2021年6月17日 (No.21078)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

17日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ バイデン米大統領とプーチン露大統領が会談し、大使の復帰と、戦略的対話の開始で合意。その他の課題では対立続く

■ プーチン大統領、上記会談について「建設的だった」とコメント。バイデン大統領は同大統領に協力を呼びかけ、「米のアジェンダは反露的なものではない」と述べる

■ 米アフガン特使、アルジャジーラのインタビューで「アフガン政府とタリバンは、米軍の撤退完了前に合意に至るべきだ」と述べる

■ ベネット新政権の発足を受け、イスラエルでUAEとの石油協定の取り消しを求める声

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―イランで18日、ロウハニ大統領の任期満了に伴う大統領選が行われる。候補者3人が辞退(ママ)する中、選挙運動期間が終了した。投票率の大幅な落ち込みが予想される中、最高指導者のハメネイ師は16日に演説し、「投票率の低下は、我が国、とりわけ経済的な圧力が増すことを意味する」と警告し、国民に投票への参加を呼びかけた。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―特になし

○ エジプト情勢

―ルネッサンス・ダム問題をめぐり、シュクリー・エジプト外相は「交渉を通じた解決に達することに向けたエジプトの意思」を改めて確認し、「ワシントンで策定された内容の合意に署名することに向けたエチオピア側の政治的意思が感じられない中でも、エジプトはナイル川の全流域国の権利を保障する合意に向け尽力した」と述べ、「エチオピアの頑固さ」を非難した。一方でエチオピアは、ルネッサンス・ダム問題に対してアラブ連盟が表明した立場について、「不公平だ」として拒否した。ムフティ・エチオピア外務省報道官は、「エチオピアは、アラブ連盟や、その他の(国等による)ダム問題への介入を一切拒否する」と述べた。

○ 中東和平(占領地情勢)

―イスラエルの複数の消息筋は、歴史の浅いイスラエル・UAE間関係を直撃する可能性のある「最初の嵐」について警告した。ネタニヤフ前首相を支持するイスラエル・トゥデイ紙は、「両国関係の悪化は、UAEが原油をイスラエルの紅海と地中海を結ぶエイラートのパイプラインを通じて輸送(欧州市場に売却)することで合意した協定が取り消される可能性があるためだ」「新内閣のタマル・ザンドベルグ環境保護相が、環境保護を理由に協定の取り消しを求めているため、問題が勃発する可能性がある」と報じた。

○ 国際テロ・過激主義情勢

―ハリルザド米アフガニスタン特使はアルジャジーラのインタビューで、「米は、9月11日までにアフガン撤退を完了することを順守する」「アフガン政府とタリバンは、米軍の撤退完了前に和平合意に至るべきだ。アフガンの問題に軍事的解決は存在しない」「米軍はアフガンを去るが、同国を見捨てるのではない。アフガン治安部隊への支援を継続し、政府へ経済支援を提供する。米のみならず、(米の)同盟諸国もこれを行う」と述べた。
また、ハリルザド特使はアフガン和平対話におけるカタールの役割を賞賛し、「米・タリバン間のドーハ合意は、アフガン両当事者にカタールの支援の下で行われる和平対話に参加する道を開いた」と述べた。

○ マグレブ情勢

―アルジェリア議会選挙(定数407)の公式結果が発表され、「民族解放戦線(FLN)」が105議席(25・79%)を獲得して第一党を維持した。無所属候補が78議席(19.16%)、イスラム主義の「平和な社会運動(MSP)」が64議席(15.72%)、「民主国民連合(RND)」が57議席(約14%)、「未来戦線」が48議席(11・8%)、「国民建設運動」が40議席(9.8%)を得た。
FLNと「未来戦線」は、各政党との対話を開始する用意があると表明。MSPは「選挙結果を歓迎する」とした。

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―バイデン米大統領とプーチン露大統領は16日、スイス・ジュネーブで初の対面での会談を行った。会談後の記者会見でバイデン大統領は、「会談の雰囲気は良く、前向きだった」「両国関係の安定と、(イランの)核武装の阻止に向けた戦略的対話を開始することで合意した」「米政権には、反露的なアジェンダはない」と述べる一方で、「プーチン大統領に対し、『(同氏が)米の人権状況を批判することはばかげている』と伝えた」「露の刑務所に収監されている米市民に関する問題を議題に挙げた」「サイバー攻撃に関して、『米は攻撃を受ければ、相応の反撃を行う』と伝えた」とした。
一方でプーチン大統領は、「会談は全体的に前向きで建設的だった」「最も複雑な諸課題をめぐり、会談に対して大きな期待は抱いていなかったが、良いスタートだった」「サイバー攻撃対策に関する対話を開始することが可能だ」「米露両国の大使を復帰させることで合意した」と述べる一方で、人権問題や、露で収監されている野党勢力指導者のナワリヌイ氏については、「この人物(ナワリヌイ氏)は露の法律に違反した」「欧州を含む各国に存在するCIAの収容施設はどうだろうか?そこでは最悪の拷問が行われている。これが『人権』か?」と反論した。

エリコの目

ーシリアのアルハウル難民キャンプはイスラム国(IS)戦闘員の家族らを収容しているキャンプだが、そこから94家族が、イラク・ニナワ県の県都モスルの南方にあるアルジャダア難民キャンプに移動、定着した。イラク政府筋は、これらの家族はISとは無関係と主張するが、かつてイスラム国戦闘員としてイラク国内で戦っていた要員の関係者ではとの疑念は拭えないため、大きな緊張の種となっている。(アルハッル・ネット)

العودة من "الهول": هل ستستقر عوائل داعش في محافظة نينوى العراقية؟
استقرت أربع وتسعون عائلة، قادمة من #مخيم_الهول السوري، في مخيم “الجدعة” للنازحين، بناحية “القيارة” جنوبي #الموصل، مركز محافظة #نينوى. واختلفت روايات المسؤولين و...

中東の新型コロナ動向

ー英インディペンデント・オンラインによると、オマーンの新型コロナ感染者の中で3人がムコール症(黒い真菌)に感染していることが判明した。ムコール症は、免疫機能の弱った患者が空気中に存在する菌を吸入して発症する真菌感染症で、死亡する場合もある。インドでは数百人が死亡しているが、アラビア半島では初の報告例。(アルクドゥス・アルアラビー紙)

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<特記事項・気付きの点>

―米露首脳会談を重点的に報道。

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