2021年5月1日 (No.21031)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

1日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■米国務省、露・パキスタン・中国との共同声明で、タリバンの幹部や関連組織の位置づけを見直すと表明。包括的な政治解決、恒常的停戦を促す

■米、「米イエメン特使は、政治・人道両面のメッセージを携えてリヤドで協議を行った」「サウジ抜きでイエメンの解決はない」と声明

■ハマースなどパレスチナ諸組織、選挙延期を拒否。欧州諸国は、パレスチナ指導部に早期の選挙日再設定を呼びかけ、イスラエルには選挙実施に便宜を図るよう求める

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―バグダッド北方タールミーヤで軍の車両が爆破され、暫定報告の時点で、兵士4人の死亡が確認された。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―ムハンマド・サウジ皇太子とレンダーキング米イエメン特使がリヤドで会談し、「イエメン危機の包括的な政治解決に向けた米サウジ両国の取り組み」について協議。米国務省報道官は、「会談で米特使は、サウジ抜きでイエメンの解決はないとの認識のもと、政治・人道の両課題での喫緊のメッセージを強調した」と述べた。米特使はこの後、「イエメンへの秩序だった人道支援物資搬入を保証し、恒常的停戦と政治プロセスへの移行を支援するため」にオマーン入りする。

―イエメン政府軍は、「マアリブ県西部マシュジャハ山で、ホウシー派の17人を死傷させた」と発表。また、県カッサーラでもホウシー派の部隊を砲撃して軍用車を破壊、複数を死傷させた由。これらと平行して、サウジ・UAE同盟軍が、県西部でホウシー派の増援部隊などを空爆した。

―サウジ国防省は1日未明、「ジッダに向けられた敵対敵な飛行物体を撃墜した」と発表。

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―パレスチナ指導部は、5月22日予定の評議会選挙を延期すると表明。「イスラエルがエルサレムでの選挙実施を拒否した」ことを理由に挙げた。これについて、ハニーヤ・ハマース政治局長は「選挙延期の理由に全く納得できない。パレスチナ人の権利を奪うものだ」と批判。「我々は依然、東エルサレムを含めた選挙実施を求めている」と述べた。

―仏・独・伊・スペインは共同声明で、パレスチナの選挙延期に「失望」を表明。新たな実施日を早急に決めるよう求めた。また東エルサレムを含むパレスチナ全土での選挙実施に便宜を図るようイスラエルに呼びかけた。ボレルEU上級代表も「失望」を表明。

―米は、「パレスチナの選挙実施は重要で、その実施決定は民衆と指導部に帰する」「各勢力に平静を促す」と声明。

―オルメルト・イスラエル前首相はマアリブ紙で、「パレスチナのインティファーダ(蜂起)につながる新たな要素がある」「パレスチナ人を過剰に攻撃すれば、彼らには蜂起しか選択肢がなくなる」「エルサレムの最近の事件は、状況がいつでも崩壊し得ることを示した」と指摘した。

―4月30日未明、イスラエル北部サファドに近いメロン山で行われた宗教行事の際、群衆が押し合いになり、44人が死亡、約150人が負傷した。床と側面がともに金属素材の傾斜した通路で人々が滑ったのが原因で、将棋倒しが起きた模様。ネタニヤフ首相は警察司令官や公共治安相を伴って現場を訪れ、「再発防止のための徹底的な調査」を約束。「警察や治安部隊は迅速に搬送や人々の避難を行い、悲劇の拡大を防いだ」と述べた。

○ 国際テロ・過激主義情勢

―米、中国、露、パキスタンは、「アフガニスタンの恒常的停戦に向けたアフガン人同士の交渉を支援する方策」をめぐり、ドーハでタリバンを交えて協議し、共同声明を発出。①タリバンの個人や関連組織に対する国連の制裁リストの見直しを支持する、②タリバンとアフガン政府に、他国の安全を脅かすアフガン領の使用が行われないことの保証を求める、③タリバンとアフガン政府のドーハでの交渉を支持し、カタールの長期にわたる和平プロセス支援を評価する、④交渉を加速させるため、アフガン有力者を招いて会議を開くトルコの取り組みを支持する、とした。

―タリバンのナイーム政治事務所報道官は、アルジャジーラに、「ドーハでの(上記)5者会合では、外国部隊のアフガン撤退、タリバン幹部のブラックリストからの削除について議論した」と述べた。また、ツイッターで「5者会合で各国は、タリバン幹部をブラックリストから削除し、アフガンの刑務所に残るタリバンメンバーを解放することで合意した」とした。会合に先立ち、バラダル・タリバン政務担当副指導者とハリルザド米特使が会談していた。

