アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
18日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■ 米豪英の新たな安全保障協力の枠組みと、豪による潜水艦契約破棄をめぐり、仏が駐豪・米大使を召還
■ 米中央軍司令官、カブールで8月末に行い民間人複数が死亡した、ISに対する攻撃とされていた空爆が誤爆だったことを認めて謝罪
■ カブールの国連支援団の任期が延長され、事務総長はタリバンを一部の制裁の対象外とすることの検討を呼びかける。上海協力機構はアフガニスタン復興費用の一部負担を米に求める
■ チュニジアの軍事裁判所、マフルーフ尊厳連合代表の保釈を決定。同連合は「代表は、出頭する準備を進めている時に正体不明の集団に拉致された」と述べる
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―上海協力機構(SCO)は17日にタジキスタン首都ドゥシャンベで首脳会議を開き、イランの正式加盟に向けた手続きを開始することで一致した。また、エジプト、カタール、サウジアラビアを対話パートナー国に認定する手続きを始めるこでも合意した。
―ヒズボラの手配によって、シリアのバニヤース港経由でレバノンにイラン産の燃料を積んだタンクローリーの車列が入ったことについて、レバノンのミーカーティ首相はCNNのインタビューで「レバノンの主権が侵害されていることを悲しく思う」と述べた一方で、「(今回の燃料搬入の)影響を懸念していない。これは政府とは関係のない形で行われた」とした。
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―ブリンケン米国務長官は17日、「アブラハム合意」1周年に際して、「米は、イスラエルとバーレーン、UAE、モロッコの成長している関係の強化を支援する。また、イスラエルとエジプト及びヨルダンの関係強化にも取り組む」「我々は平和的な外交の枠を拡大することを望んでいる」と述べ、その他のアラブ各国に対して「イスラエル国家の承認」を呼びかけた。
一方でベネット・イスラエル首相は、「我々の子供たちの将来のために安全で安定・繁栄した中東を目指し、イスラエル政府は『アブラハム合意』の履行を継続する」と述べた。
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―特になし
○ 国際テロ・過激主義情勢
―米のオースティン国防長官とマッケンジー中央軍司令官は、アフガニスタン首都カブールで8月末に行った無人機攻撃が誤爆だったと認めて謝罪した。イスラム国(IS)を標的とするものだったこの空爆では子供7人を含む民間人10人が死亡した。
オースティン長官は声明で、「空爆の標的とされた男性は(ISと)無関係だった」「被害者の遺族に心より哀悼の意を示す」と述べた。一方でマッケンジー司令官は17日の記者会見で、「調査により攻撃が悲観的な失敗だったと結論付けられた」「重大な過失であり、心からの謝罪を表明する。全責任を負う」
―国連安全保障理事会は17日、国連アフガニスタン支援団(UNAMA)の任期を来年3月17日までの半年間延長する決議案を全会一致で採択した。
こうした中、グテーレス国連事務総長は露のスプートニク通信に対し、「安保理は、タリバンを一部の制裁の対象外とする案を今後検討する必要がある」「国連はタリバンとやり取りをして、アフガニスタン国民の支援において重要な役割を果たし、効果的な人道支援を提供するよう国際社会を動員すべきだ」「安保理は、アフガニスタンがテロリストの『安全な避難所』とならないことを含む、現在の重要事項に関するリストを作成した」と述べ、「アフガニスタンの全民族を代表する包括的政府の樹立と、女性の人権を尊重する重要性」を強調した。
―上記に対する各反応:英国連大使、「我々のタリバンに対する対応は彼らの行動に基づき決められる。タリバンがドーハの協議で成立した約束を果たすことを望む」「アフガニスタンでの人道支援の調整において、国連は主要な役割を果たしている」/露国連大使、「決議はアフガニスタンにおけるIS等の脅威を考慮していない」/中国の国連大使、「アフガニスタンの新政権は全てのテロ組織との繋がりを断つべきだ」と述べ、アフガニスタンの高官らに対し「テロ対策を講じ、テロを根絶するよう」促したほか、各国に対して「アフガニスタンの資産凍結を解除し、同国の主権と平和を尊重するよう」呼びかけ。
―上海協力機構(SCO)首脳会議で、「アフガニスタンの全ての宗派及び民族を代表する包括的政府が樹立される重要性」を確認する共同宣言が採択された。加盟各国は、「アフガニスタンがテロ、戦争、麻薬の存在しない、独立した中立で民主的な平和な国となるよう呼びかける。これは、SCO地域の安全の安定の維持(に必要な)要素の一つだ」と述べた。
首脳会議には露、中国、パキスタン、インド、イラン、モンゴル、中央アジアの5カ国(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、トルクメニスタン、タジキスタン)が参加し、アフガニスタン情勢が中心議題となった。
―上記首脳会談にオンラン形式で参加したプーチン露大統領は、「アフガニスタンでの政権交代は歴史的な瞬間だった。タリバンが樹立した(暫定)政権とやり取りする必要がある」「米はアフガニスタンへの財政援助の最大の貢献者であるべきだ」と述べ、諸大国に対し「アフガニスタンの資産凍結解除を再検討するよう」「アフガニスタンでの政治的解決とテロ対策においてSCOの能力を用いるよう」呼びかけた。
○ マグレブ情勢
―アルジェリア大統領府は17日、「アブデルアジズ・ブーテフリカ前大統領が84歳死去した」と発表。ブーテフリカ前大統領は2019年まで4期にわたって約20年間の長期政権を維持し、2019年4月に実施予定だった大統領選で5選を目指すことを表明した後、これに反対する大規模な抗議デモにより辞任に追い込まれた。
―チュニジアの軍事裁判所は、尊厳連合のサイフッディーン・マフルーフ代表の保釈を決定。同氏は17日に放送されたアルジャジーラの番組で、「軍事裁判所に出頭する目前で、正体不明の集団に拉致された」「拉致された1時間半後に解放され、裁判所に戻った」と明かした。
○ トルコ情勢
―特になし
<その他の重要ニュース要旨>
―米豪英の新たな安全保障協力の枠組み「オーカス(AUKUS)」の発表と、豪による潜水艦契約破棄について、仏外務省は声明で「裏切り行為だ」と非難し、「マクロン大統領の要請に基づき、駐米・豪大使を協議のため召還することが決定した」と発表。
エリコの目
―サウジアラビアのムハンマド皇太子、カタールのタミーム首長、UAEのシェイク・タハヌーン(ムハンマド・アブダビ皇太子の弟)の3人が紅海(具体的場所は明らかにせず)でくつろいだ姿で記念撮影に応じた。サウジ皇太子の個人事務所代表アルアサーキル氏がツイッターに投稿した。(3か国の本格的な関係改善を象徴するものとして受け取られている。)(アッシャルクルアウサト紙)
<特記事項・気付きの点>
―特になし