2021年10月4日 (No.21187)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

4日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ アフガニスタン首都で政府高官やタリバン幹部を狙った爆発があり、多数が死傷。その数時間後、首都北方でISの3人が死亡

■ スーダン政府、東部問題の平和的解決を呼びかけ。抗議による港湾や幹線道路の閉鎖について「国民に対する犯罪」と警告

■ サイクロン「シャヒーン」がオマーンに上陸、子供を含む3人死亡。その後、熱帯低気圧に変わる

■ アルジェリア、仏大統領の発言を「容認できない」とし、仏戦闘機の領空使用を禁じる。仏、サヘル地域での作戦への影響は「大きくない」と声明

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―特になし

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―サイクロン「シャヒーン」が、オマーン北部に上陸。ムサンナア、スワイクをはじめとする一帯が、豪雨と最大風速150メートルの強風に見舞われた。マスカットで山崩れに巻き込まれた2人が死亡。一時、高速道路を除く全ての道路で、緊急・救助車を除く通行が禁じられ、マスカット国際空港は便の運航を停止した。また、アーミラートで子供が洪水にさらわれ死亡。その後、サイクロンは勢力を弱め、熱帯低気圧に変わった。

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―特になし

○ 国際テロ・過激主義情勢

―アフガニスタン首都カブールのモスク近くで爆発があり、13人が死亡、32人が負傷した。現場は厳しい警備態勢がとられている国防省近く。犠牲者の数はさらに増える見通し。当時モスクではムジャーヒド副情報文化相代行(タリバン報道官)の母親の追悼行事が営まれ、多数のタリバン幹部がいた。内務省は、爆破に関与したとして3人を拘束。

―タリバン筋によると、カブール北方ヘイル・ハーナ地区で、「イスラム国ホラサーン州(IS-K)」の3人が家屋に立てこもり、その後、爆発物のベルトを起爆させて死亡した。

―カブール北方カリーズ地区の現地筋は、同地区で「爆発があり、銃撃を交わす音が聞かれた」と話した。

カブール特派員の報告:カブールのモスク近くの爆発について、タリバンはIS-Kなどの特定組織を名指しで非難しておらず、犯行声明も出ていない。ただ、モスクの爆発からわずか6時間後、ヘイル・ハーナ地区の家屋にIS-Kの3人が包囲され、タリバン治安部隊との銃撃戦に発展した。両事件の関係は明らかに見える。ヘイル・ハーナ地区では、IS-Kの要員たちは包囲された家屋を脱出できず、一斉に爆発物ベルトを起爆させ、大規模な爆発になったとのこと。国内東部やカブール市内外での連日の爆発は、タリバン暫定政府とIS-Kの争いが激化していることを示す。

―カタール高官によると3日、カブールから民間人235人が空路カタールに移動した。大部分がアフガニスタン人で、他に複数の国籍保持者がおり、カタール経由で最終目的地に向かう。8月末の米軍撤退以降、チャーター機による民間人のカタール移送は5度目。

○ マグレブ情勢

―アルジェリア大統領府は、「マクロン仏大統領が仏メディアで明白に行った発言に対し、内政干渉を断固拒否する」と声明。仏軍機の領空通過を認めない措置をとった。これに先立ち仏大統領は、アルジェリア独立戦争で貢献のあった人々の孫らアルジェリア系青年たちとの会合で、「アルジェリアの公式の歴史は、全面的に書き変えられたもの。事実に基づかず、仏嫌悪の言説に依拠している」等と発言、「仏による植民地化以前、アルジェリアという国は存在しただろうか」と疑問視した。アルジェリア大統領府は、「1830年から1962年にかけて、仏の植民地化に勇敢な抵抗して犠牲になった563万人への冒涜を容認しない」と反発。

―仏軍報道官は、アルジェリアが仏軍機の領空使用を禁じたことについて、「2便が領空を通過できなかった」とした上で、「アフリカ・サヘル地域の駐留仏軍が実施している作戦への大きな影響はない」と述べた。

―チュニジア各地でサイード大統領の「例外的措置」を支持するデモがあり、首都チュニス中心部の行進には数千人が参加。「議会解散を求める」等と訴え、ガンヌーシ議長(ナハダ運動党首)を批判するスローガンを叫んだ。議会は7月25日に大統領が停止を宣言している。今回の大統領支持デモは、議会停止宣言以来の規模となり、治安当局が実施場所と周辺を厳戒警備した。

―チュニジアの「カラーマ(尊厳)連合」(イスラム主義政党が主体)のアブドルラティーフ・アラウィ議員と、民放「ザイトゥーナTV」(ナハダ運動に近いとされる)の男性番組司会者が逮捕され、軍事法廷に送られた。容疑は「国家に対する共謀、軍に対する侮辱」という。これについてナハダ運動(停止中の議会で217議席中53議席の第1党)は、「通常法廷での市民の権利を侵害するもの」と非難し、「議員の逮捕は、議会開催の定足数(73議員)充足阻止が狙いではないか」との懸念を示した。司会者はこの直前、番組で大統領による「全権掌握」を批判した。

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―スーダン情勢:

・内閣は声明を出し、東部問題(ベジャ人による「公正な分配」等の要求)について、「正当なもので、民族的な最優先事だ」と強調。その上で、「(ベジャ人組織の抗議行動による)ポートスーダン港や幹線道路の閉鎖で物資輸送が行えず、救命のための医薬品備蓄が尽きつつある」「発電と国内各地への電力供給に多大な影響を及ぼす」「港湾や幹線道の閉鎖は、何百万という国民に対する犯罪に相当し、その苦難を増すものだ」と警告した。

・自由変革勢力連合(FFC)は声明で、立法議会の設置を一方的に宣言する可能性を仄めかし、「軍民の協議を待たず、議会は出席者のみで開催されるだろう」とした。2019年8月の「憲法宣言文書」(暫定憲法)に記された立法議会など諸機関の設置の遅れをめぐり、軍民が対立する中での声明。また、FFCの内部対立と分断が深まり、(FFCの一部が)「FFCの政治的基盤の拡大」を宣言したばかり。(憲法宣言文書は、署名から3か月以内に定数300の暫定立法議会を設け、議員の3分の2をFFC、残りをFFC以外から選任するとしていた)

エリコの目

―ファイサル・サウジ外相は、イランとのこれまでの4回の直接協議について「イランがどの程度本気であるか」との記者の質問に答え、これまでの協議は依然「探索的」な内容に留まっているとの認識を示した。共同記者会見したボレルEU外交問題上級代表は、サウジアラビア等の湾岸諸国がイランの核開発を懸念しているのは理解でき、早期の核合意交渉再開が重要と述べた。なお、前日にはドリアン仏外相がサウジを訪問して2国間関係を協議した。(アッシャルクルアウサト紙)

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<特記事項・気付きの点>

―特になし

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