2021年9月22日 (No.21175)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

22日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ 国連総会での演説で、米大統領は「新たな冷戦は求めず」と表明し、イランとの交渉に戻る姿勢を示す。イラン大統領は「米は約束を守らなかった」と指摘。カタール首長は「対立を解消する方法は理性的な対話のみ」と訴えかける

■ スーダン当局、「クーデター未遂の首謀者らを拘束した」と発表。首相は「革命とその成果を標的とする試み」と非難。統治評議会議長は「軍は移行期間を保護する」と約束

■リビア代表議会、挙国一致内閣の不信任決議案を可決。首相は「議会は倒れるだろう。この議会は国民を代表しない」と反発。国連リビア支援団は「選挙後に新政府に交代するまでは現内閣が正当な政府」とみなす

■チュニジアのナハダ運動、「大統領による単独での暫定統治の規則を決定するとの決意宣言は危険な傾向で、憲法を無効化する意図を示すもの」と声明

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―ニューヨークで開かれた第76回国連総会の一般討論演説で、バイデン米大統領は「米は今もイランの核兵器保有を阻止することにコミットしている」「イランが同じことをするならば、米には核合意を完全順守する用意がある」と述べた。一方、イランのライシ大統領は、録画演説で「イランは核合意を守ったが、米は制裁解除の義務を果たさなかった」と指摘した。また、「地域で今日見られる状況は、欧米の覇権の思想やそのアイデンティティを押し付ける計画が無残に失敗したことを証明している」と強調した。

―カタールのタミーム首長は国連総会で、「核合意への復帰問題等でのイランとの対立や意見の相違は、相互の尊重に基づく理性的な対話を通じてしか解決できない」と表明した。

―トルコのエルドアン大統領は国連総会で、シリア危機の政治的解決のためとして、同国国民の望みに沿う形で、より大きな努力を払うよう呼びかけた。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―イラン大統領は国連総会の録画演説で、イエメンに対する攻撃を無条件で停止するよう呼びかけた。

―イエメン軍事筋によると、ホウシー派との戦闘の前線にいる政府軍を支援するため、シャブワ県ビーハーンに大規模な増援部隊が到着した。ホウシー派は過去数時間に同県の戦線で大きく前進していた。

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―特になし

○ 国際テロ・過激主義情勢

―カタール首長は国連総会での演説で、「国際社会はアフガニスタンで包括的解決を実現する責任を持つ」「タリバンとの対話を続ける必要がある」と述べ、同国での人道支援提供を政治的対立から切り離し、継続的に行うことの重要性を強調した。また、「アフガニスタンにおける問題は勝ち負けではなくて、外部からの政治体制の押しつけの失敗の問題だ。その試みは20年経過した後に崩壊した」と指摘した。一方、トルコ大統領はアフガン国民への支援と連帯を国際社会に呼びかけ、「トルコは同国への支援で兄弟的な役割を果たし続ける」とした。

―タリバンの暫定政府のムジャーヒド広報担当は、「アフガニスタンの新政府は国際的基準を満たした」として、国際社会に承認を求めると共に、「タリバンはアフガニスタンに平和をもたらすためのあらゆる努力を評価する」と述べた。

―アフガニスタンのカルザイ元大統領と国家和解高等評議会のアブドラ議長は露・中・パキスタンのアフガン特使らと会合した。これに先立ち、暫定政府のアフンド首相代行もカブールでこれらの特使と会合。ムッタキ外相代行、バドリ財務相代行らも同席。これら諸国のアフガン特使らが会合を開くのは、タリバンが同国の政権を掌握して内閣樹立を発表してから初めて。ムッタキ外相代行はカタール大使とも会談した。

―ロイター通信によると、タリバン暫定政権のムッタキ外相代行は、今週国連総会で各国首脳を前に演説を行いたいと国連に書面で申し出た。また、シャヒーン広報担当を国連大使に任命したという。

○ マグレブ情勢

―リビア東部トブルクで開かれている代表議会は、挙国一致内閣に対する不信任決議案を113中賛成89票で可決した。ドベイバ首相はこれに対し、「議会がこのような様相のままだったら、長続きせず倒れるだろう」と述べ、この件について意見を表明するためとして、24日にトリポリの殉教者広場に集まるよう国民に呼びかけた。国連リビア支援団(UNSMIL)は、12月24日の選挙後に新たな政府と交代するまではドベイバ内閣をリビアの正当な政府とみなす方針を示した。

―チュニジアのサイード大統領がシディブジッドで20日、「例外的措置を続けた上、定めた暫定的統治規則に基づいて首相を任命する」「新たな選挙法を導入する」と発表したことに対し、同国の「ナハダ運動」は、「大統領が単独での暫定的統治の規則を定める決意を宣言したことは、危険な傾向であり、憲法の無効化を目指すものだ」「例外的措置を無期限で続ければ、国が分裂して経済危機が悪化する危険がある」と声明。大統領に対して、憲法の尊重、議会停止の解除、正当な政府の早急な樹立を求めた。また、同国の他の4政党も、憲法の機能停止や現在の例外的措置の延長を一切拒否する姿勢を示し、これらを「独裁政治を確立するもの」とみなした。

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―スーダン軍は21日、「様々な部隊に属する将校や兵士らがクーデターを試みたが、これを未然に防いだ。これに参加した将校21人を拘束した」「クーデター派が占拠した全ての地域を制圧した」と発表した。死傷者はなく、大規模な武力の行使は見られなかった。このクーデター未遂について、ハムドゥーク首相は「前政権の残党が計画した」「革命とその後に国民が実現した成果を標的としていた」と非難した。 統治評議会のブルハーン議長は、ハルツームの装甲部隊を訪れた際に、「軍は移行期間を最後まで守り続ける」と強調した。装甲部隊の上層部の一部がクーデター未遂に関与したと報道されていた。

―国連総会で、バイデン米大統領は「米は新たな冷戦や分断された世界を求めてはいない。平和的解決を目指すあらゆる国と協力する用意がある」と述べた。他方、グテーレス国連事務総長は平和の重要性を強調し、アフガニスタンやエチオピア等での和平の推進を呼びかけて、人道支援搬入と政治的対話の機会を作り出すよう求めた。

エリコの目

―ベイルート港での巨大爆発事件から1年以上が経過したが、同事件の捜査が重大局面を迎える中、ヒズボラ幹部(サファー保安連絡調整局長)が司法省を訪問、担当のバイタール予審判事に対する殺害脅迫を伝えていた、とメディア関係者がツイッターで明らかにした。検察筋は、これを否定している。この捜査では、ディヤブ前首相他、ヒズボラに関係の深い議員らの尋問が予定されている。
(アッシャルクルアウサト紙)

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<特記事項・気付きの点>

―特になし

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