アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
2日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■ チュニジア人民議会指導部、「議会は常時開かれている状態にある」と述べ、新会期の開会を発表し、「大統領による憲法第80条の違憲な適用を拒否する」と確認
■ スーダンで民政移管を支持するデモ。内閣は移行期間に対する懸念を示し、統治評議会との緊急会合の開催を呼びかける。同評議会議長は文民との協力を堅持する姿勢を改めて強調
■ リビアの代表議会と国家最高評議会の両代表団、ラバトでの協議を終了。総選挙をめぐる対立点の解消は発表されず
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―シリア政府軍がイドリブ北郊バーテンタ近くに位置する2つの難民キャンプを砲撃し、女性1人死亡、複数が負傷した。反体制派筋によると、イドリブ県の各地、とりわけジスル・シュグール地区が砲撃に晒された。
―シリア民間防衛隊(ホワイトヘルメット)はツイッターで、「露軍がイドリブ南郊アリーハ近くのアルバイーン山を地対地ミサイルの標的にし、ザイヤーラ地区を攻撃した」「雪が降る季節に先立ち、150万人の避難民が暮らす北西部の各難民キャンプでの任務を開始した」「避難民の苦しみを終える唯一の解決策は、アサド政権と露による犯罪行為を罰し、民間人の自宅への安全な帰還を実現することだ」と述べた。
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―特になし
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―特になし
○ 国際テロ・過激主義情勢
―特になし
○ マグレブ情勢
―チュニジア(立法府の)人民議会の指導部は1日夜に出した声明で、新会期の開会を発表し、「議会は常時開かれている状態にある」「議会の第3回会期は、例外的諸措置と憲法の前例のない状況と、国民が解決に向け一丸となることを必要とする経済的・社会的な危機が存在する中で開会される」と述べ、各議員に対し「落ち着きと敬意の下で、憲法及び法律に関する職務を再開し、民主主義とその象徴である代表議会の回復のために耐えて立ち向かうよう」促した。
また同議会は声明で、「議会の停止と、重要な利益を妨げた責任はサイード大統領にある」「大統領による憲法第80条の適用は議会の権限を奪う行為であり、議会の機能停止等に関する大統領の諸措置は違憲だ」と確認し、「サイード大統領が9月22日に発表した立法権と行政権の行使に関する大統領令117号は、全ての権限が1人の手中に収まる恐ろしいものであり、民主主義の価値観および自由・尊厳の革命と矛盾する」と述べ、同大統領令の撤回と議会凍結の解除、誰のことも排除しない国民対話の実施を呼びかけた。
―リビアの代表議会と国家最高評議会の両代表団は1日、モロッコ首都ラバトでの協議を総選挙をめぐる対立点の解消を発表することなく終えた。閉幕声明は「協議は互いを理解する友好的な状況の中で行われた」として、国際社会に対し「12月24日に予定されている総選挙を支援するよう」呼びかけた。
―リビア大統領評議会のメンフィ議長は1日、メルケル独首相とのベルリンでの共同記者会見で、「選挙は予定通り実施される」「選挙の予定通りの実施に向け、政府は移行期間の完了に取り組んでいる」「軍事機関を筆頭とする国家機関の統一や、外国部隊や傭兵の国外退去などの重要な点に集中している」と述べた。
一方でメルケル独首相は、「独はリビアへの支持を維持し続ける」「外国部隊と傭兵のリビアからの撤退に取り組むべきであり、外国の影響力がリビアの未来を決めるべきではない」と述べ、「独で政権が変わってもリビアへの支援に影響はない。リビアは独の優先事項であり続ける」と強調した。
○ トルコ情勢
―特になし
<その他の重要ニュース要旨>
―スーダン首都ハルツームの各地で1日、民政移管を支持するデモが行われた。こうした中、統治評議会のブルハーン議長は、国連事務総長、安保理議長、AU委員会委員長に宛てた書簡で、「移行プロセスを妨害するいかなる試みも阻止することを約束する」「民主化の重要性を信じており、文民政府への移行まで(民主主義を)守る」「スーダンはジュバ和平合意の履行を順守する」と述べ、「移行政府は(移行プロセスへ)前向きに参加し、和平プロセスに参加しなかった各派との交渉を行う」との姿勢を示したほか、「治安機関の改革と再構築を行い、国の安全を保障する国軍の確保に努める。しかし、軍の改革と和平プロセスへの各派の参加は非常に複雑なことだ」と確認した。
―スーダン内閣は1日夜に出した声明で、統治評議会との緊急会合の開催を呼びかけ、「これまでの期間を明確で透明性のある評価をすることを通じて、移行期間を守ること」の重要性を確認し、「移行期間の目標達成に向けて、軍と文民の間の協力強化に取り組むよう」呼びかけた。
また、内閣は声明で「クーデターを阻止した軍の役割に関する決定」を賞賛し、「各メディアにおける噂や(政府に)反対的な報道に対する対応を取る重要性」を強調した。
―アルマーン・スーダン首相顧問はアルジャジーラのインタビューで、「ハルツームで1日に行われたデモは軍に対してではなく、クーデター派に対するものだ」「統治評議会議長職を文民に移管することは憲法宣言に明記されているが、これは軍と文民の間の唯一の対立点ではない」「様々な対立点が存在するが、その中でも軍事機関の管理は最も顕著な対立点だ」と述べた。
エリコの目
―サウジアラビアのジャマール・カショギ記者がイスタンブールの総領事館内で殺害されてから2日で3周年になる。婚約者のジェンキズさんや複数の人権団体がワシントンのサウジ大使館前で抗議行動を行った。人々は、この日発行されたカショギ氏の顔写真が全面を飾ったワシントン・ポスト紙「遺体はどこに?」を掲げた。サウジ国内の裁判で言い渡された死刑は減刑されて実行されておらず、首謀者の責任追及はされないままだ。(アラビー21)
<特記事項・気付きの点>
―特になし