2021年9月29日 (No.21182)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

29日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ 米国防長官、上院公聴会でアフガン駐留米軍撤収の決定を擁護し、アフガニスタンでの対テロ任務における基地使用をめぐって露と連絡を取ったことを認める

■ タリバン、米を「ドーハ合意違反・アフガン主権の侵害」で非難。タリバン暫定政権は最後の国王時代の憲法 を一時的に採用へ。「イスラム法に反する条項」は排除

■スーダンの「前政権解体」を担う委員会の事務所で抗議デモ、民主化支持を表明。国連は政治的移行の流れを進める必要性を呼びかけ。統治評議会副議長は「諸勢力が憲法文書を順守しない」と非難

■チュニジアの諸政党、大統領の取った措置に対抗するための連携組織形成を発表、大統領に「正当性への回帰」を呼びかけ。ガンヌーシ議会議長は「立法府の長で議員であるという身分にこだわる」と表明

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―特になし

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―特になし

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―特になし

○ 国際テロ・過激主義情勢

―米上院軍事委員会のアフガン駐留米軍撤収をめぐる公聴会で、オースティン国防長官は「米軍のアフガニスタンでの駐留を延長していたら、重大な危険に晒されることになっていた」と説明した。一方、ミリー統合参謀本部議長は、「タリバンはドーハ合意の全項目を順守しておらず、アルカイダとの繋がりを断ち切っていない」と証言した。

―アフガニスタンに隣接する中央アジア諸国にある露軍基地を米軍が利用する可能性が(ウォール・ストリート・ジャーナルに)報じられたことについて、オースティン米国防長官は「露の提案について説明を受けるため、ミリー統合参謀本部議長がゲラシモフ露軍参謀総長と連絡を取った」と明らかにしたが、「米は何も頼んでいない」と強調した。

―タリバンは、米を「ドーハ合意違反・アフガニスタンの主権侵害」で非難する声明を出し、「米の無人機がアフガン上空で飛行していることは、あらゆる国際的な基準に反する」と主張した。

―タリバン暫定政権のシャライ法相代行は、「タリバンは君主制時代の憲法を一時的に採用する。但し、シャリーア(イスラム法)に反する条項は除外する」と発表した。これについて、タリバン政治事務所のシャヒーン広報担当は、「女性と男性の権利を保護する新たな憲法制定を待つ間の空白を埋めるための決定だ」「アクンザダ最高指導者はこの暫定憲法に規定された国王の権利は享受しない」と説明した。同憲法は1964年に当時のザヒル・シャー国王の下で制定されたもので、王位継承や赤・黒・緑の国旗等についての規定がある。

―タリバン暫定政権のムッタキ外相代行は、カブールでカタールのカフターニ外相特使と会談し、両国関係を協議した。ムッタキ外相代行はカタールがアフガニスタンへの人道支援提供で払っている努力に対して謝意を表した。カタール外相特使はアフガン人と外国人の移動の自由を強調。両者の会談は今回が初めて。

○ マグレブ情勢

―米下院は、リビアの安定の定着を目的とする法案を多数決(賛成386・反対35票)で可決し、上院に提出した。リビア紛争の政治的解決を推進し、リビアの安定を揺るがす活動に関与する外国人に制裁を科すことをバイデン大統領に求める内容。アムネスティ―・インターナショナルはこれを歓迎。上院でも民主党のクーンズ議員や共和党のグラム議員らによってこれと同様の法案が提出されていた。

―チュニジアの4政党(民主潮流党、「労働と自由のための民主連合(エタカトル)」、共和党、「チュニジアの地平党(アーファーク・トゥニース)」)は記者会見を開き、「サイード大統領が取った例外的措置に対抗するため、統一した連携組織を形成した」と発表し、「正当性への回帰」を大統領に呼びかけた。また、4党の党首らは他の政党にもこの組織に加わるよう呼びかけた。

―チュニジアのナハダ運動のガンヌーシ党首(議会議長)はアルジャジーラのインタビューで、「私は立法府の長で議員であるという身分にこだわる」と述べた。

―仏当局は、モロッコ・アルジェリア・チュニジアの国民に対する入国ビザ発行を厳格化することを決定し、その理由として「これら3国は仏に移住して(違法な形で)滞在している自国民の送還に必要な許可を出そうとしない」と説明した。仏語のラジオ放送「ヨーロッパ1」によると、マクロン大統領はモロッコとアルジェリア両国民に対する仏入国ビザの発行数を従来の半数、チュニジア国民については3割に減らすことを決定した。これについて、モロッコのブリタ外相は「正当化できない決定であり、不法移民の件に関する両国の協力の度合いを反映していない」と批判し、仏当局と共に状況を注視するとした。

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―スーダンの「バシール前政権の解体」を担当する委員会の事務所で抗議デモが行われ、参加者らは文民政府への支持を表明し、統治評議会の軍人側を非難した。職能組合連合、労働組合の代表らが参加した。これより前、軍人側は同事務所から警備チームを一旦引き上げていたが、ハムドゥーク首相が介入した後、再び戻していた。(訳注:軍人側とは、文民勢力と共に統治評議会を構成している元移行軍事評議会メンバー等を指す)

―スーダン統治評議会のダグルー副議長は、「生活状況悪化の責任は執行機関(政府)にある。これに対して軍人側は黙っていない」と述べた。また、「一部の勢力は、能力のある者からなる独立した政府の樹立を謳う憲法文書を順守していない」と非難した。

―国連スーダン統合移行支援団(UNITAMS)のペルテス代表は、スーダン統治評議会のブルハーン議長との会談後、政権移行の歩みを前に進める必要性を強調し、「移行段階を成功させるため、全勢力の協力と対話を通じた移行作業に重点を置くことでブルハーン議長と意見が一致した」と述べた。

エリコの目

―サウジアラビアの元総合情報局長官のトルキー王子は22日ロンドンで出版記念スピーチを行い、タリバンと距離を置く発言をした。タリバンが依拠するイスラム原理主義デオバンディー学派の教義は、サウジのワッハーブ派とは相容れないとした上で、タリバンの台頭にサウジとパキスタンが関与したのではないかとの疑念を払拭することに努めた。今後、アフガニスタン情勢により自由な立場で関与したいとのサウジの意向が背景にあると思われる。なお、次の通り述べた。
「ビンラディンが殺害される前のことだ。タリバンの代表団が当時皇太子だったアブドルアジズ国王を訪ねてきた。皇太子は尋ねた。『アルカイダとは決別したか?』答えはノーだった。そこでわれわれはタリバン言った。『あなた方がビンラディンとの関係を断つまで、われわれはあなた方と如何なる関係も持たない。』」(アルアラブ紙)

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<特記事項・気付きの点>

―特になし

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