アルジャジーラ創設時からの幹部がまたひとり同衛星局を去る。
ガッサーン・ビンジェッド(現職はベイルート支局長)がその人だ。
理由は、シリアやイエメンの「革命」報道に関して、同局が扇動的な手法を用い、職業的な報道姿勢から逸脱していることへの抗議とのこと。同人を核とする新たな衛星局設立の話もあるという。
私はかねてから、アルジャジーラが客観的報道を忘れ、ジャーナリズムの本旨を大いに逸脱した扇動報道をしていることが「中東民衆革命」の一大原因であると訴えてきた。そのことを、アルジャジーラ内部からも指摘した形。
ガッサーンはアルジャジーラ創設時、テヘラン支局長として手腕を振るった。週一回の生放送番組「開かれた対話」のディレクター兼プリゼンテーターとしてアラブの茶の間の人気キャスターである。その反響は大きい。
個人的には、私が最初に知り合ったアルジャジーラのジャーナリストで、私と弊社をアラブジャーナリズムの世界へ導くきっかけとなった男だ。2003年末に小泉総理(当時)にアラブメディアで後にも先にも初めてインタビューし、その内容は「開かれた対話」で全アラブ世界に発信された(下記リンク)ほか、繰り返し報道されて対日世論の悪化を食い止めた。
http://ericoworld.net/shintani/shintani02.html
(記事末尾のリンク)
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