アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
19日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
(パレスチナ・イスラエル情勢を特別体制で引き続き報道したため、ヘッドラインはなし)
○ イラン・イラク・シリア情勢
―特になし
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―特になし
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―イスラエル軍は18日もガザ地区に対する空爆を続行。地元筋によると、イスラエル軍はガザ地区の北部に70回以上、南部に50回以上の空爆を実施した。空爆によりこれまでにパレスチナ人220人が死亡(うち子供61人、女性36人)、約1400人が負傷した。
一方でハマースは18日夜に、アシュケロン、アシュドッドを含むイスラエルの複数の都市や、軍事基地に向けてロケット弾を発射した。
―ヨルダン川西岸地区の各地で抗議行動が行われ、パレスチナ保健省によると、これまでに4人が死亡、100人超が負傷した。うち少なくとも10人が重傷。一方でイスラエル軍は、「ラーマッラー近郊で、武装集団の発砲を受けて軍兵士2人が負傷した」と述べた。
こうした中、ガザ地区への連帯と、イスラエルの攻撃に対する拒否の意を示すべく、東エルサレムを含む西岸地区の各地で18日朝より、医療施設以外の商店や会社、教育機関等で大規模ストライキが行われている。
―国連安保理は18日、パレスチナ・イスラエル情勢をめぐる緊急会合を開いた。会合開催は10日間で4回目。中国、チュニジア、ノルウェーが声明の採択を求めたが、米が反対したため、今回も採択に至らず。
―ネタニヤフ・イスラエル首相は、「ガザ地区に対する軍事作戦はしばらく続く」「作戦完了後、『方程式』は変わるだろう」「ハマースとイスラム聖戦を、数年前(の状況)まで後退させた」「どんなに時間がかかろうとも、作戦を継続する」と述べた。
―コーヘン・イスラエル諜報特務庁(モサド)長官は、「次のステップでは、ガザ地区に対する電力供給を停止する」と明かした。また、ガンツ・イスラエル国防相は声明で、「包括的・長期的な停戦に達するまでは戦闘を継続する」と述べた。
―イスラエルの「チャンネル12」は、縮小閣議(に出席した)高官らの話として「対ガザ軍事作戦は最終段階に入った」と伝えた。また、AP通信は「イスラエルは米側に、作戦は数日内に終了する可能性があると伝えた」と報道。
―イスラエル軍報道官は軍ラジオ局に対し、「我々は、攻撃停止について話をするのではなく、攻撃の実施に集中している」「軍は標的リストに沿った作戦を続行する」「ガザ地区からこれまでにロケット弾3300発が発射された。防空システム『アイアンドーム』はこのうちの9割を迎撃した」「18日の7時以降、ガザ地区からロケット弾270発が発射された」「今回の『戦争』で、我々を狙ったロケット弾攻撃の数は過去最多だ。これまでにイスラエル人11人が死亡した」「ハマースとイスラム聖戦の攻撃が続いている以上、我々がエスカレーションの緩和を検討することはない」と述べた。また、「我々はハマースの軍事能力の弱体化を目標としている」「ハマース幹部の居住するマンション3室と、ロケット弾の開発・製造に使用されている拠点を攻撃した」と述べ、「ハマースとイスラム聖戦は約1万2千発のロケット弾を保有している。これを全て破壊するのは困難だ」と指摘した。
―イスラエルのメディアによると、イスラエル軍は先週、ハマースのムハンマド・ダイフ司令官の暗殺を2回試みたが、失敗に終わった。
―ガザ地区の保健省報道官は、「保健省は、医薬品や医療用消耗品(の不足)、救急車(の任務妨害)に関する深刻な危機に直面しており、国際的な緊急支援を必要としている」「イスラエルの侵害行為はこれまでに医療施設21か所を標的とした。これにより、標的となった医療施設の機能が停止したほか、救急車が現場に辿り着けずにいる」と述べた。
―ガザ地区の内務省報道官は19日付けで発表した声明で、(サウジアラビア資本の)衛星TVアルアラビーヤが報じた、「イスラエルのガザ地区空爆を受け、ハマースの幹部複数とその家族がエジプトへ逃げた」との内容を否定し、「アルアラビーヤはこれまでと同様に『疑わしい役割』を演じており、パレスチナ国民とその抵抗勢力を標的とするイスラエル軍及び諜報機関と交差するアジェンダに基づき行動しているとを確認する」と述べた。
―OCHA(国連人道問題調整事務所)は、「イスラエルの空爆により、ガザ地区で病院6院と救急医療センター9か所を含む建物約450棟が破壊・被害を受けた。また、同地区の住民5万2千人のうち4万7千人が、国連の運営する学校への避難を余儀なくされた」と述べた。こうした中、エジプト大統領府は、「ガザ地区の復興に5億ドルを拠出する」と表明。
―国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)報道官は、「ガザ地区で3万8千人が(自身の運営する)学校に避難している」「5万人の収容が可能だが、避難民の数はこれを超える可能性がある」と述べた。
―アムネスティ・インターナショナルは18日、「住宅に対する空爆を一部実施する等、イスラエル軍はパレスチナ市民の命に対する恐ろしいまでの無関心さを示した」「空爆により子供を含む複数の家族全員が死亡した。これは戦争犯罪や、人道に対する罪に当たる可能性がある」と述べた。またアムネスティは、イスラエルが事前警告なしに住宅に対する空爆を4回行ったことを報告し、国際刑事裁判所(ICC)に緊急の捜査を求めた。
○ 国際テロ・過激主義情勢
―特になし
○ マグレブ情勢
―特になし
○ トルコ情勢
―特になし
<その他の重要ニュース要旨>
―特になし
エリコの目
ーハアレツ紙は、「イスラエル政府はパレスチナ人を分断することに成功したと思っていたが、今般の出来事によって彼らが一つになった。『TikTok』世代の若者が前例のないデモを率いた」と論じた。「米国を筆頭とする国際社会への73年目のメッセージは、紛争を『管理』するのではなく、終わらせる時が来ているということだ。グリーン・ライン(48年戦争の境界線)は消え、イスラエル・アラブがパレスチナ人のアイデンティティを捨てていなかったことが明らかになった」とも。(アルマヤディーン・ネット)
中東の新型コロナ動向
ードバイ政府は、全ての娯楽施設における入場者率を70%、ホテル客室占有率を100%まで、それぞれ引き上げることを発表した。利用者は、必要な予防措置(社会的距離、マスクの着用等)を守らなくてはならない。また、歌唱コンサート、社会的・組織的な催し物等のイベントについては、開催許可申請を電子的に受理することとし、入場者率は70%以内でかつ屋内は1500人未満、屋外は2500人未満の範囲で許される。また、観客と従業者はいずれもワクチン接種済である必要がある。(アッシャルク・アルアウサト紙)
<特記事項・気付きの点>
―パレスチナ・イスラエル情勢を引き続き連続報道。