2021年10月17日 (No.21200)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

17日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ イラク選管、「議会選の開票作業を完了したが、結果は暫定的なものであり不服の申し立ては可能」と発表。「シーア派調整フレームワーク」はこの結果を拒否し、「市民的国民戦線」は選挙を「無効」とする

■ スーダンのハルツームで無所属の実務者内閣の樹立と参加基盤の拡大を求めるデモ。デモ隊は「要求実現まで大統領宮殿前で座り込みを実施する」と表明

■ イエメン政府軍、「マアリブ県西部サルワーフでホウシー派との激戦に突入」と発表。地元消息筋によると、同派が同県アブディーヤ郡を制圧した翌日、住民多数が避難

■ レバノン首相、「政府は司法の問題には一切介入しない」と述べる。法相は「ベイルート港爆発の捜査担当判事には自身が必要とする人物を呼び出す権利がある」とし、「同判事の解任は検討していない」と確認

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―イラク選挙管理委員会は、「議会選挙のすべての投票所での開票・集計作業が完了し、完全な暫定結果をHPに公表した」と発表した。「この結果はあくまでも暫定結果であり、新たに不服を申し立てることが可能だ」としている。また選管は「これまでに1,300件超の不服の申し立てを受けたが、選挙結果に影響を与えるものではない」と確認した。バグダッド特派員の話では、開票・集計作業が完了し、これまでに申し立てられた不服の審査が行われた後も、各政治会派の獲得議席数は先に発表されたものと大きな違いはない。

―イラクの「シーア派諸勢力調整フレームワーク」は、声明で「(上記の)開票結果を全面的に拒否する」と表明し、「選挙の失敗と管理のまずさについては、選管に全責任がある。これは、民主主義路線と社会的和解に悪影響を及ぼすものだ」と指摘した。また、アッラーウィ元首相率いる「市民的国民戦線」は、今回の選挙を「無効であり合法性がない」として拒否した。

―イラクの「サドル潮流」指導者のムクタダ・サドル師は、ツイッターで「米は、外交やその他のすべてのレベルにおいて、どの国もが完全な主権を有する国に対してとるのと同様の対応をイラク政府にすべきだ」「世界が期待している最も重要なことの1つは、サドル潮流が首相の座に就くことだ」「米は、米軍とその基地のイラク残留やイラクへの介入について真剣で有効な対話をすべきだ」と述べた。

―シリア政府軍がイドリブ北郊サルマダーとその周辺を砲撃し、警官1人を含む4人が死亡、15人が負傷した。これより先に同軍は16日朝、イドリブ南郊のバーラを砲撃。

―ミーカーティ・レバノン首相は、「政府は、いかなる司法の問題にも介入しないよう配慮している」と確認した。同首相は、ホーリー法相、アブード高等司法評議会議長、オウェイダート検事総長と会合し、最近の治安関連の事件について協議した。法相は、「ベイルート港での爆発の捜査を担当するビタール判事の解任の問題は、この会合では議題とならなかった」とし、「この問題の(捜査の)主たる担当者は同判事であり、同判事には自身が望むあらゆる人物を呼び出す権利がある」と述べた。

―レバノンの首都ベイルートのタイユーナ地区に設置されている監視カメラが、14日の衝突事件の際に(ベイルート港爆発捜査の担当判事の解任を求める)抗議デモ参加者の1人が国軍兵士の発砲を受けて死亡する様子を撮影していた。軍によると、発砲した兵士は司法監督下で取り調べを受けている。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―イエメンのマアリブ県西部サルワーフ郡で政府軍とホウシー派の間の戦闘が再発した。軍の広報部は、ツイッターに「軍と人民抵抗勢力は、カッサーラ戦線で同派との激戦に突入している」と短い声明を出した。地元消息筋によると、同県アブディーヤ郡の中心部を同派が制圧した後、同郡の多くの村からの住民の避難が、かつてないほどに増加している。

―サウジ主導の同盟軍は、「イエメンのマアリブ県南部アブディーヤ郡で過去24時間にホウシー派のメンバーと車両を狙って32回の空爆を実施し、軍用車両11台を破壊したほか、同派メンバー160人超を死亡させた」と発表した。

