2021年8月12日 (No.21134)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

12日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ タリバン、アフガニスタンで新たに地域を制圧する一方、政治プロセスに拘ると強調。アフガン政府、カタールに「解決の構想」を示す。米国防総省報道官は「今月末までアフガン政府支援の責任を果たす」と述べる

■ CIA長官、イスラエル首相とイラン核問題について協議。独はイランに、核合意をめぐるウィーン協議に迅速に戻るよう呼びかけ

■ レバノン中銀、厳しい経済危機の中、燃料購入への資金援助はできないとし、闇市場の対ドル価格に基づき措置をとると発表

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―マース独外相、「イランの域内での役割と、弾道ミサイル開発計画に関する協議」を同国と始める意向を示した。また、ウィーンでの核合意をめぐる協議について、「イランは核合意再生のため、迅速かつ柔軟さをもって交渉に復帰すべきだ」と促した。さらに「ウィーンの交渉を救えるかは、交渉をいつまでも延長しないことにかかっている」と述べた。

―レバノン中銀は燃料輸入の支援に関して、「12日からブラック・マーケットの対ドル為替相場に基づいて行う」と発表。ブラック・マーケットの相場は現在1ドル=2万ポンド以下。エネルギー・水資源相によると、中銀総裁は最高国防評議会で「もはや公式の対ドル・レートに基づいた燃料購入の補助はできない」と述べた。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―特になし

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―ベネット・イスラエル首相は、テルアビブでバーンズCIA長官と会談した。イスラエル首相府によれば、イラン問題、情報や安全保障における協力強化、中東情勢について協議。モサド、イスラエル国家安全保障会議のトップが同席した。

○ 国際テロ・過激主義情勢

―アフガニスタンのタリバンは、北部バグラン州に続き、バダフシャン州の州都ファイザバードを制圧したと発表。これでタリバンは、1週間で9つの州都を制圧したことになる。ガ二大統領は、政府軍のワリー・ムハンマド・アフマドザイ司令官を解任し、ハイバトッラー・アリーザイ氏を後任とした。また大統領は、マザリシャリフ市で現場視察を行った。

―タリバンのムジャーヒド報道官は、「多数の政府軍兵士が我々に加わった」「兵士たちの投降に加え、(南部)クンドゥズ州の空港でヘリや他の兵器を鹵獲した」とツイート。治安筋によれば、タリバンはクンドゥズ州の中央刑務所を制圧した。

―ショイグ露国防相は、タリバンがウズベキスタン、タジキスタンとの国境を支配し、さらにクンドゥズ州を掌握したと述べた。アフガン政府筋によれば、クンドゥズ市陥落後に市内の空港に避難していた治安部隊の数百人がタリバンに投降した。

―ガニ大統領は、「北部諸州の対タリバン作戦センター」を設置し、部族指導者らと会合した。一方、アブドルラシード・ドスタム将軍(元副大統領、「イスラム民族運動」指導者)は、「対タリバン戦を指揮するためバラフ州に向かう。人々は皆、タリバンに反乱するだろう」と述べた。ドスタム将軍に近い筋は、大統領が将軍に対タリバン作戦の指揮を委ねる見込みだと述べた。

―アフガニスタン外務省はパキスタンに、「タリバンとその同盟テロ組織への補給路の閉鎖」を求めた。また「地域のテロ組織に支援されたテロリストが、パキスタン国内に安全な避難地を得て、対アフガン攻撃の拠点としている」と指摘した。

―米ニュースサイト「アクシオス」は、アフガン情勢に詳しい筋の話として、「この1週間のタリバンによるアフガン各地制圧の速さに、米軍やNSCのベテランの高官は衝撃を受けた」と報道。また、「バイデン大統領がアフガン撤退戦略を変える余地はない」との米上院外交委員会の委員の話を伝えた。

