アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
13日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
(パレスチナ情勢を特別体制で報道したため、ヘッドラインはなし)
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―特になし
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―特になし
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―パレスチナ保健省の最新の発表(0600JST台)によると、イスラエルの空爆によりガザ地区でこれまでに65人が死亡(うち子供16人、女性5人)、365人以上が負傷した。イスラエル政府は、「ガザ地区周辺で12日朝に兵士1人」と発表。こうした中、ハマースは12日夜、イスラエルのアシュケロン、アシュドッド等、ガザ地区周辺地域に向けて多数のロケット弾を発射。イスラエルのティベリア、ハイファ、ヤッファ、ラムラ、ロードでは、パレスチナ人らが(イスラエル人)過激派に襲撃された。
―ハマースの軍事部門「カッサーム部隊」は、「イスラエルの空爆により、バーセム・イーサー司令官と、戦闘員複数が死亡した」と発表。イスラエル軍筋によると、イーサー司令官や、サイバー・ミサイル技術部門トップのジョムア・タルハ氏を含むカッサーム部隊の幹部4人が標的とされた。これについて、バルフーム・ハマース広報担当は、「敵たるシオニストは、攻撃の代償を払う用意をすべきだ」と述べた。
―ガザ地区中部にある高層ビル「シュルーク」が12日、イスラエルの空爆を受けて倒壊した。同ビルにはハマースの情報機関の拠点があったとされる。空爆に先立ち、イスラエルの偵察機はビルの周辺地域に「警告ミサイル」を発射した。
―イスラエル軍は、「10日夜以降、ガザ地区からイスラエルに向けて千発以上のロケット弾が発射された」と発表。一方でハニーヤ・ハマース政治局長は、「パレスチナ抵抗運動は、全てのシナリオに備えている」「敵との対決は開かれている」と述べた。
―シュタイエ・パレスチナ首相は緊急閣議で、「イスラエルがパレスチナ各地で行っている殺戮、押収、破壊、強制退去などの犯罪行為や、エルサレムでの分離壁の設置、ガザ地区を有刺鉄線で封鎖し、検問所を閉鎖していることが、(イスラエルの)占領に対する今回の『国民的爆発』の背景にある」「沈黙することは、イスラエルの犯罪継続を助長する」と述べた。
―バイデン米大統領は会見で、「ネタニヤフ首相と電話会談を行った。このことについて、近く声明が発表される」「現状(の衝突が)遅かれ早かれ収束すると予想及び期待している。しかし、イスラエルには自衛の権利がある。イスラエル領内に数千発ものロケット弾が撃ち込まれている」「政権の国家安全保障チームは、イスラエルのみならず、サウジアラビア、UAE、エジプト等の各国のカウンターパートと連絡を取っている」と述べた。
―ネタニヤフ・イスラエル首相は、「ブリンケン米国務長官と会談し、イスラエルの自衛権への米の支援に謝意を示した」「イスラエル軍は、ハマース軍事部門の幹部複数を『粛清』した」「これはほんの始まりに過ぎない」「彼らが想像もつかないような規模の攻撃を継続する」と述べた。イスラエルのイディオト・アハロノト紙によると、ネタニヤフ首相は縮小閣議で停戦に向けた各提案を拒否した。
―ラーマッラー北方のバイト・イール検問所からの特派員レポ:
(同検問所付近で)イスラエル軍はパレスチナ人抗議者数百人に対してガス弾を発射している/パレスチナ保健省は、「西岸地区ナブルス近くで、イスラエル軍の発砲を受けパレスチナ人1人が死亡した」と発表/パレスチナ赤新月社によると、ナブルス各地で衝突によりパレスチナ人50人以上が負傷した/ヘブロン中部で実弾により15人が負傷した。エリコ、カルキリヤ等でも負傷者が出ている模様/西岸地区全体で12日に計3人死亡、数十人が負傷した。
―ガザ地区の特派員レポ:
ガザ地区に対する激しい空爆が再開された。約30分前(0615JST時点)にも空爆が行われた/イスラエル軍は最新の空爆で、これまでとは異なり、道路や分岐点を集中的に狙った。同地区中心部の主要道路の一つであるオマル・ムフタール道路が攻撃された/同地区北部でも分岐点や農地等が標的となった/ベイト・ハヌーンの警察署や、イスラム国立銀行も攻撃を受けた。
○ 国際テロ・過激主義情勢
―特になし
○ マグレブ情勢
―特になし
○ トルコ情勢
―特になし
<その他の重要ニュース要旨>
―特になし
エリコの目
ー米第五艦隊所属のミサイル巡洋艦がアラビア海で国籍不明のダウ船を拿捕、積荷は大量の武器であった。匿名の米高官がAPに語ったところによれば、船はイランからイエメン・フーシ派に国連が禁止している武器の輸出を行っていた疑いがある。積荷はロシア製対戦車ミサイル、中国製56型ライフル銃など。(スカイニューズ・アラビア)
映像は:
中東の新型コロナ動向
ーGCC諸国では、ラマダン明け休日の機会に新型コロナ対策措置の一部を緩和する動きがある。
〇 サウジアラビアは、全国でラマダン明けの集団礼拝を実施することを決定、金曜礼拝を行っているすべてのモスク・礼拝所で集団礼拝が許可される。また、陸海空の入国管理地点は、5月17日より開放され、国民の海外渡航が解禁される。渡航を許可されるのは、ワクチン2回接種を完了した者、1回接種後14日以上経過している者、新型コロナに感染して回復し、6カ月以内の者、18歳未満の子供等。
〇 クウェートでは、部分的ロックダウンが2カ月以上実施されているが、13日より、外出禁止令を解除する。飲食店の持ち帰り営業も解禁、ただし顧客は店内に留まってはならない。一方、ネパール、パキスタン、スリランカ、バングラディシュ行の旅客便の差止を決定。
〇 バーレーンでは、13日よりワクチン接種完了者はその証明を提示することにより閉ざされた空間での飲食・娯楽施設への入場等が許される。入国を希望する外国人は、ワクチン接種証明書の提示が必要となる。
<特記事項・気付きの点>
―パレスチナ、イスラエル各地の状況を、現場からの中継映像、特派員らの話を交えて重点的に報道。