5.7m という想定

IAEA報告書が、福島原発の津波予想到達高5.7mは低すぎたと言及しているらしい。
日本民族にはいろいろな不思議があるが、このような原発を建てた責任者が糾弾されずして、事故後の注水中断を言った言わないのと、どうでもよい議論を国会で与野党党首がやるだけでなく、それを大きく扱う間抜けなメディアの存在を何と嘆けばよいのだろうか。
福島の当初想定は4.2mだった。それでは如何にも低い、というので、その後申し訳け程度に1.5mを足して5.7mになったのだ、というレポートを震災後、割と早い段階でレポートしていた番組(おそらくテレビ朝日)があった。これほど理不尽な話に国民はなぜ怒らないのだろう。
原発というものは、一度建設したら持ち上げて動かすわけにはいかないのだから、半世紀に一度は津波が来ることがほぼ確実なところに作ることが止むを得ないのであれば、十分な高さを確保すべきだった。よく議論の引き合いに出されているとおり、女川は少しだけ高いところにあったので被災を免れた。
4.2mは、高波でも超える。「津波」の想定がそんな高さでよいハズがない。また、1.5m嵩上げすればそれで済むなんて、どんな勉強をしたらそういう見解がでるのだろう。
この高さでいい、と言った学者、あるいはそれを主張した役人、会社幹部がいる筈である。もう存命ではないにせよ、名前を出せ!と言いたい。未必の故意を推定するまでもない確信犯だ。これほどの悪人は何回縛り首にしても足りない。具体的にどういう事情でそういうことを言ったのか、その高さで建設の許可が下りたのか、事実を明らかにして、二度とそういうことをした者は、磔刑(はりつけ)獄門、お家断絶の刑に処すると法律を改正すべきである。
被害を受けた村の何万人という人々は、永遠に故郷を追われたのである。

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