アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
27日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■ スーダン職能者連合、「軍事評議会との共同体制を廃し、純粋な文民政府を樹立する」よう呼びかけ。統治評議会議長、「軍部は革命を覆さない」と声明。首相は憲法宣言の順守を呼びかけ
■ チュニジアの首都やタタウィーン市で、大統領の措置に抗議するデモ。政治勢力は「革命でできた憲法を堅持する」と表明、「憲法の保護」を軍と治安機関に求める
■ アルジャジーラの調査報道、バーでーンの刑務所で過去10年間に子供600人超が拷問を受けたことを文書等で暴く
■ アフガニスタンの副首相代行、アルジャジーラとの会見で、「相互尊重の原則に基づき、アフガン新政府を承認する」よう呼びかけ、国内和解におけるカタールの役割を称える
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―特になし
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―アルジャジーラの調査番組「ゼロ・ディスタンス」は、バーレーン北部ハウド・ジャーフ刑務所での拷問等の実態を、人権活動家や元収監者の話、検察の流出文書をもとに報じた。2011~21年にかけて子供607人が様々な「肉体的、精神的拷問」を受けていた。取り調べは弁護士不在で行われ、現在も子供約150人が収監中。同国中部出身の少年は、治安当局将校から「デモ参加者をスパイすれば兄弟を釈放する」と持ちかけられ、拒否したところ収監、「テロ組織加入」罪で禁固3年の判決を受けた。別の元収監者男性は、15歳未満で拘束された際、他の少年たちと共に、投打や「長時間直射日光下に置かれる」等の拷問を受け、「犯していない罪を認める書面への署名を強要された」と証言。
―バーレーン内務省は、「子供の『収監者』はいない。15~18歳の被拘束者は、更生施設で刑に服している」として報道を否定。また「(南部)ジャウ中央刑務所にいる子供は、刑事やテロ事件で有罪判決を受けた者たちだ」「然るべき司法の手続きを経て、公正な裁判を受けている」としている。
―サウジアラビアを中心とする同盟軍は、「ホウシー派がサウジに向けて発射した、爆弾搭載の無人機1機をイエメンの空域で迎撃・破壊した」と発表。
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―パレスチナの医療関係者によれば、イスラエル軍が、ラーマッラー、ジェニンの村々に侵攻し、パレスチナ人5人を殺害した。ガンツ・イスラエル国防相は「ハマースの武装細胞を狙った作戦により、その武装攻撃を阻止した」と発表。イスラエル軍は将校と兵士各1人が負傷した由。一方、ハマースは「殉教者の死を無駄にしない」と声明し、「全ての接触地点で抵抗を強める」よう呼びかけた。
○ 国際テロ・過激主義情勢
―ハナフィ・アフガニスタン副首相代行は、アルジャジーラのインタビューで、「米や他の国々がアフガン新政府を承認しない理由はない」「アフガンの平和と安定を望み、麻薬やテロと戦うなら政府を承認すべきだ」と述べた。「米や国際社会との良好な関係構築に努めるが、相互の尊重がその条件となる」とも語った。また、和平の形成や人道支援におけるカタールの役割を称えた。
○ マグレブ情勢
―チュニジア首都中心部の市営劇場近くで、サイード大統領による「例外的措置」(議会停止や首相解任で各権限を掌握)に抗議するデモが行われた。南部タタウィーンでも「大統領の決定を拒否する行進」があり、参加者は「大統領によるクーデター」を批判して、「(2010~11年の)革命後にできた憲法を守るべきだ」と訴えた。また、様々な政党の政治家もデモに参加し、軍と治安機関に「憲法の保護」を求めた。大統領の決定を「正当だ」と支持するデモも首都などで行われた。
○ トルコ情勢