―サキ米大統領報道官は、「タリバンの戦闘現場での前進に関わらず、米軍は定められた期限に沿ってアフガンから撤収する」と述べた。その上で「アフガン軍を兵站で支援する。同軍にはタリバンを阻止する能力がある」と述べた。また、「90日以内にカブールが陥落する」との予測についてコメントを拒み、「不可避のシナリオはないというのが現在の米政府の見方だ」と述べた。

―カービー米国防総省報道官は、「米軍に付与されているアフガン軍への空爆支援の権限は、アフガン駐留部隊の削減に伴い今月末で終了する」と述べた。その上で「その次の段階については、まだ何も決定されていない」と強調。

―アブドラ・アフガン国家和解高等評議会議長(政府代表団長)は、「目下の危機脱却の計画をカタール政府に渡した」「我々は政治的解決に向けた交渉の仲介者任命を支持する」と述べた。また「タリバンは約束を果たさず、アルカイダを含むテロ組織との関係を断っていない」「タリバンは和平協議に真剣ではなく、政治的解決を信じていない」と批判した。

―ドーハで、アフガンに関する拡大国際会議の参加国の会合が続いた。12日には露、米、中、パキスタンが加わり、アフガン情勢について協議する見込み。

―タリバン政治事務所のナイーム報道官は、「我々は戦闘現場で前進したが、対話を通じた問題解決に拘っている」「政治プロセスを閉じることはない。ドーハに我々の交渉団がいるのが、交渉への拘りの証拠だ」と語った。

○ マグレブ情勢

―サイード・チュニジア大統領は、「自分のとった措置は法律と憲法の枠内のもので、クーデターではない」「私はクーデターではなく、全ての人への法の適用を呼びかけている」と改めて強調した。また「チュニジア国内に存在するいくつかの国々が原因で、法が軽視されている」と述べた。

―チュニジア議会議長のガンヌーシ・ナハダ運動党首は、アナトリア通信に「危機脱却の行程表をサイード大統領が示すのを依然として待っている」「チュニジアの問題は複雑で、大統領が指揮する包括的対話でしか解決しない」「安定と民主主義が維持される限り、ナハダ運動は大統領を支える」と述べた。

―チュニジア・ジャーナリスト組合は大統領府に、アルジャジーラ支局(7月末に治安部隊が閉鎖)のスタッフの職場復帰を即時可能にするよう呼びかけた。

―アルジェリア北部のティジウズ、ベジャイア両県などで発生した森林火災は、死者が65人に上った。うち28人が軍人。

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―特になし

エリコの目

―イスラエル12チャンネルによると、モサドのバルネア長官は、来訪したバーンズ米CIA長官にイランのライシ大統領に関する調査報告書を手渡し、同大統領が「過激かつ冷酷、腐敗しており精神病を病んでいる」とした上で、「信頼できない。核交渉を進めることができず、約束も守れない人物」であると吹き込んでいる。イスラエル紙が伝えた。(RTロシア語)

中東の新型コロナ動向

―イスラエルでは、感染の再拡大が加速している。ドイツ通信社(DW)によると、10日の新規感染者数は6,275人と、先の第2波後退期以来、6カ月ぶりの高水準を記録した。重症者の数も400人に近づいている。(注:我が国と人口比を考慮して比較すると、新規感染者は8万5千人、重症者は5,420人出ている割合になる/人口比13.55倍)同国では、全人口の59%がファイザー製のワクチンの2回接種を完了しているが、当局はこのワクチンの感染予防面での有効性が39%、重症化予防面での有効性は91%にまで低下していると発表、7月末には、60歳以上の市民にブースター接種(3回目)を開始すると発表していた。(アッシャルク・アルアウサト紙)

إسرائيل تسجل أعلى إصابات يومية منذ 6 أشهر
أظهرت بيانات وزارة الصحة الإسرائيلية، أمس (الثلاثاء)، تسجيل أعلى حصيلة إصابات يومية بفيروس كورونا منذ ستة أشهر، في حين الحكومة الفلسطينية تدرس إعطاء إجازة من دو...

<特記事項・気付きの点>

―特になし

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