アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
26日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■ 米大統領、アフガニスタン大統領との会談で「米軍撤退後も継続するパートナーシップ」に言及。アフガニスタン大統領は「国軍が北部の軍事拠点を引き継いだ」と発表。米高官、タリバンに対する攻撃の実施を明かす
■ 米、「全ての対イラン制裁を解除することはない」「交渉は無期限で行うわけではない」と述べる。イランは核合意の義務履行と制裁を結び付けることを拒否
■ ルネッサンス・ダムをめぐる発言がエスカレート。エチオピア国防省高官、「エジプトがダムを破壊することは出来ない」「エチオピア政府は軍事的解決の準備ができている」と述べる
■ 米国務省、アルジャジーラのインタビューで「イエメン紛争におけるホウシー派の存在を認めることと、イエメン政府の正統性を認めることは矛盾しない」と述べ、「即時停戦の実現に注力する」と確認
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―マレー米イラン特使は、「米は、トランプ制裁が科した対イラン制裁の全面解除に同意していない」「交渉は無期限で行われるわけではない」と確認した。一方でイラン外務省は、「米による制裁の解除が確認できれば、イランは核合意の義務を履行する用意がある」と述べた。
―IAEAは、「(24日に期限切れとなった)核査察受け入れに関する暫定合意の延長に対する考えを示すよう求める内容の書簡をイランに送付したが、返答がなかった」と明らかにした。一方でイランのガリババディIAEA担当大使は、「合意の延長に関するいかなる決定も、『純粋な政治的基盤』に依拠するだろう」と述べた。
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―タミーム・カタール首長はライシ・イラン大統領との電話会談で、選挙での同氏の勝利を祝福したほか、二国間関係とその強化・発展の方策について協議した。イラン国営通信によると、ライシ大統領は会談で、「新内閣の経済外交の最優先事項は、近隣諸国とのものになる」「イラン・カタール間の政治・経済関係の繁栄は、地域の経済協力の実現における適切な例だ」と確認した。
―ウォーバーグ米国務省地域報道官はアルジャジーラのインタビューで、「イエメン紛争に対する米の立場は変わらない」「米はイエメン政府を唯一の正統政府と認めている」「レンダーキング米イエメン特使の(ホウシー派をイエメンにおける正当な当事者とした)発言は間違っていない。ホウシー派は数年にわたって存在しており、紛争の終結には交渉が不可欠だ」と述べた。
○ エジプト情勢
―エチオピア国防省工学部長のボタ・バチャータ・デベレ将軍は、露ニュースチャンネルのRTのインタビューで、「エチオピアは、国家主権に抵触するいかなる攻撃も阻止して、ルネッサンス・ダムを守る準備ができている」「ダム問題に軍事的解決はない」「エジプト側は交渉を通じた解決を望んでいない。(エジプトは)対話に参加するものの、全ての提案を拒否している」「エジプトが攻撃を仕掛けても、問題を解決したり、ダムを破壊することは出来ない」と述べた。
―エジプトの複数メディアによると、ウォーバーグ米国務省地域報道官は「米は、AU主催の交渉を通じたルネッサンス・ダム問題の解決に尽力している」「米政権は、エジプト(の人口)1億人を水のない状態で放置しない」と述べ、「各当事者に交渉を通じた解決の実現を促し、他の解決策を講じることのないよう、米は出来る限りのことをする」と確認した。
○ 中東和平(占領地情勢)
―特になし
○ 国際テロ・過激主義情勢
―バイデン米大統領はガニ・アフガニスタン大統領とホワイトハウスで会談し、「米・アフガニスタン間のパートナーシップは(駐留米軍の撤退で)終わるわけではなく、継続する」「アフガニスタンの人々は、自国の将来を決める必要がある」と確認した。一方でガニ大統領は、「両国間のパートナーシップは新たな段階に入る。パートナーシップは軍事的なものではなく、包括的だ」「米のアフガニスタン撤退の決定は歴史的であり、これにより全員が製作の見直しを行った」「撤退の決定を支援すべく、米を訪問した」と述べ、「国軍が北部の軍事拠点を引き継いだ」と発表。
―上記会談の数時間前に、FOXニュースは米高官の話として、「米軍はアフガニスタン北部のタリバン拠点に対する無人機攻撃を2回実施した」と報じた。
―AP通信は消息筋の話として、「米軍のアフガニスタン撤退は、今後2週間以内に大幅に進められる」「外交官の保護のため、米兵約650人がアフガニスタンに残る。また、安全確保に向けた一時的な措置として、米兵数百人が9月までカブール国際空港に駐留する」と報じた。
―米海軍は声明で、「米軍のアフガニスタン撤退プロセスの安全確保に向け、空母『ロナルド・レーガン』は複数の戦艦と共に、第5艦隊のアラビア海北部の担当範囲内に到着した」「撤退プロセス中の米軍及び有志連合軍の保護に向けた空軍の能力の確保のため、空母は地域のパートナー及び有志連合軍と協力する」と発表。
○ マグレブ情勢
―特になし
○ トルコ情勢
―特になし
<その他の重要ニュース要旨>
―特になし
エリコの目
ーNYタイムズの報道等によると、イスラエルがイランのテヘラン近郊にある秘密のウラン濃縮施設に対してドローン攻撃を実施、「大きな損害を与えた」との情報がある。他方、イランは23日、かかる攻撃を「防いだ」と発表した。ドローンはイラン国内の攻撃目標に近い地点から飛び立ったとされる。(アッシャルク・アルアウサト紙:巧妙化の度合いを増すイスラエルの対イラン「陰の戦争」)
中東の新型コロナ動向
ー25日午前、イラン最高指導者のハメネイ師はイラン製新型コロナワクチン「コヴ・イラン・バラカト」の第一回接種を受けた。ハメネイ師は「関係者に感謝。元々、外国製のワクチン接種はしたくなかったので、国産ワクチンを待っていると言った。国家的名誉を称えたい。国内に予防・治療手段があるのに、なぜ使用しないことがあろうか」「必要があれば、国産ワクチンとともに、外国製ワクチンを接種することも構わない。しかし、イラン製ワクチンを尊重すべきだ」等と述べた。イランは新型コロナワクチンを生産する能力のある国としては世界で6番目、西アジアで初の国となった。(アルマヤディーン・ネット)
ーイランの新規感染者数は10,820人、24時間以内の死者数は115人であったとイラン保健省が25日発表した。(4月中旬に新規感染者数25,000人を超えるピークを経験した以降は低下傾向であったが、最近、再度漸増に転じている。)(アッシャルク・アルアウサト紙)
<特記事項・気付きの点>
―特になし