国会議事堂の裏には、写真のとおり大変立派な議員会館が3棟完成しています。7日に福島原発行動隊の集会が開かれたのは、写真一番奥の参議院議員会館でしたので、私は手前国会議事堂前駅から第一、第二衆議院議員会館の前を散策しながら考えるところがありました。私の持論のひとつは日本の政治が三流なのは議員定数が多過ぎるからで、衆議院150、参議院47~50あたりがベストだろう、というものです。その実現は革命でも起こさない限り無理です。政治家が自分で自分の首を締めるような法律を作り、通す可能性はありませんから。
ただそれはそれとして、仮に革命が起きたとしましょう。そして議員定数をそこまで減らすことができたら、この立派な議員会館は用なしだな、と思った時にいろいろと楽しい想像が湧いてきたのです。
おわかりのように、ひと箱約250室、3つで750室あるわけですから、議員数を衆参合わせて200人に減らせばふた箱あまります。これをどのように活用するか。最高のロケーション、最高のセキュリティ、最高の情報アクセス。新築で使い勝手がいい上に非常に大きな付加価値のあるオフィスは、高値で賃貸することができます。100万円/月でも借り手が押し寄せるかもしれませんが、非常に安く見積もって50万円としても、50×500室×12ヵ月では年間30億円の家賃収入が見込めます。
また、それだけでなく赤坂の高級議員宿舎の利用者も100人程度減るでしょうから、こちらも一般に貸し出せば、100室×100万円×12ヶ月で12億円になります。なお、こちらは収入増の話であって、議員削減による節約効果は非常に意味のある額になります。議員ひとりあたりの歳費、秘書給与、諸経費、政党助成金などの年合計金額は5,000万円という控えめな計算から約1億円と言われます。控えめに見て、ひとり当たり7,000万円で計算してみますと、7,000万円×520人=364億円となります。
単純計算ではありますが、30億+12億+364億=406億円もの財政改善効果のある議員定数(大幅)削減。そのよいところは、単に無駄を省いているということだけではありません。政治がくだらない数合わせのゲームに陥ることを防ぎ、真のステーツマンによる政治を実現できるでしょう。つまり、数を減らすことで、却って政治は良くなることが期待できるのです。
さて、このような計算を歩きながらしたのではなく、これはこの原稿を書くにあたってネット上にある情報を参考にしたものです。では実際に歩きながら考えたことは何か…。それは、このうちの1棟を新設する情報機関(JCIA?)の本部とすることです。「政府が大家さんをしたところでその収入は焼け石に水だろう…、もっと国のためになる活用法はないのか?」と考えたときに思い浮かびました。
改めて、写真をご覧ください。この1棟が議員会館として残り、それに隣接して国の情報収集分析の本部が立地し、その隣に民間の、情報で生きる優良企業や個人の事務所が立地すれば、国会と首相官邸(左隅に見えるヘリポートのある建物)が立地するこのエリアが名実ともに日本の中心となります。何より、政治と政策が、情報に基づいて実行される、というわれわれが望む当たり前の政治がインフラの面から保障されることになります。インターネットの時代なのだから、勤務地はどこでも同じ、むしろ分散したほうがよい、という議論もあるでしょう。しかし、政治に携わる者と、これを情報面からサポートする専門家が日常的に顔を合せ、同じ空気を吸うことは非常に大切なことなのです。またこのようにすれば、民間に賃貸に出す1棟の坪単価も大いに上がる、というものです。
この新しく立派になった議員会館には感慨深いものがあります。旧議員会館には、役人時代も、また、独立後通訳をするようになっても、度々通う機会がありました。それはとても日本国の国民の代表が尊厳をもって執務できる環境ではありませんでした。その分、料亭などでの密談政治が政治家の習い性になったのだろう、と妙に納得できる空間でした。しかしようやく、日本国の政治を司る国会議員に相応しい環境が整ったのです。
今は、その空間に相応しい議員を選別するときです。下らない政治家には直ちに退場頂き、このブログの読者の中にもおられる有為の専門家、研究者の諸氏にそのスペースを与えてみてはどうか、と思ったことでした。
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