No.21 / 2002.06.27

****** global middle east *************** issue No.0021 ***********
グ ロ - バ ル  ミ ド ル イ ー ス ト
*** From Erico Inc. Editor/ Ken-ichi Matsuoka ***** 21/06/2002****

FIFAワールドカップの熱狂も徐々に冷めつつある今日この頃。いかがお過ごしですか。ちょっとチャンネルを切り替えて、西の世界の話題をどうぞ。

【コンテンツ】
1.サッカー万歳
2.新刊紹介『世界遺産 イスタンブール歴史の旅』
3.モロッコ料理レストラン『アルガナ』開店
4.アラブ短編映画選・上映のお知らせ

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1. サッカー万歳     by 新谷 恵司============================================================
編集長からは、サッカーの話題から離れるように言われたのですが、そうそうアタマの切り替えが得意ではないのか、長いようで短かった、ワールドカップの報道支援活動を通じた思い出と感慨に浸っています。

フランス中部にVittel(ヴィッテル)という、おいしいミネラル水の産地がありますが、チュニジア代表がまずここで調整のキャンプをしてから大分の佐伯に乗り込む、と聞いたとき、正直、「チュニジア破れたり!」と思いました。ちょうど、マアルマート・ツアーに同行してモロッコからパリに行った頃のことでした。

4月末のパリはとても空気が乾燥していて、やわらかな春の日差しに包まれていました。セーヌの河畔を1時間以上も早足で散歩しました。歩けば歩く程、出てきた汗が素早く気化し、気化熱を奪う。体の中は温かいけれども体表は冷やされて心地よい、というスポーツを持久的に続けるには理想的な気候がこの大陸の西にはある、ということが実感されました。

ヴィッテルは、もっと心地よいところだろうなあ・・・。その時、チュニジアチームのことが思い出されました。そんな天国のようなところで調整して、梅雨時の日本へ行くなんて、自殺行為だ。

案の定、来日後チュニジア代表は格下相手の練習試合に負け続けました。関係者にインタビューすると、「とにかく時差の影響がひどくてね。選手も役員も全然眠れていないんだ。」と自信なさそう。

その後チュニジア代表は開幕してから徐々に調子を上げました。もし、調整がもう少しうまく行っていたら・・・、ヴィッテルなんか行かないでマレーシアとか、タイランドあたりで地獄の特訓をやっていたなら・・・と素人サッカー評論家は考えるのです。残念ながら引き分けに終わったベルギーには、勝っていたかも知れません。そうすれば、対日本戦はもっと大きなモチベーションでぶつかって来たことでしょう。

汗の蒸発を許さないわが国の強烈な湿気は、このように日本の八咫烏チームの強い味方となる筈でした。いや、事実予選リーグを突破できたのは、そのおかげが大きかったことでしょう。しかし、惜敗した仙台での試合では、逆に無情の雨が日本イレブンの(元々あまり正確でない)パスの方向を大いに狂わせました。身体的能力や、個々人のボール支配力が劣る日本代表は、素早いパス回しのチームプレーが身上でしたが、これがうまく行かず、決定力を欠きました。

そう、実にこの決定力こそ、わが国サッカーが待ち望んでいたものでした。対戦したトルコにも、チュニジアにも、極めて危険な選手が何人もいました。中東サッカーの遺産といっても良いでしょう。あのような雨の日には、いくら敵が取り巻いてきても、これを堂々と突破してシュートできる個性的な選手が欲しいと思ったことでした。育ってきた稲本や、初出場したアレックスが早めに交代させられたのはその意味でとても残念でした。

サウジアラビアチームのパフォーマンスは、予想通りだったとは言え、失望しました。国技としての人気スポーツだけに、サウジアラビアが現在置かれている国際的逆境を映しているようでした。4年後のドイツ大会に行くにはアジアの切符が必要です。その時にわがイレブンの前に堂々と立ちはだかる強いチームの再建を願いたいと思いました。今後もサッカーから目が離せません。

==============================================================2.新刊紹介『世界遺産 イスタンブール歴史の旅』==============================================================トルコ研究家・通訳者としてご活躍中の野中恵子さん執筆によるイスタンブールの歴史をひもとく旅案内。ローマ、ビザンチン、オスマンという3つの大帝国の首都として栄華を極めたイスタンブール。トプカプ宮殿、アヤ・ソフィア、ブルー・モスクなど往時の壮麗さをいまに伝える歴史建造物を訪ね歩く。大村次郷氏によるカラー写真が鮮やか。

最近お会いした筆者は、「生まれ変わるくらいの気持をこめて書いた」とおっしゃる。これまでにない新しい切り口でこの人を魅きつけて止まない世界遺産都市の歴史が語られているそうです。ぜひご一読を。

『世界遺産 イスタンブール歴史の旅』文:野中恵子 写真:大村次郷 小学館 定価:1600円+税 6月17日発行

************************************************************●現地発! エジプト観光情報誌『ルクソール・マガジン』ホームページhttp://www.cyclejp.com/luxor/ 又は神田神保町・アジア文庫にて発売中************************************************************

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3.モロッコ料理レストラン『アルガナ』開店==============================================================
東京・神楽坂のモロッコ料理店『アガディール』が赤坂に姉妹店『アルガナ』をオープンしたそうです。ハリーラ、タジン、クスクスといったモロッコの本格料理が味わえます。ランチメニューも用意しているのでオフィスが近くの方は昼食に足を運んでみては。ミントティーで一息つけば午後の気分もリフレッシュ?

ちなみに店名のアルガナとはモロッコの南部にしか自生しない貴重な木の名前です。マアルマート協議会では、4月にモロッコを旅しましたが、山羊が木に生っている(木にたくさんの山羊が上っている)不思議な絵葉書を見つけ、この木はどこで見ることができるのかと聞いたところ、アガディールの方まで行けば、途中の乾燥地帯に沢山生えている、とのことでした。

オリーブと同じく、大変栄養価の高い食用・薬用オイルが取れるそうで、この油の方はカサブランカでも売っていました。「若返る!」などの効能については、今、マアルマート協議会会員が人体実験をされていると思いますので、そのうちわかるでしょう。

モロッコ料理レストラン『アルガナ』港区赤坂2-14-8 SKビルB1階 日曜日定休 Tel:3505-8895

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4.アラブ短編映画選・上映のお知らせ==============================================================
第24回ぴあフィルムフェスティバルでは「アラブ短編映画選」部門にてアラブ各国の監督による短編映画上映会が行われるとのご連絡を頂きました。すべて「無言劇」という条件のもと、作品の持つ暗喩や役者の情感・表現力が際立った9つの秀作が集められたとのこと。現代アラブ社会の一面を垣間見る良い機会になるかもしれません。

《記》第24回ぴあフィルムフェスティバル www.pia.co.jp/pff/「アラブ短編映画選」 http://www.pia.co.jp/pff/24thpff/arab/index.html

日時:「アラブ短編映画vol.1」6月28日(金)16:40~17:50「アラブ短編映画vol.2」7月1日(月)16:40~17:50

会場:東京国際フォーラム(JR有楽町駅・徒歩1分)

チケット:当日券のみ(1,000円)。会場にてお買い求めください。

上映作品について:詳細は上記公式ウェブサイトをご参照下さい。

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<編集後記>
FIFAワールドカップのサウジアラビア・カメルーン戦、埼玉スタジアムへ観戦してきました。中津江村キャンプ騒動やエンボマ人気からかカメルーン・サポーターの方が多い気がしました。『ヤッラ!サウディ!』の掛け声もむなしく0対1で負け。しかし、いい試合でした。(ハッサン)

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