2021年10月8日 (No.21191)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

8日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ チュニジアの首都チュニス南部で鉄道車両の衝突事故が発生し、33人以上が負傷

■ スーダン移行政府の文民・軍人間の対立が激化。自由変革勢力は「民政移管の日程に関して対立している」と明らかにし、対立におけるいかなる仲裁も拒否

■ 国連のリビア事実調査委員会の委員長はアルジャジーラに対し、「戦争犯罪に関与した諸外国や国内外のグループを特定した。調査の完了後にリストを公開する」と述べる

■ アルジェリア大統領、仏大統領の「オスマン帝国のアルジェリア支配は植民地支配だ」との発言を「重大な誤り」と非難し、「トルコは重要な国際的プレーヤーだ」と述べる。トルコは仏大統領の発言を「悪質なポピュリズムだ」と表明

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―アブドラヒアン・イラン外相はベイルートでレバノン政府高官らと会談した後、「イランは、レバノンが現在の困難な状況を克服するために同国を支援する」「イランとサウジアラビア間の交渉は、良い方向に進展した」と述べた。一方、アウン・レバノン大統領は、「地域諸国間の和解を促進するための努力を支援する」と述べた。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―イエメンでサウジアラビア率いる同盟軍は、「サウジの防空システムは、ハミース・ムシャイトに向けて発射された弾道ミサイル1発と爆発物を搭載した無人機2機を撃墜した。また、その後、同地域に向けて飛ばされた3機目の無人機も撃墜した」と発表した。一方、サリーア・ホウシー派軍事広報担当は、「防空システムがサウジ空軍の米製無人偵察機(RQ-20)を、ジーザーンでの敵対活動実施中に撃墜した」とツイートした。

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―特になし

○ 国際テロ・過激主義情勢

―アフガニスタン暫定政府のシャヒーン国連常駐代表は、ドーハでの米を含む外国の大使らとの会談の中で、「過去においてアフガニスタンを孤立させたことは、誰にも資さない政治的失策であったことが確実となった」「誰もアフガニスタンの孤立を望んでおらず、アフガニスタンにおいてまだ完了していない全ての復興計画を開始すべきだ」「アフガニスタンは相互利益や協議・相互理解を通じた問題解決などに基づいて、国際社会と関わる用意がある」と述べた。

―ザハロワ露外務省報道官は、アフガニスタン及びカブールの露大使館周辺でイスラム国(IS)のテロ行為が増大していることに懸念を表明し、暫定政府に対して「露外交使節団や露国民の安全を保障すべく、更なる措置を講じるよう」求め、「アフガニスタン及び同国とタジキスタンの国境における情勢は露が注視するものであり、必要とあれば、露・タジキスタンの同盟及び戦略的パートナーシップの原則に基づいて断固たる措置を講じる」と述べた。

○ マグレブ情勢

―リビア情勢

・国連のリビア事実調査委員会のアウジャール委員長は国連人権理事会での報告の中で、「同委員会は、2016年以降のリビアにおける戦争犯罪、人道に対する罪、及びリビア人・外国人武装勢力、(傭兵を送り込んでいる)民間軍事会社、諸外国の紛争への関与に関して、強力な証拠を有している」「空爆によって数百家族が死亡し、保健インフラは破壊され、住宅地に傭兵らが残した対人地雷によって民間人が死亡した」「リビアは未だに、恥ずべき人権状況に直面し続けている」と述べた。

・アウジャール委員長はアルジャジーラに対し、「委員会は、戦争犯罪・人道に対する罪を立証した」「この犯罪行為には重要人物らも関与しているが、その関与者のリストは調査完了まで公開されない」「リビアでの混乱に鑑み、委員会の任期の延長が必要だ」と述べた。

・タミーム・カタール首長は、カタールを訪問中のドベイバ・リビア国民統一政府首相とリビア情勢について協議。ドベイバ首相は、カタールの尽力とリビア国民に対する継続的な支援に謝意を表明。マングーシュ・リビア外相は、「ドベイバ首相と随行団はタミーム首長と前向きで実のある協議を行った」「我々は、カタールがリビアの統一と安定を強く望んでいるとの感触を得た」とツイートした。

・サーレハ代表議会議長は国内の政治家らとの会談中に、「大統領・議会選挙は12月24日に予定通りに実施されるだろう」と述べた。この発表は、代表議会のブレイハグ報道官による「議会選挙は12月24日の大統領選挙の1か月(30日)後に実施される」との発表(5日)と矛盾している。

―チュニジア情勢

・ナハダ運動は、「司法当局に圧力をかけ、政治課題に奉仕させるべく、懸命に取り組んでいる」「権利・自由・正義を保障するものとして司法の独立を尊重している」と表明し、「民間TV局『ゼイトゥーナ』のようなメディアが標的とされ、報道の自由を侵し、何の根拠もなく記者らが投獄され、軍事裁判にかけられる危険」を警告。また、「政治的発言において、憎悪を煽り、挑発し、国民を分断するような言葉や用語が用いられ、不実や犯罪や汚職への非難が少なくなっていることを非難する」「単一国家の国民間の政治競争は多様性や相対主義を促す」と表明した。

