、国王だけでなく皇太子への支持も表明する声明を出したのだと思われる。」

サアド・ハーイル・スルール元ヨルダン下院議長(アンマン):「(ハムザ元皇太子は、「逮捕されていない」との軍の発表と異なり、「自宅軟禁されている」と述べたが)我々は常にヨルダン軍の発表する声明を信頼している。ただし、自分にはこの件についての確かな情報はない。(ビデオ映像から)元皇太子が自宅にいることは確かだが、これが自宅軟禁なのかどうかは不明だ。」

エリコの目

―バイデン大統領がホワイトハウスで会う最初の外国要人は日本の首相。4月16日に。このことは、バイデンにとって、北朝鮮の脅威だけでなく、中国の影響力と戦うことがどれほど優先事項であるかを示すもの。日本及びその他の域内諸国との同盟強化で。(アルジャジーラ、ワジド・ワクフィ・ワシントン特派員のツイート)
https://twitter.com/WajdWaqfi/status/1378031067677011972?s=20

中東の新型コロナ動向

―国別感染状況(イスラエル)

ワクチン接種率世界一で注目されるイスラエルだが、元来感染大国である。

累積感染者数:833,707人は、人口百万人当たりでは90,644人となる。これは、米国の94,194人に匹敵、イタリアの60,008人を遥かに超える(日本、3,784人の約24倍)。しかし、明らかにワクチン接種の効果が現れていると見られ、一日あたり新規感染者数は1月20日の10,213人をピークに継続的な減少傾向を続けている。4月2日は251人であった。
https://www.worldometers.info/coronavirus/country/israel/

<特記事項・気付きの点>

―ヨルダンでの「クーデター未遂」事件に関する報道を受けて、その後のニュース枠のすべてを割き、特派員のレポートやゲストのコメント、元皇太子が出したビデオ映像などを交えて同事件関連を重点的に報道。そのため、「ミッドナイト・ニュース」のニュース・ヘッドライン通りの報道はなし。

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