アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
26日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■ チュニジアのスファックスで大統領の特別措置に抗議するデモ。ナハダ運動からメンバー100人以上が脱退。同運動シューラー評議会は、ガンヌーシー代表が提示した執行局の陣容を拒否
■ スーダン東部の抗議者らが首都に繋がる唯一の石油パイプラインを閉鎖した後、統治評議会代表団が26日に東部へ向かう
■ 米政府が援助団体や国際機関にアフガニスタンへの支援提供を許可した翌日、アフガン外務省はこの措置を歓迎し、世界の各国と国際機関にアフガン政府との関係強化を呼びかけ
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―イラク北部クルド地方のアルビールで開かれた「平和・復興会議」(平和コミュニケーション・センター主催)で、参加者らがイスラエルとの関係正常化を明確に呼びかけた。クルド地方政府の内務省は「この会議については関知していない」と発表し、正常化の呼びかけについての調査を約束した。一方、バグダッドでは官民からこの呼びかけを非難する声が上がった。外務省は「イラク政府が様々な国際会合で表明しているパレスチナ問題に対する(パレスチナ人の権利を支持するという)イラクの一貫した原則的立場」を確認した。
―ジェランディ・チュニジア外相は、NYでの国連総会の傍らでミクダード・シリア外相と会談した。ジャアファリー・シリア副外相ら両国の代表団も同席した。両国外相の会談は、数年ぶりのこと。チュニジア外務省の声明によると、この会談では両国間関係を総括したほか、シリアの情勢展開やシリア危機の政治的解決に向けた路線について再検討した。同省は「チュニジアは、シリアの安全と安定の回復に積極的に貢献するための努力を惜しまない」としている。
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―イランのタスニーム通信が24日に伝えたところによると、ファダビ革命防衛隊副司令官は「イエメン(戦争)でサウジが率いる同盟軍が、戦争に起因する危機からの救済をイランに懇願してきた」と述べた。サウジ・イラン間の和解の可能性が楽観視される中での発言。イラン外務省報道官は「サウジとの関係改善に向けた本格的な兆しが見られる」「両国間の連絡はより定期的になってきており、協議では進展が見られる」と述べており、サルマン・サウジ国王は(22日の)国連総会での演説で「イランとの対話が協力関係確立への道を開くことを期待する」と表明している。
―ロイター通信によると、ベネット・イスラエル首相が26日、NYでの国連総会の傍らで、バーレーン、UAE両国の外相とそれぞれ個別に会談する予定。湾岸諸国高官との会談は、6月の首相就任後初。
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―特になし
○ 国際テロ・過激主義情勢
―米財務省が米政府や国際機関・NGOからアフガニスタンへの食糧・人道支援の提供を許可したことを受け、アフガン外務省はこれを歓迎すると共に、「すべての国々と国際機関がアフガン支援を継続し、アフガン政府との関係を強化することを期待する」と表明した。
―ソマリアの首都モガディシオ南部にある治安検問所付近で自動車爆弾が爆発し、警察によると8人が死亡、9人が負傷した。死者の中には、女性・人権問題担当首相顧問が含まれている。同検問所は大統領宮殿から約2キロの地点にある。過去48時間以内に同市内で起きた2度目の爆発で、どちらもアルシャバブが実行を認めた。
○ マグレブ情勢
―チュニジアのナハダ運動のメンバー100人以上(議会議員や同運動シューラー評議会のメンバーら幹部多数を含む)が、同運動からの脱退を表明した。脱退者らは、「同運動から出発した政党が内部改革に失敗したため」としている。また、「指導部の間違った政治的選択が同運動を孤立させ、サイード大統領による先の(議会の停止などの)一連の決定に代表される『差し迫った独裁主義の危険』に抵抗するいかなる共同戦線への積極的な関与にも失敗した」として、指導部の責任を指摘した。
―コーマーニー・ナハダ運動政治危機管理委員会委員長は、辞任を表明し、その理由を「国内政治における劇的な変化」と「反対勢力との対話の扉を閉じ、国をかつてない危険へと向かわせた大統領の方向性が委員会の業務を実質的に無効にしたこと」と説明した。同委員長は、ガンヌーシー同運動代表が任命していた。
―ナハダ運動シューラー評議会の広報担当は、アルジャジーラに対し「同評議会は、ガンヌーシー代表が提示した執行局の新陣容を拒否した」「この件についての再検討を来週に延期した」と明らかにした。
―チュニジア・国際人権団体18団体は、「サイード大統領による一連の決定はチュニジアにおける独裁主義に向けた第一歩であり、チュニジア国民の人権と民主的願望を侵害する脅威を伴う転換点となるものだ」との見方を示した。また、「民主主義の原則を堅持する」と確認し、「保証のない中での権力奪取を拒否する」と表明した。
―チュニジアの首都チュニス南方のスファックスで、「サイード大統領による憲法への反乱」に抗議するデモが行われ、「憲法の復活と民主的(国家)機関の再開」を求め、「7月25日に(大統領によって)取られたすべての特別措置を拒否する」と表明した。治安部隊がこのデモを解散させ、大統領支持派との衝突を防いだ。
―首都チュニスのハビブ・ブルギバ通りで、サイード大統領を支持する活動家らが「大統領が7月25日と今月22日に発表した一連の措置を支援する」ための連帯行動を実施し、革命後に制定された憲法のコピーを燃やした。
○ トルコ情勢
―特になし
<その他の重要ニュース要旨>
―スーダンの首都ハルツーム中心部の東ディヨーム地区で、(軍の一部による)クーデター未遂事件を非難する夜間デモが行われ、参加者らはブルハーン統治評議会議長・軍総司令官とダグルー同評議会第1副議長の退陣を求め、「文民統治体制の樹立に向けた道を進み、移行期正義を実施すべきだ」と強調した。
―スーダン東部で、「自分たちの地域が疎外されている」として昨年10月に暫定政府と武装諸勢力の間で結ばれたジュバ和平合意に抗議するデモ隊が、ポートスーダンの空港・鉄道・港の閉鎖に続いて、同市からハルツームへ石油製品を輸送するパイプラインを閉鎖した。当局は、「ハルツームの石油備蓄は10日以上持たない」としている。統治評議会筋によると、26日に暫定政府代表団がポートスーダンに向かい、現地の状況を調査する予定。
―ハムドゥーク・スーダン首相は、国連総会での(リモート)演説で「スーダンは、ジュバ和平合意の実施を通じてダルフール地方の治安状況の改善を続けていく決意だ」と述べ、「スーダンのテロ支援国家指定の解除措置を完了させるよう」呼びかけた。また、エチオピアのルネッサンス・ダムについては「スーダン・エチオピア・エジプトの各国のニーズを満たす形の拘束力を有する合意に至ることを支持する」と確認、「昨年の同ダム貯水の第1段階はスーダンに悪影響を及ぼした」とし、「同ダムに関するいかなる一方的な措置も拒否する」と改めて強調した。
エリコの目
―「平和コミュニケーション・センター」を名乗るUAEが資金提供する米のNGOが主催する「平和と復興の会議」が24日アルビールで開催され、近隣県のクルド人、スンニ派、シーア派の有力者300人を集めて注目されている。会議は、「イラクとイスラエルの国交正常化」の必要性を訴えたが、25日イラク大統領府は、イラク政府の従来の立場と相容れない、会議は、情勢悪化を扇動するものとして完全に拒否する、と声明した。(アラビー21)
<特記事項・気付きの点>
―特になし