・プライス米国務省報道官は、「報道・表現の自由の侵害、民事の尋問を軍事裁判で行うなど、チュニジアからの報告に懸念を抱き、失望している」と述べ、チュニジア政府に対して「憲法に基づいて、人権尊重に関する義務を履行するよう」求め、チュニジア大統領・首相に対して「透明性ある民主的プロセスに立ち戻るための明確なロードマップを示すようにとの国民の要求に応えるよう」求めた。

・チュニジアの鉄道会社は、「(チュニス県南方ベンナラス県の)マクリーン・リヤーダ駅で車両の衝突事故が発生し、旅客33人が重軽傷を負った」「負傷者は付近の複数の病院に搬送された」と発表した。

―アルジェリアのラマムラ外相はトルコのアナトリア通信に対し、マクロン仏大統領の「オスマン帝国によるアルジェリア支配は植民地支配だ」との発言を「重大な誤りだ」として改めて非難した。また、「トルコは非常に重要な国際的プレーヤーだ」「仏・アルジェリア関係の危機が(その原因が何であれ)トルコのような兄弟諸国と我々の関係に影響を与えるとは思われない」「我々は仏との長い歴史を有しており、それは複雑で難しいものだが、我々は常に、他の国々の関係と同様に尊厳・権利・主権を維持しつつ、仏との関係に対処して来た」「アルジェリアは、仏の植民地支配以前の国家の存在に疑いを抱くなどのいかなる内政干渉も受け入れないと」と述べた。

―ムハンマド6世・モロッコ国王は、アハヌッシュ「独立国民連合(RNI)」党首を首相とする新内閣の閣僚を任命した。内相、外相、ワクフ・イスラム問題相は留任し、(24閣僚のうち)女性閣僚は7人。アブドルラティーフ・ワハビー「真正と現代党(PAM)」代表が法務相に、ニザール・バラカ「独立党(PI)」代表が設備・運輸・物流・水利相に就任した。

○ トルコ情勢

―チャブシオール・トルコ外相はウクライナでの会見の中で、マクロン仏大統領の「オスマン帝国によるアルジェリア支配は植民地支配だ」との発言を「極めて悪質なポピュリズムだ」と非難し、「マクロン大統領が我々に言いたいことがあるなら、背後に隠れず、面と向かって言うべきだ」と述べた。マクロン大統領は皮肉を込めて、「アルジェリアにおいてトルコが果たした役割とその支配を、人々に完全に忘れさせたトルコの能力に魅了されている」と述べている。

<その他の重要ニュース要旨>

―スーダン情勢

・自由変革勢力(FFC)のオスマーン広報担当は7日夜に会見を開き、「(暫定政府の)軍人メンバーとの対立において、いかなる仲裁も受け入れない」「対立の克服は憲法宣言を拠り所にすべきだ」「我々は憲法宣言を順守している」「我々は軍人側とのパートナーシップを壊そうとしていない」「統治評議会の議長職が文民に引き渡されるのを恐れる者たちがいる」「対立は、司法省のファトワによって終わらせるべきだ」と述べた。また、「東部での問題を文民・軍人間の対立から遠ざけるよう」求め、「ハムドゥーク首相は7日にこの立場を軍人側に伝えた」と述べ、「統治評議会の議長を文民にする日程に関して見解の相違がある」と明らかにした。

・東部の「ベジャ族族長最高評議会・独立氏族長」のアウブシャール氏はアルジャジーラに対し、「同評議会は東部における危機打開のための南スーダンによる仲裁を歓迎する」と述べた。一方、イブラヒーム・スーダン財務相は、「約3週間前から同評議会が諸港を閉鎖し続けているため、政府は東部からハルツームへ空路で医薬品や肥料を搬入する予定だ」「東部における諸港の閉鎖は、同地域からの燃料等の供給(燃料の供給は約40%減)に悪影響を与え始めた」と述べた。同評議会は政府に対し、政府の解散とスーダン東部における政治路線(ジュバ合意)の撤回を求めている。

エリコの目

―既成の輸入部品で組み立てられているイランの軍事ドローンが、中東の軍事バランスをひっくり返している。米WSJ紙が研究者の報告内容を報じた。同報告は、「(オマーン湾の)タンカー攻撃も、ガザ地区からのイスラエルへのドローン攻撃も、サウジアラビアのパイプライン攻撃も、駐イラク・米軍基地への攻撃もその実行者は一つ、イランとその同盟勢力だ」と指摘。ドローン市場は、米・イスラエルなどの軍事先進国が独占していると思われていたが、最近トルコが安価な投資で参入した、イランのそれは、英・イスラエル製のエンジンを搭載しており、中国が改造に関係している可能性がある、等と報じている。(アルクドゥス・アルアラビー紙)

وول ستريت جورنال: الطائرات الإيرانية بدون طيار تقلب ميزان القوة في الشرق الأوسط
لندن- “القدس العربي”: نشرت صحيفة “وول ستريت جورنال” تقريرا أعده كل من بينوا فوكون وديون نيسباوم أشارا فيه إلى قوة المسيرات الإيرانية التي تقوم بإعادة تشكيل الشرق الأوسط. وقالا فيه إن طهران تقوم باستخدام مكونات جاهزة لبناء طائرات مسيرة تستخدمها لضرب الولايات المتحدة وحلفائها في الشرق الأوسط. وقالا إن...

<特記事項・気付きの点>

―特になし

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