2021年6月28日 (No.21089)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

28日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ 米イスラエル外相会合でイラン核問題が主要議題に。米国務長官は「イスラエルの安全保障へのコミットメント」を強調、イスラエル外相はウィーン協議に抗議し、「米との間に相違点が存在する」と確認

■ スーダン、ルネッサンス・ダム問題に関してコンゴが提示し米が支持した、エチオピアとの段階的な合意案の受け入れを発表。国際的保障の下で合意期間を半年間とする内容

■ イエメン・マアリブ県西部の複数の戦線で政府軍とホウシー派の戦闘激化により数十人が死傷

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―ラピド・イスラエル外相とローマで初めて会談したブリンケン米国務長官は、「イラン(核問題)を筆頭とする地域の諸課題について協議した」と述べ、「両国の間には一部で見解の相違が存在する可能性があるが、イスラエルの安全保障に対する米のコミットメントが基本だ」と強調した。
一方でラピド外相は、「イスラエルはイラン核合意をめぐるウィーン協議の路線に反発する。この件について、米の間に相違点が存在する」と述べた。

―イラン国会の国家安全保障外交政策委員会は、「米が制裁を解除しなければ、イランは核施設内で記録・保存しているデータをIAEAに引き渡さないだけでなく、監視カメラを停止する」「(査察受け入れに関する)IAEAとの合意の再延長を拒否する」と発表した。

―核合意をめぐるウィーン協議でイラン代表団を率いるアラグチ外務次官は、「協議は最終段階に達した。残る課題について十分な協議が行われた」「核合意の再建について、全ての参加国が最終決定を下す時が来た」と述べた。

―イラク首都バグダッドでカージミー首相、シーシー・エジプト大統領、アブドラ・ヨルダン国王が会談し、「エルサレムの歴史的・法的地位変える措置を含む、和平の実現を妨げる全ての措置をイスラエルが止める重要性」を確認した。また、ルネッサンス・ダム問題をめぐっては、エジプトとスーダンの立場を支持する姿勢を表明。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―ホウシー派のメディアによると、サウジ・UAE同盟軍はマアリブ県シルワーハ郡で空爆を23回実施した。一方で政府軍筋は、「、同県のシルワーハ・ラグワーン両群でホウシー派が政府軍拠点を襲撃し、これにより発生し数時間続いた激戦で数十人が死傷した」「ホウシー派の攻撃を阻止し、同派の50人を殺害、数十人を負傷させた」と述べた。

―サウジ・UAE同盟軍司令部は、「サウジの防空システムは、ホウシー派が(サウジ南部の)ハミース・ムシャイト市に向けて発射した弾道ミサイル2発を迎撃・破壊した」と発表。これに先立ち、サウジの防空システムは、同派が同市に向けて発射した爆弾を積んだ無人機2機を迎撃・破壊した。

○ エジプト情勢

―マフディ・スーダン外相は、「ルネッサンス・ダムの貯水に関して、コンゴ民主共和は段階的な合意案を提示した。同案は米と国連が支持している」「スーダンはこの段階的合意の原則を受け入れたが、国際的な保障の下で合意期間を半年間とすることを条件としている」「スーダンは安保理に対し、エチオピアによるダムの一方的な貯水に関して協議を行い、当事3か国に国際法の順守と一方的措置の放棄を促すよう求めた」と述べた。

―ジェラルディン・グリフィス米国務省地域報道官はアルジャジーラのインタビューで、「ルネッサンス・ダム問題の解決に向けて、米はエチオピア、エジプト、スーダンのいずれかに圧力をかけるようなことはしていない」と否定し、当事3か国に対して「問題の複雑化に繋がる一方的な措置を講じぬよう」呼びかけた。また、「米の特使がこの問題について協議を行っている」と述べた。

○ 中東和平(占領地情勢)

―パレスチナ人の政治活動家ニザール・バナート氏が西岸地区ヘブロンで自治政府の治安部隊に拘束された後に死亡したことを受け、同氏の死亡に抗議してアッバース大統領の退陣等を求めるデモ隊と、同大統領の支持者がラーマッラーで衝突した。これに先立ち、ファタハはラーマッラーのマナーラ広場で抗議集会を行い、「パレスチナで混乱と対立を招く試みに立ち向かう」と確認した。

―国連のウェネスランド中東和平担当特別調整官は声明で、「ガザ地区の発電所へのカタールの燃料輸送が28日に再開した」「燃料供給の再開は、国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)とカタールの協定に基づく」と述べた。また、「国連は、停戦の定着に向けた取り組みを歓迎する」「各当事者及びパートナー達と連絡して、停戦の確立と、ガザ地区の住民の支援に尽力する」とした。

○ 国際テロ・過激主義情勢

―アフガニスタン内務省筋によると、タリバンの戦闘員らはワルダク州チェック群の郡都を制圧した。一方でタリバンは、「戦闘員は、国軍との激戦の末に、同群の郡都及び警察署を制圧した」と述べた。これにより、タリバンは過去2日間でワルダク州の2つの群を制圧したことになる。

―アフガニスタン国防省は、「15の州で過去24時間に空爆によりタリバン戦闘員数十人を殺害した」と発表。こうした中、ウィルソン駐アフガニスタン米大使は、「米は、パキスタン、露、中国を含む地域のパートナー達と協力して、タリバンに前向きな和平交渉への参加を強制すべく影響力を行使する」「カブール国際空港の警備について、米はトルコと協議を行っている」「米軍は国際空港の警備任務に一時的にあたる」と述べた。

○ マグレブ情勢

―特になし

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―米国務省は声明で、「ブリンケン長官はハムドゥーク・スーダン首相と電話会談を行い、スーダンでの平和の実現と、政治・経済・治安改革における進展について協議した。また、地域の安定、和平協定の実施、スーダンとイスラエルの国交正常化の順守、国家統一の強化と国軍の改革に向けた同首相の新たな取り組みについて協議した」「ブリンケン長官は、ハムドゥーク首相と民主的暫定政府への支持を改めて表明した」と述べた。

エリコの目

ーイランの軍事用ドローン開発が注目されている。サラミ革命防衛隊司令官の「航続距離7,000㎞のドローンも保有している」等の発言を受けてのことだが、イランは多種他様のドローンを製造・保有しており、ロケット弾を搭載して目標を攻撃後帰還する型、自爆攻撃型の双方がある。専門家は、この兵器が近隣国の親イラン武装組織に移転される危険を指摘している。(アルアラブ紙)

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中東の新型コロナ動向

ーチュニジアのムシーシ首相夫妻が新型コロナに感染し、夫人は集中治療室に収容中と発表された。同国では、感染爆発の様相を呈しており、変異株「デルタ型」も初めて検出された。26日の新規感染者数は4,664人、死者数は90人であった。(アッシャルク・アルアウサト紙)

مشهد وبائي «كارثي» في تونس... ورصد أولى إصابات «دلتا»
أعلنت سمر صمود المختصة في علم المناعة بمعهد «باستور تونس»، عن تسجيل 6 حالات إصابة بسلالة «دلتا» التي رُصدت للمرة الأولى في الهند. وكانت تونس قد أعلنت عن إصابة ر...
<特記事項・気付きの点>

―特になし

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