地震の影響と小生の旅行で遅れていた新学期の講座(イスラム文化論)が始まった。
今年で8年目を迎えたこの講座、始めた時の学生は9.11事件を昨日のことのように覚えていた筈だが、今年の学生がそれをテレビで目撃したのは小学生の時代、中には低学年だったという者もいる。
その間、日本でイスラム学はおそらく少しも広がっていないように思えるが、イスラムという言葉や、イスラムに関する報道、情報を耳にする機会は加速度的に増えた。一方、始めて間もない頃、「回教」という言葉を知っているかと学生に問えば、数人はうなずいていたが、今日改めて問うたところ、40人弱の教室で手を上げることができたのは一人だけであった。
講座を選択した学生の動機も、私が学生の頃とは様変わりだ。現地でイスラム教徒に求婚されて驚いた、という女子学生や、ドバイに住んでいた、という学生など、旅行や家族の赴任等でイスラム世界との接触の経験があり、興味をもったという者がどんどん増えている。
美術大学の教養(共通教育)科目であるのに、一言も聞き漏らすまい、と目を輝かせる学生たちの視線がまぶしい。期待に応え、最終講義の日にも出席者数が減らない講座を目指したい。(13日記)
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