アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
25日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■ 米大統領、G7に「カブールでの米軍の任務はタリバンとの継続的調整にかかっており、目標達成を根拠に終了する」と伝え、「必要になった場合に撤退スケジュールを変更する緊急計画」を要請
■ G7、タリバンに「8月末以降に市民が国外に退避するための安全回廊の確保」を求める。タリバンは、カタールがアフガン国民への人道支援を続けることを期待
■ アルジェリア、モロッコとの外交関係の断絶を発表。ただし「領事館業務は続くため、両国の国民が不利益を被ることはない」と確認
■ チュニジア大統領が一連の特別措置の延長を発表した後、ナハダ運動はこれを「重大な憲法違反」と評す
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―特になし
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―特になし
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―特になし
○ 国際テロ・過激主義情勢
―アフガニスタンのタリバンは、いくつかの省・政府機関の閣僚・責任者の代行を任命した。国防相代行にアブドルカイユーム・ザーキル師(グアンタナモ収容所の元収容者)、内相代行にサドル・イブラーヒーム氏、財務相代行にゴール・アガー氏が各々任命されたほか、教育相、高等教育相等の代行などが任命された。 ―タリバンは、(反タリバン勢力の動きがある)パンジシール州情勢について、「同地域での問題は解決に向かっている」とし、「タリバンは、同地域の武装勢力の要求を満たすべく取り組む」と確認した。 ―米当局者によると、バーンズ米CIA長官が、カブールでバラダル・タリバン政治事務所代表と(秘密裏に)会談した。(米軍のアフガン撤退期限や米国人らのカブール空港からの退避活動などについて話し合ったとされる。)タリバン広報担当は、「この会談について情報はない」としている。 ―バラダル・タリバン政治事務所代表は、カブールでカフターニー・カタール外相特使と会談し、「タリバンは、カタールがアフガン国民への人道支援を続けることを期待する」「アフガン問題解決におけるカタールの努力と平和的な協力に感謝する」と述べた。 ―カブール空港では、国外への退避活動が続いている。米国防総省は「過去24時間に、(米軍は)12,700人の退避を完了させた。その他の諸国は8,900人を退避させた」と発表。マース独外相は、「米とその同盟諸国は、国外に退避する資格のあるすべてのアフガン人を今月31日までに退避させることはできないだろう」と述べた。 ―ムジャーヒド・タリバン広報担当は、米に「アフガン人専門家らの退避を止めるよう」求め、「カブール空港からの退避活動の延長は一切認めない」と強調した。また、「タリバンは、同空港周辺の混乱を収拾するために同空港へ繋がるすべての道路を閉鎖した。外国人以外の通過は許可しない」と述べた。 ―米大統領府の声明によると、バイデン大統領は、G7諸国首脳に対し「米はアフガニスタンからの撤退活動を今月31日に完了する」と伝えた。同大統領は「期日通りの任務目標達成と撤退活動の完了は、タリバンとの継続的な調整にかかっている。それには、退避する人々の空港へのアクセス(許可)を続けることが含まれる」と強調。また、国防総省と国務省に「必要となった場合に撤退スケジュールを変更するための緊急時対応計画を立案するよう」要請した。更に「同地域でのISの脅威が増大する中で、米軍は更なる危険に直面している」と指摘した。タリバン側は、今月末以降の外国軍の残留を拒否している。(この報道後、バイデン大統領のほぼ同内容の演説を生中継した。) ―カービー米国防総省報道官は、「今月末というアフガニスタンからの撤退スケジュールに変更はない。退避を希望する全米国人の退避を完了させる」と述べた。 ―G7諸国首脳がアフガニスタン情勢に関するオンライン会議を開き、タリバンに「今月末以降に民間人が国外に退避するための安全回廊を確保するよう」求め、「アフガンの(次期)政権が正統性を得られるかどうかは、国内の安定を保証する国際的な約束を守るかどうかにかかっている」と強調した。また、「テロの防止、人権保護、(アフガン紛争の)包括的政治的解決に関わる行動について、タリバンの責任を追及する」とした。 ―メルケル独首相は、上記会議の後に会見し、「アフガニスタンに6億ユーロの援助を提供する。そのうち1億ユーロは緊急援助となる」と明らかにした。また同首相は、「タミーム・カタール首長に電話し、アフガン危機におけるカタールの役割に謝意を表した」と述べた。カタール首長府によると、両者は「アフガン国民のあらゆる願望を実現する包括的政治的解決を成功させるために努力を続ける必要がある」と確認した。 ―プーチン露大統領は、「アフガニスタンの体制が変わった後も、まだ国際テロの危険が存在している」とし、「露は、同国の内政には干渉せず、露軍を同国の『万人の万人に対する紛争』に関与させることはない」と述べた。 ―バチェレ国連人権高等弁務官は、アフガニスタンに関する人権理事会の会合で、「タリバン支配地域で人権侵害(民間人の超法規的処刑、女性に対する制限、タリバンの支配に対する抗議運動の制限など)が起きているとの報告を受けた」とし、「タリバンには人権に関する約束を行動に移していく責任がある」と述べた。 |
○ マグレブ情勢 |
―ラマムラ・アルジェリア外相は、「24日にモロッコとの外交関係を断絶し、ラバトから大使を召還する」と発表した。同外相は「両国間の危機が連続し両国間関係が行き詰まった責任はモロッコにある」と指摘し、「アルジェリアは、既成事実の論理と一方的な政策に屈することを拒否する」と強調した。ただし、領事館は通常業務を続けるとしている。(同外相は「モロッコが、最近アルジェリアで発生した一連の火災に関与している2つのテロ組織を支援している」と非難。) ―サイード・チュニジア大統領は、先月25日に発表した議会の(30日間)停止と全議員の免責特権剥奪に関する特別措置を無期限延長する大統領令を発出し、「これらの措置を採用したのは、アルジェリア国家に対する絶え間ない危険があるからだ」と述べた。ナハダ運動は、これに懸念を表明し、「議会の停止と議員の免責特権剥奪は重大な憲法違反とみなされるものだ」と改めて指摘し、「民主化路線を再開させ、国家機関の業務を早急に正常に戻し、問題解決の唯一の手段として対話に依拠するよう」呼びかけた。 |
○ マグレブ情勢
―ラマムラ・アルジェリア外相は、「24日にモロッコとの外交関係を断絶し、ラバトから大使を召還する」と発表した。同外相は「両国間の危機が連続し両国間関係が行き詰まった責任はモロッコにある」と指摘し、「アルジェリアは、既成事実の論理と一方的な政策に屈することを拒否する」と強調した。ただし、領事館は通常業務を続けるとしている。(同外相は「モロッコが、最近アルジェリアで発生した一連の火災に関与している2つのテロ組織を支援している」と非難。)
―サイード・チュニジア大統領は、先月25日に発表した議会の(30日間)停止と全議員の免責特権剥奪に関する特別措置を無期限延長する大統領令を発出し、「これらの措置を採用したのは、アルジェリア国家に対する絶え間ない危険があるからだ」と述べた。ナハダ運動は、これに懸念を表明し、「議会の停止と議員の免責特権剥奪は重大な憲法違反とみなされるものだ」と改めて指摘し、「民主化路線を再開させ、国家機関の業務を早急に正常に戻し、問題解決の唯一の手段として対話に依拠するよう」呼びかけた。
○ トルコ情勢
―特になし
<その他の重要ニュース要旨>
―特になし
エリコの目
―(モロッコはイスラエルと国交正常化に昨年12月に合意し、11日、ラピド外相がモロッコを訪問して協定文書に署名したところであるが)イスラエルの航空会社2社がイスラエル・モロッコ間の定期便開設を7月に発表するなど、経済関係が進んでいる。イスラエル最大のアボカド輸出会社「メハドリン」は、約9百万ドルをモロッコに投資して、1万トン/年のアボカドを生産する計画を開始したことを明らかにした。(アルクドゥス・アルアラビー紙)
中東の新型コロナ動向
―最新の統計(Our World in Data)によると、カタールは人口百万人以上の国々の比較において、少なくとも1回の新型コロナワクチン接種を受けた人の対人口比が78.8%と、世界第二位を記録した(世界一はUAEの84.4%)。22日、この数値は80%を超えた。また、保健省によると接種可能人口(12歳以上)に対する割合は22日に1回以上接種者で92.3%、2回完了者は80.6%だった。新規感染者数は200人前後で推移しており、死者は7月28日以来発生していない。(ドーハニューズ他)
<特記事項・気付きの点>
―特になし