アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
18日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■ イエメンのホウシー派、「シャブワ県とマアリブ県で複数の郡を制圧」と発表。政府軍報道官は「戦闘は継続中、ホウシー派の戦線突破は長続きせず」とアルジャジーラに語る。地元筋は同派による拘束作戦や住民の避難に言及
■ アルジャジーラの検証番組「追跡者」、イエメンのソコトラ群島の主要セクターを掌握するUAEの計画や動きを追い、独占入手した文書や証言を通じて明るみに出す
■ スーダン首都の共和国宮殿前で、政府打倒を掲げる座り込みが続く。内閣担当相は「移行プロセスの進展が最優先」と主張。米はハムドゥーク首相が発表した「危機収束に向けた行程表」を歓迎
■ イラク選管が発表した議会選の暫定結果に対し、諸都市で抗議デモが発生。ヒズボラ旅団は「良からぬ結末」を警告。サドル潮流は「組閣に取り組んでいる」と発表
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―イラクで選管が発表した議会選の暫定結果に対し、賛成・反対を示す反応が続いている。選挙結果の公正さを疑って拒否を表明するデモも限定的に生じている。カージミー首相は、「イラク国民は自分たちの代表を選んだ」「議会の新たな議員らには、政治活動を通じて国民の信頼を取り戻す義務がある」と述べた。これに対し、ヒズボラ旅団の軍事責任者アブー・アリー・アスカリー氏は、「カージミー首相は選挙での不正に加担し、最大の背信行為を働いた」と非難し、首相を裁判にかけるよう呼びかけた。また、「有権者・候補者らの権利を回復するため早急に動かなければ、事態は良からぬ結末に向かう」と警告した。一方、選挙で第1党になったサドル潮流は、「発表された結果を受け入れる」として、組閣に取り組んでいることを明らかにした。
―ペデルセン国連シリア特使は、「シリア憲法委員会に参加している諸勢力は、18日にジュネーブで始まる第6ラウンドの協議で憲法起草の段階に入ることに同意した」と発表した。憲法委員会はシリアの政府、反体制派、民間団体の代表らから構成されている。国連特使はアサド政権と反体制派の間の政治的基盤を安定させて憲法をめぐる対話の席に戻らせるため、ダマスカスやモスクワ、イスタンブールで協議を行っていた。同委員会は既に5ラウンドの協議を終えており、最近では今年1月に開催されたが、何の進展も実現していない。
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―イエメンでホウシー派と政府軍の戦闘が白熱。ホウシー派のサリーア軍事広報担当は、「シャブワ県とマアリブ県で複数の郡を制圧した」と発表した。一方、政府軍のムジェッリー報道官は、「ホウシー派はマアリブ県のいくつかの戦線で突入を試みたが、軍がこれを失敗させた」と述べた。地元筋によると、マアリブ県アブディーヤ郡では、ホウシー派が広範な拘束作戦を実行しており、数か所の村で住民の避難の動きが起こっている。同県の避難民キャンプ管理当局の局長は、「ホウシー派の軍事行動激化のため、9月1日以降県南部の諸郡から数千家族が避難した」「ホウシー派による包囲が続いて悲惨な人道状況にあるアブディーヤ郡では、数百家族が未だに立ち往生している」と述べた。
―アルジャジーラの検証番組「追跡者」の新たな回(18日0405JST放送)は、独自入手した文書や映像を利用して、イエメンのソコトラ群島の主要セクターに介入して掌握するUAEの計画や動きを明るみに出した。番組取材班は1年以上にわたって現地で起こっている出来事の詳細を追い、地元高官や目撃者らにインタビューしていた。
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―特になし
○ 国際テロ・過激主義情勢
―アフガニスタンの暫定政府(タリバンの暫定政権)内務省のホスティ広報担当は、アルジャジーラのインタビューで「『イスラム国(IS)』はアフガニスタンでの真の脅威ではない」と述べ、「アフガン政府にはISを駆逐する能力がある」と強調した。
―アフガニスタン南部カンダハル州のムハンマディ警察長官は、「州内のシーア派モスクの警備のため、追加部隊の派遣が行われる」「警察部隊は地元のボランティアと共にモスクの安全保障に取り組む」と発表した。同州のシーア派モスクで15日に自爆攻撃があり(数十人死亡)、ISが犯行声明を出していた。
―アフガン暫定政府のムッタキ外相代行は、カブールでカザフスタンのカジハノフ国際協力担当特使と会談した。ムッタキ外相代行は、カザフスタンがアフガニスタンに提供した人道支援への謝意を表した。
○ マグレブ情勢
―パリで17日、1961年の同日に仏警察がアルジェリア人移民らを殺害し、遺体をセーヌ川に投げ込んだ事件(歴史学者らによると犠牲者は数百人、植民地アルジェリアの独立を求めるデモ隊を仏警察が弾圧)を記念するデモが行われた。アルジェリアでは、犠牲者らの追悼のため1分間の黙とうが捧げられた。テブン大統領は独立戦争の殉教者記念塔に花輪を捧げた。
○ トルコ情勢
―特になし
<その他の重要ニュース要旨>
―スーダンの「自由変革勢力・国民憲章グループ連合」の支持者らがハルツームの共和国宮殿前での座り込みを2日目も継続。移行期間の統治への参加拡大や憲法文書の履行、実務者内閣樹立を要求している。同連合を率いるジブリール・イブラーヒーム氏(財務・経済計画相、武装勢力「正義と平等運動(JEM)」代表)は、座り込み参加者らを前に演説し、ハムドゥーク首相に政府を解散するよう要請したことを明らかにした。また、「政府は小集団に乗っ取られた状態だ」「統治の参加基盤拡大には、統治評議会と内閣の解散が必要だ」との考えを示した。一方、暫定政府のオマル内閣担当相は「内閣解散を求めるよりも、移行期間の目標達成に向けて前進する方が良い」と述べた。
―ブリンケン米国務長官は、スーダンのハムドゥーク首相が発表した「スーダンの民主化維持のための、国家の危機収束に向けた行程表」への歓迎の意を表し、憲法宣言の主要な基準を満たすべく直ちに具体的な動きを取るよう全勢力を促した。
―スーダン東部のベジャ族族長・独立地域高等評議会のオブシャール幹部は、アルジャジーラのインタビューで「評議会はスーダン東部に関する円卓会議を開催するというハムドゥーク首相の提案を拒否する」「東部の開発をめぐる国際会議の開催には反対しないが、東部のリソースは住民の苦悩を取り除くのに十分だ」と述べた。
エリコの目
一サウジアラビア政府は現下のレバノン情勢に鑑み、国民に対し同国に渡航しないよう呼びかけた。また、現在レバノンに滞在している者 については、慎重に行動し、危険な地域に立ち入らないようにと警告している。(アツシャルク・アルアウサト紙)
<特記事項・気付きの点>
―特になし