―米国務省は、マアリブ県アブディーヤ郡でのホウシー派の攻撃激化を非難し、「これは(同派が)民間人の安全を露骨に無視していることを示すものだ」と指摘した。プライス同省報道官は、「同派は、同郡で人々の移動や人道支援、基本的サービスの住民への提供を妨害している」「同派の行為は人道状況を更に悪化させ、国内避難民の更なる増加の原因となるものだ」とし、同派に「マアリブ攻撃を止めて、紛争終結の緊急の呼びかけに耳を傾け、国連主導の包括的和平プロセスを支持するよう」呼びかけた。

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―特になし

○ 国際テロ・過激主義情勢

―特になし

○ マグレブ情勢

―アルジェリア大統領府によると、テブン大統領は(アルジェリア戦争中の)1961年10月17日の「パリ虐殺」の犠牲者の冥福を祈るため、17日から毎年この日に全土で1分間の黙とうを行うことを決定した。先のマクロン仏大統領の「アルジェリアを侮辱する発言」により両国間関係が悪化する中での決定。パリでは、同「虐殺」事件(パリでアルジェリア独立を求めるアルジェリア人のデモ隊が警察の弾圧を受け、多数が死亡した事件)から60年の追悼式典が行われ、マクロン大統領も参加した。仏大統領府は「大統領の同式典参加は初めてのことで、この事件の事実を認める歴史的一歩だ」としている。マクロン大統領は、この事件を「許せない犯罪だ」と非難した。

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―スーダンの首都ハルツームで「自由・変革勢力-国民合意憲章グループ」の支持者らが「暫定政府の解散」を求めるデモを実施し、治安部隊多数が警備についていたにもかかわらず、大統領宮殿付近にまで至った。デモ隊は、「移行期間の政府への参加基盤の拡大、実務者内閣の樹立、憲法裁判所と司法評議会の設置」を要求。デモ隊のリーダーらは、「要求実現まで大統領宮殿前で座り込みを行うよう」呼びかけた。

―「自由・変革勢力-国民合意憲章グループ」の幹部らは、「国民合意憲章」に署名した。同憲章は、「移行期の政府への参加基盤の拡大」「憲法文書の項目の実施」「実務者内閣の樹立」「憲法裁判所や暫定立法評議会、司法評議会、検察評議会を始めとする暫定政権の構成機関の設置完了」を求める内容。この新たなグループには、ミナウィ・ダルフール地方長官率いる「スーダン解放運動(ミナウィ派:SLM-MM)」、イブラーヒーム財務相率いる「正義と平等運動(JEM)」など多くの政党や政治勢力が参加している。

―「自由・変革勢力-国民合意憲章グループ」幹部のミナウィ氏(SLM-MM代表)は、アルジャジーラのインタビューの中で、「自由・変革勢力-中央評議会グループ」に対し「創設時の立場に戻り、国内の様々な政治・社会勢力の参加に扉を開くよう」呼びかけた。

―「自由・変革勢力-中央評議会グループ」幹部のアーデル・ハラフッラー氏は、アルジャジーラのインタビューで「スーダンとその移行段階は岐路にある」とし、統治評議会議長に対し「評議会や国家機関の会合を招集し、憲法文書に基づいて国内危機について協議するよう」呼びかけた。

―AU閣僚執行理事会は、アディスアベバで開かれた会合で、(今年7月にファキAU委員長が決定した)「イスラエルへのAUオブザーバー資格の付与」について協議したが、15日の同会合の終わりに「資格付与を認めるか拒否するかの決定を延期し、この件を来年2月に開催されるAU首脳会議に付託する」と決定した。

エリコの目

―「イスラム国」との対決はタリバンの国際社会との関係を変化させるか?米軍撤退直後に空港に対する自爆攻撃で米兵、アフガン市民の多数を殺傷した後、最近もクンドゥス、カンダハールで相次いでシーア派住民に対する爆殺行為をIS-Kが実行している。カタールが長年果たした役割によって、タリバンは、国際社会と対話できるまでになった。タリバン外相代行はトルコを訪問し、来週はモスクワで重要会談が行われる。EUは、人道支援の継続を表明しているが、アフガニスタンをテロの温床にしないということが、国際社会の共通の利益だ。各国とも、タリバンが国際社会の仲間入りのできる行動をとる国となるよう求めている。(アルクドゥス・アルアラビー紙)

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<特記事項・気付きの点>

―特になし

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