2021年8月29日 (No.21151)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

29日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ 米がアフガニスタンでIS有力幹部2人を空爆した後、「更なるテロ攻撃が迫っている」との警告。米大統領は「対IS空爆はこれが最後ではない」と述べる。タリバンは「米は空爆を事前に通知すべきだった」と非難

■ タリバンのバラダル師、アフガニスタンの次期政府に関する協議のため幹部らと共にカンダハルに入る。タリバンは、政府樹立の期日設定を拒否

■ バグダッド地域会議、域内の安全維持のための取り組みの一元化と、国家主権を尊重した共通の利益に基づく協力を呼びかけ。イランは、域内対話への支持を表明

■ イラン核合意をめぐるウィーン協議が中断する中、イランは「米大統領が外交失敗の際の他の選択肢を示唆したことは違法な脅迫とみなされる」とし、「問題の妥当な解決」を呼びかけ

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―ハメネイ・イラン最高指導者は、「米はイラン核問題に関して我慢の限界を越え、核合意から離脱した」「米の要求に何ら変化はない。バイデン政権は、前トランプ政権と同じ要求を繰り返している」「核問題の解決は不可欠なものとみなされ、適切かつ妥当な方法で解決すべきだ」と述べた。

―シャムハニ・イラン国家安全保障最高評議会事務局長は、ツイッターで「バイデン米大統領のベネット・イスラエル首相との初会談での発言は、他国に対する違法な脅迫とみなされるものだ」とし、「米大統領は『核合意をめぐるイランとの外交が失敗した際には、その他の選択肢を取る』と発言したが、これはイランが同様の手段で対抗する権利を確認するものだ」と述べた。

―イラクの首都バグダッドで「バグダッド協力・パートナーシップ会議」が開かれ、シリアを除く近隣諸国とカタール・UAE・エジプト・仏の計9か国の代表団が参加した。各国代表団の団長らは、最終声明で「地域的・国際的取り組みを、地域の安定と安全にプラスに反映する形で一元化する必要性」を強調し、「域内諸国は、協力と相互の利益、他国の内政への不干渉、国家主権の尊重に基づいて、共通の課題に対処すべきだ」とした。また参加者らは、国家機関の強化と議会選挙実施に向けたイラク政府の取り組みへの支持を改めて表明し、「あらゆる種類のテロと過激主義思想を拒否する」と確認した。

―フセイン・イラク外相は、上記会議の傍らでの会見で「サウジとイランは、両国間の対立に関して(解決への)前向きな結果に至ることを強く望んでいる」「バグダッド(のこの会議)で始まったサウジとイランの会合は、今後も他の様々な場所やレベルで続いていくだろう」と述べた。

―アブドラヒアン・イラン外相は、上記会議で「外国の介入こそが地域の不安定の原因だ。中東地域は、持続可能な地域安全保障を必要としている」「外国の介入を遠ざけて、域内諸国間の対話を通じて平和を実現すべきだ」と述べた。同外相は、同会議の傍らでムハンマドUAE副大統領兼首相(ドバイ首長)と会談した。

―サーレハ・イラク大統領は、「(上記会議参加のための)タミーム・カタール首長のイラク訪問(即位後初)は重要であり、両国間の関係強化において意義あるものだ」と述べた。イラク大統領府の声明によると、サーレハ大統領とタミーム首長は地域情勢について話し合い、「対話を通じて緊張を緩和し、安全と安定を確立する必要性」を確認した。タミーム首長は、「イラクの安全保障を支援し、両国間関係の強化に尽力する」と述べ、「地域の安全実現に向けたイラクの努力」を称賛した。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―タミーム・カタール首長は、上記バグダッドでの会議の傍らで、シーシー・エジプト大統領と会談、両国間関係を再確認し、その強化の方法について話し合った。主要な地域・国際問題の最新情勢についても協議した。また同首長は、ムハンマドUAE副大統領兼首相(ドバイ首長)とも会談した。更に、アブドラ・ヨルダン国王とも会談し、両国間の協力や地域問題の政治的解決に向けた取り組みについて協議した。

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―特になし

○ 国際テロ・過激主義情勢

―米大統領府の声明によると、バイデン大統領は、国家安全保障チームとの会合で、「米がアフガニスタンでISを標的として行った(27日の)空爆は、最後のものではない」と述べた。また、「軍幹部らから、今後36時間以内にアフガニスタンで(テロ)攻撃が発生する可能性があると報告と受けた」「カブールはまだ非常に危険な状況だ。カブール空港に対するテロ攻撃の危険も高まっている」とし、「こうした危険な状況にもかかわらず、米は民間人を退避させる活動を続ける」と強調した。同大統領は、米軍撤退後の人々の退避継続を支援するための準備について話し合った。同声明によると、米軍幹部らは、バイデン大統領に対し「退避任務完了後に部隊を守るために必要な措置を講じることができる」と確認した。