―エルドアン大統領は米CBSのインタビューに、「依然、露製ミサイル防衛システムS-400購入の第2弾を進めるつもりだ」とし、「何人もトルコの防衛システム調達に干渉できない」と述べた。またアフガニスタン情勢に関し、タリバンが樹立した政府が「国内の全ての構成者を含んでいない」と指摘。「包括的な政府の樹立」に期待を示し、それがカブール空港運営でタリバンと合意を結ぶ前提になると語った。
<その他の重要ニュース要旨>
―スーダン情勢:
・ハムドゥーク首相は、「現在展開中の争いは軍人対文民というよりも、民主化を信じる文民と軍人の間で起きている」とツイート。一方、「スーダン職能者連合(SPA)」はFBに声明を出し、「革命完遂のための結集、(バシール前政権以来の)治安委員会の清算」を呼びかけ、「挫折した移行政府を保護したり継続させない」よう求めた。また「軍人との共同を終わらせ、憲法宣言を廃して、12月革命の目的に沿った純粋な文民政府を樹立すべき」と主張。「葬り去られた共同政権の延長ではなく、革命の目的と路線を堅持できる新しい文民政権を求める」とした。
・「自由変革勢力(FFC)」のドゥゲイル中央委員は、「FFCが数日前に署名した政治宣言は、民主主義への移行実現に向けた一歩だ」と述べた。中央委員は記者会見で、「移行期はスーダン国民の期待する水準になっていない」と認めつつ、「FFCはその軌道を正す方針だ」と強調した。
・ブルハーン統治評議会議長は軍幹部を前に、「軍がクーデターを起こすとの噂は紛れもない嘘だ」「移行期の歩みを完遂し、民主化に到達する」と演説。「革命勢力、変革を信じる勢力の全てが団結しない限り、軍部は革命をかすめ取った小集団と共に歩むことはない」と述べた。「軍には自浄能力があり、いかなる党派の侵入も許さない」「軍機構の改革・構築に取り組む」とも語った。
・スーダンの「1989年(バシール)体制解体・腐敗対策委員会」のマンナーア委員は、「軍などの合同部隊による委員会建物の警備からの撤収」問題をめぐり、「ハムドゥーク首相が警察に警備を要請した結果、警察部隊はそれに応じ、撤退するのをやめた」と明らかにした。同委員会は2019年末、「前政権幹部の国家機関への支配を終わらせ、公金を取り戻す」ために設置。
・カッバーシー統治評議会委員が率いる政府代表団は、東部ポートスーダン訪問を打ち切り、首都に戻ることを決定。政府代表団は、同地で10日前から抗議行動を主導する「ベジャ族族長最高評議会」の指導者たちと会合。この中で、紅海州治安委員会の代表は「族長最高評議会が率いる住民運動は平和的」と強調した由。
―インド北東部アッサム州で、警察が少数派イスラム教徒住民を「違法建築」を理由に立ち退かせた際、暴行を働く様子がSNSで拡散。同州の「組織的強制退去」からイスラム教徒を救うよう国際社会に呼びかける活動家らによるハッシュタグ「インド、イスラム教徒を殺害」が、アラビア語の各種ランキングで上位に入った。最も広まった動画では、警察が実弾を使用、政府の同行カメラマンも加わり住民に激しい暴行を加えている。
エリコの目
―報道によると、プリンセス眞子は学友のひとりとの結婚により皇籍を失うことに対して支払われる百万ドルを辞退する。これにより、物議を醸した婚約者との何年も遅れている結婚が可能となる。ロイターが伝えた。眞子内親王(29)は退位した昭仁天皇の孫で2017年に小室圭氏との婚約を発表したが、小室氏の母とその元婚約者との間の金銭争いが報じられて延期されていた。
NHKは、政府はプリンセスが一般人と結婚して皇籍を離脱する際の一時金である約1.5億円(135万ドル)を辞退することに同意するだろうと報じた。それは婚約者に対する一般の批判があるからだ。結婚の期日は10月にも発表される。宮内庁からのコメントは得られていない。これより先、日本メディアは結婚が近いと報道、髪をポニーテールに結った婚約者がニューヨークで撮影され、日本人ツイッター利用者の怒りを呼んだ。
2人は米国での生活を予定している、と報じられている。日本の法律では天皇位は男子に限定されており、皇女が一般人と婚姻した場合は皇籍を維持できない。(アッシャルクルアウサト紙・東京)
<特記事項・気付きの点>
―特になし