―アフガン政府のドーハ交渉への派遣団は、ツイッターで「ドーハで(米・中・露にパキスタンを加えた)拡大トロイカ諸国と会合した」「各国は、和平プロセスへの支援を確認し、プロセスを加速させるべきだと強調した」と明らかにした。

ワシントン特派員:4か国の共同声明は、「外国部隊のアフガン撤退は、アフガンの安定を確保しつつ行われるべきで、和平プロセスを止めたり、戦闘を招いてはならない」と強調。安保理決議1988号に基づくタリバン制裁を見直すとしつつ、その見直しは、タリバンによる暴力の水準低下、和平プロセスへの参加に応じて行うという。また、タリバンに対して、撤退の際に各国部隊や外交団を攻撃しないよう求め、「武力で樹立されたアフガンでの新政権は支持しない」と警告した。一方、延期されているイスタンブールでの会合は、まだ開催日未定。

―ヒックス米国防副長官は、「米はアフガンで目標を達成し、同国からアルカイダを根絶した」「引き続き、自国の利益を守り、タリバンとアフガンの他勢力に義務を順守させていく」と述べた。また、「アフガン政府がタリバンに打倒される可能性を考慮しているか」との質問に対し、副長官は「あらゆる緊急作戦、自国民と部隊の保護を検討している」と答えた。

―NATOは、アフガンからの撤退を開始したと声明。「撤収のプロセスは、良く調整・計画されたものとなる」としている。一方、タリバンは組織のウェブサイトで、外国部隊の撤退開始を歓迎、「撤退により、紛争は終結するだろう」と楽観姿勢を示したが、進行中の和平プロセスには言及せず。

―サリバン米国家安全保障補佐官は、「米軍のアフガン撤退は、NATOの同盟諸国と調整の上で決定した」「米は、自国を脅かすいかなるテロの脅威にも対処する能力がある」と述べた。

世界政治研究所(IWP、ワシントン)のポール・デービス教授の話:米軍は既にアフガンから撤退を始めたと自分は理解している。タリバン幹部のブラックリストからの削除という「取引」は、米軍の主要部隊の撤退後、実際に行われるだろう。これは、米とタリバンの双方にとって機微な問題だが、米政権は「アフガンから出ていくことを実現するためなら何でもする」姿勢のようだ。

―アフガン治安筋によると、ロガール州で前知事宅を狙った爆発物搭載車両による爆破があり、民間の25人が死亡、大半が民間の60人が負傷した。犯行声明は出ていないが、政府はタリバンの攻撃だと主張した。政府高官は「過去15日で治安部隊の120人、民間人65人、タリバンの300人超が死亡した」「外国部隊の撤退と合わせてタリバンは力を誇示し、戦果を狙っている」と述べた。

○ マグレブ情勢

―特になし

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―キルギスとタジキスタンの国境地帯での4月29日の衝突は、キルギス側によると同国の31人が死亡、121人が負傷、住民2万人以上が避難した。「両国大統領が、国境紛争を平和的に解決することで合意した」(キルギス大統領府)としている。対するタジク側は、市民10人が死亡したとのみ発表。「領土では一切譲歩しない」との姿勢を示した。衝突は、キルギスにあるタジキスタンの飛び地ヴォルフ地区をめぐり起きた。

エリコの目

―ファリード・ザカリヤのワシントン・ポストへの寄稿要旨。「ビンラディン殺害から10年。もはやイスラム過激主義は脅威ではなく、極右がこれに代わった。」
2014年のピーク時と比較して、テロによる世界の死者数は59%減少した。欧米における現在の脅威の主役はイスラム過激主義から極右テロに移った。後者の発生はこの間250%増加した。その全てのテロに対する比率は発生件数で46%、死者数で82%を占める。また、多くのイスラム系テロは、地域問題に矮小化している(アフガニスタンのタリバン、ボコハラム、シャバーブ等)。(アルクドゥス・アルアラビー紙)

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中東の新型コロナ動向

―トルコのコジャ保健相は今後6カ月の間にロシア製ワクチン・スプートニクV、5000万回分を入手する予定であると述べた。現在、2300万回の接種が実施され、中国・シノヴァック製と独・ビヨンテック製のワクチン計6000万回分が接種可能な状態にある由。(アナドール通信)

ー30日のトルコの新規感染者数は31,891人、死者は394人であった。

Turkey COVID - Coronavirus Statistics - Worldometer
Turkey Coronavirus update with statistics and graphs: total and new cases, deaths per day, mortality and recovery rates, current active cases, recoveries, trend...
<特記事項・気付きの点>

―特になし

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