―カービー米国防総省報道官は、「アフガニスタンのナンガルハル州での27日の無人機による空爆で、ISの重要な標的2人を殺害し、1人を負傷させた」と発表した。ただし、標的となったこれらの幹部らがカブール空港攻撃に関与していたのかどうかは明らかにせず、「彼らはISホラサン州の計画担当者とその補佐だ」とのみ述べた。

―ロイター通信によると、タリバン広報担当は「米は、(上記)空爆を事前にタリバンに通知すべきだった。これはアフガニスタン領土に対する攻撃とみなされるものだからだ」と述べた。

カブール特派員のレポート:米軍が東部ジャララバードで行ったIS空爆について、通信各社は「ムジャーヒド・タリバン広報担当が、この空爆を『アフガニスタンの主権を侵害するものだ』と非難した」と伝えた。しかし、タリバンはこれまでのところ、この件に関して公式のコメントは出さずに沈黙している。カブール空港の状況については、タリバンが同空港で支配を広げており、「5つのゲートのうち米軍の制圧下にあるのは1つだけとなった」「タリバンは同空港とその安全を管理する準備が完全にできている」としている。

―バラダル・タリバン政治事務所代表が、複数の同組織幹部を伴ってカンダハルに到着した。消息筋によると、同地域のタリバン幹部や地元の有力者らとアフガニスタンの次期政府樹立に向けた取り組みについて協議するための訪問。パキスタンのクウェッタからもタリバンの幹部らが同目的で来る予定。ムッタキー・タリバン布教・指導委員会委員長も同様の協議のためにヘルマンド州に到着。

カンダハル特派員のレポート:バラダル師は、カンダハルで(地元の)政治家や社会の有力者、イスラム法学者らとの協議を開始したものと見られる。アフガニスタンの次の体制樹立に向けたものだが、タリバンは急いではおらず、次期政府樹立の期日の設定を拒否している。こうした中、タリバンが(カンダハルの地元)メディアに対し「今後、音楽や女性の声を放送することを禁じる。女性がニュースや番組を伝えることや、メディアでの商業広告は許されない」と通達したとの確かな情報が入った。

―AP通信によると、タリバンは、カブール空港周辺に更なる戦闘員を配置した。外国軍撤退の最終期限である31日が迫る中で、同空港周辺に人が集まることを防ぐため。タリバンは同空港に繋がる複数の主要道路に検問所を設置し、武装した戦闘員が軍用車であたりを監視して回っている。またタリバンは、ISが同空港を狙った攻撃を実行する懸念がある中で、治安対策を強化している。

―マクロン仏大統領は、「危険に晒されているアフガン人の保護と退避について、カタールを通じてタリバンとの協議を行っている」と述べた。AFP通信が同大統領に近い筋の話として伝えたところによると、同大統領はバグダッドで(上記の協力・パートナーシップ)会議の機会を利用してカタール首長と会談し、カブール空港からの退避活動でカタールができる仏への支援の手段について話し合った。今月31日までにアフガン難民をカブール空港からカタール航空機で退避させるというもの。

―各国が発表したカブールからの退避活動の状況(28日)。

英:アフガン人専用の英最終便がカブールを出発。今月13日以降、14,543人がカブールから英へ退避(英国防省)/伊:約5,000人がアフガニスタンから退避。「空の架け橋」の枠内での最終便がアフガン人58人を乗せて(ローマに)到着(伊外務省)/仏:タリバンから脅迫を受けているアフガン人の退避終了。仏軍は、アフガン人2,600人以上を含む約3,000人を移送(仏軍事省)/独:独軍は過去11日間に少なくとも45か国の5,347人をカブールから移送(独外務省)/米:過去24時間に約6,800人をカブールから退避させた。米軍は、7月末以降、11万7千人を退避させた(米国防総省)/スイス:スイス国民の退避を終了し、385人を空路でスイスに移送。スイス人11人と永住者16人が残留。一部は国際機関で働いている(スイス政府)/トルコ:カブール・イスラマバード間にトルコ軍兵士の撤退のための「空の架け橋」を設置。48時間内にヘリ2機と航空機8機で退避を完了(トルコ国防省)。

○ マグレブ情勢

―特になし

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―特になし

エリコの目

―本日はお休みします。

中東の新型コロナ動向

―本日はお休みします。

<特記事項・気付きの点>

―特になし

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