2021年9月13日 (No.21166)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

13日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ カタール外相、アフガン周辺諸国歴訪後にカブールでアフンド暫定政府首相代行・アブドラ国家和解高等評議会議長・カルザイ元大統領と会談。様々な勢力に「国民和解」への参加を促す

■ カブール空港に駐留米軍撤収後初めて国連の4機が到着。WFPアフガン事務所副所長はアルジャジーラに「これは『空の架け橋』の初めの一歩だ」と語る

■イランとIAEA、関係悪化を経て核施設監視について合意。IAEA事務局長は「未だ多くの懸案事項がある」と指摘。イスラエルはイランの核開発を阻止するよう諸大国に呼びかけ

■リビア国家最高評議会議長、代表議会が投票も合意もなしに大統領選挙法を発布したことに反発。軍人の立候補を許す項目をめぐる対立も発生

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―グロッシIAEA事務局長はウィーンでの記者会見で、イランの核施設の監視継続に関して同国と合意したことを発表し、「イランの核施設への日常的な監視が可能になった」「IAEAはイランの全ての核施設を検査し、不具合のある監視機器の全てを交換する」と述べた。同合意は、IAEAがイランの核施設に設置された監視カメラの保存媒体を交換することを同国が許可する内容で(媒体はイランが保管)、イラン原子力庁のエスラミ長官とIAEA事務局長がテヘランで会談した結果成立した。

―ウィーンでのイラン核合意をめぐる協議の調整役を務めるモラ欧州対外活動庁事務次長は、イランとIAEAが核施設の監視に関する合意に署名したことを「前向きな一歩」と評価した。一方、イスラエルのベネット首相は、「イランは核開発を阻害されることなく迅速に進めている」と述べ、これに歯止めをかけるよう諸外国に呼びかけた。

―シリア北西部イドリブ南郊ジャバル・ザーウィヤのカンサフラとフテイラを露機が空爆。民間の住宅や所有物に甚大な被害が生じたが、人的被害はなかった。アレッポ西郊のシェイフ・スレイマーンも標的となった。

―イラクのサーレハ大統領は、アルジャジーラの番組「逆サイド」に出演した。主な発言は以下の通り:イラクの現行の憲法は、多くの分野で上手く機能しているものの欠陥もあり、その改正をめぐって論議が起こっている/大統領として2期目を務めることを望んでいる。イラク国家に提供できるものが私にはあると思っている。しかし、これは政治状況と次回の選挙次第だ/イスラエルとの国交正常化の話は、イラクでは出ていない。パレスチナ人の正当な権利が承認されなければ、地域に平和が定着する可能性はない。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―特になし

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―12日、ガザ地区から近隣のスデロットの入植地等に向けてロケット弾1発が発射され、警報が鳴り響いた。イスラエルの防空システム「アイアンドーム」がこれを迎撃。同国の救急隊の発表によると、安全な場所に逃げようとしている最中に4人が負傷した。ガザから周辺地域へのロケット弾発射は3夜連続。

○ 国際テロ・過激主義情勢

―カタールのムハンマド外相(副首相兼任)は、アラブ諸国高官として初のアフガニスタンへの公式訪問を終え、同国を出発した。カタール外相は滞在中、暫定政府首相代行のアフンド師と会談。消息筋によると、同外相はアフガニスタンの諸勢力に「国民和解」への参加を促し、暫定政府に対しては、全ての人々に移動・渡航の自由を保障し、テロと戦うとの約束を守るよう求めた。同外相とアフガン高官らの会談では、カブール国際空港をめぐる最新情勢やアフガニスタンの発展・前進の方策も取り上げられた。

―カタール外相はカブールで、国家和解高等評議会のアブドラ議長、カルザイ元大統領の両者と会談した。アブドラ議長とカルザイ元大統領は、カタールのアフガニスタンに対する包括的な支援について感謝の言葉を述べ、アフガン和平交渉の円滑化に向けた同国の協力への評価を示した。

―タリバンは声明を発して、「カタール政府は危機的な時期にアフガン国民を支えた」として謝意を表し、「ドーハ合意は重要な成果であり、皆が順守するべきだ」と主張した。また、「カタール外相との会合では、両国関係や人道支援、経済開発を協議した」と発表した。

―カブール国際空港に国連世界食糧計画(WFP)に属する航空機4機が到着。以前アフガニスタンを出国したWFPの職員らを再び運んだ。関係者によると、WFPは同国の諸都市での人道支援物資配布を再開する。これはカタールの技術支援チームによって同空港が段階的に再稼働してから国連の職員を運んだ初の航空便となった。

―WFPアフガニスタン事務所のパターソン副所長は、アルジャジーラのインタビューで、「WFPはアフガニスタンで活動する160の人道支援団体と連携するため、カブールとの間に『空の架け橋』を開設する」と明らかにした。

○ マグレブ情勢

―リビア代表議会のサーレハ議長は、12月24日実施予定の大統領選挙について規定する選挙法を発布した。国家最高評議会のミシュリー議長はこれに反発し、「代表議会は政治合意に基づき、選挙法について国家最高評議会の同意を受ける必要がある」と述べ、「政治合意への違反は、悲惨な結果を生む恐れがある」と警告した。代表議会の議員22人も、採決抜きで行われた選挙法制定に反対。また、この法律の軍人の立候補を可能とする項目が論争を引き起こした。

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―特になし

エリコの目

―1日、アルカイダの広報部門「サハーブ」は「エルサレムはユダヤ化しない」とのタイトルでアイマン・ザワヒリのビデオメッセージをインターネット上に公開したが、1時間以上に及ぶ長い動画は、最近の重要な展開について言及しなかった。(例えばバイデン大統領、という言及はなく、トランプ大統領について述べている。)タリバンに迷惑をかけないように、との配慮が働いたという可能性も考えられるものの、基本的に2010年7月27日に発表された同じタイトルの動画と同じ内容の主張をしたこの広報ビデオの発表で、ザワヒリの生死についての疑惑は益々深まった。(アハラーム政治戦略学センター、アフマド・アルブハイリ研究員)

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<特記事項・気付きの点>

―特になし

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