アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
4日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■米議会の共和党議員ら、米の核合意復帰を妨害するための戦略を模索。イランは「ウィーンでの協議は制裁解除の了承から対象となる人物・組織をめぐる討論に移行した」と発表
■ルネッサンスダム問題でエチオピアが安保理に苦情を申し立てた後、米代表団が地域の緊張を協議するためハルツーム入り。スーダン外相は、「ダムの2度目の貯水は国民の生命を脅かす国家安全保障上の問題」と表明
■トルコのハイレベル代表団、リビアのトリポリを訪問。トルコ外相は自国のリビア駐留軍が傭兵扱いされることを拒否。リビア外相は、傭兵撤収と停戦へのトルコの協力を確認
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―日本の「家紋」には千年以上の歴史があり、「侍の時代」には、敵味方を区別する手段として利用されていた。現代では家族の歴史・ルーツを保つという文化的な意義を帯び、工房や飲食店、商店等で未だに使われている。家紋のモチーフには、幾何学模様や繁殖力の強い植物等がよく用いられる。皇室を表す紋章は菊花紋だ。
○ イラン・イラク・シリア情勢
―米ニュースサイト「ポリティコ」によると、バイデン米政権は、イランとの核合意への復帰に関して、議会からの妨害に直面している。共和党議員らと一部の民主党議員が対イラン制裁に反対しているため。共和党議員らは、米の核合意復帰を困難にするための戦略をめぐって協議している由。
―イラン外務省のハティーブザーデ報道官は、「ウィーンでの核合意をめぐる協議における了解事項は、制裁解除の了承に基づいている。現在の懸案事項は、米の制裁リストに名前が載せられている一部の人物や組織に焦点を当てたものとなっている」と述べた。
―イラク外務省は声明を発し、「アカル・トルコ国防相が事前の調整や承認なしにイラク領に入り、違法に駐留しているトルコ軍を訪問した上、イラク北部に常設の軍事基地を建設する意向を示したことに対し、イラク政府は駐バグダッド・トルコ臨時代理大使に抗議文書を手渡して非難を表し、不快感を示した」と発表した。
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―特になし
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―特になし
○ 国際テロ・過激主義情勢
―ブリンケン米国務長官は、ロンドンでのG7外相会合を前にラーブ英外相と共同記者会見を開き、「米は慎重で計画的で安全なアフガン駐留米軍の削減実行に注力している」「米軍撤収は、アフガニスタンとの繋がりを解消することを意味しない。米は同国政府とタリバン、その他の関係者らの和平交渉や政治的解決を動かすため、外交レベルでの活動を続ける」と述べた。
―アフガニスタンのガニ大統領とアブドラ国家和解高等評議会議長は、カブールでハリルザード米アフガン特使と会合し、アフガンをめぐる協議の最新の展開を協議した。ガニ大統領は、「米がアフガン駐留部隊の撤収を発表し、両国関係の新たな章が始まることを鑑み、和平プロセスは現地での実情に沿う必要がある」と強調。アブドラ議長は、「米特使との会談では、和平プロセスと政治・軍事上の最新情勢が議題となった。特使は米とその同盟諸国のアフガニスタンの平和への歩みに対する支援の継続を約束した」と述べた。また、アフガン代表団は、恒久平和実現のための機会を捉える重要性を指摘し、イスタンブールで開催予定のアフガン和平会議に出席する用意があるとした。
―アフガン政府報道官によると、西部ヘラート州で政府の複数のセンターに対する自爆攻撃が2件発生し、衝突でタリバンの30人と政府軍の3人が死亡した。また、治安筋によると、同じく西部のファラー州では、タリバンの攻撃により政府軍の28人が死亡した。
―カービー米国防総省報道官は、「アフガニスタンで週末に見られた攻撃は、米軍に大きな影響を及ぼしていない」と述べた。
○ マグレブ情勢
―トルコのチャブシオール外相率いるハイレベル代表団がリビアのトリポリを訪問して一連の会合を開き、ドベイバ首相率いる挙国一致内閣、メンフィ大統領評議会議長と会談した。アカル国防相とフィダン国家情報機構(MIT)長官らも外相に同行。同国防相はギュレル参謀総長を伴ってトリポリの(トルコ軍)司令部を訪れ、ハッダード・リビア参謀総長と会談した。チャブシオール外相はリビアのマングーシュ外相との共同記者会見で、「トルコ軍の正当なリビア駐留を傭兵集団の存在と同列に並べようとする向きがあるが、トルコとリビアは両国間の軍事・治安協定の履行で合意している」と表明した。リビア外相は、リビアでの停戦におけるトルコの役割に言及し、同国の助力の重要性を強調した。外交筋によると、トルコ外相は、トリポリを公式訪問していたクビシュ国連リビア特使とも会談した。
○ トルコ情勢
―与党「公正発展党」(AKP)のチェリク報道官は、「オナル外務次官率いる代表団がカイロを訪問した。東地中海・天然ガス等の共通の課題を協議するためのメカニズムを発展させることが目的。今回のエジプト訪問とリビアは無関係だ」と発表した。
―ムシュ商業相は、アンカラで開かれた輸出関係者の会合で、「トルコは、エジプトとの外交関係改善と並行して、貿易・経済関係の向上も望んでいる」と述べた。
<その他の重要ニュース要旨>
―米上院外交委員会メンバーのクリス・クーンズ議員とクリス・バンホーレン議員が率いる代表団がスーダンを訪問。同国のユーセフ内閣担当相と会合し、両国関係及びルネッサンスダムをめぐるスーダンとエチオピアの情勢激化を協議した。
―マフディー・スーダン外相は、アフリカ諸国歴訪を続ける中で、「スーダンは、ルネッサンスダムの2度目の貯水を国民の生命を脅かす国家安全保障上の問題として対応している」と述べた。同外相は現AU議長国であるコンゴ民主共和国の首都キンシャサを訪れ、チセケディ大統領と会談して「ルネッサンスダムの貯水と稼働に関して、6月以前に法的拘束力のある合意に達する必要性がある」と表明した。エチオピアはこれに先立ち、同ダムをめぐる交渉に関して安保理に書簡を送付し、その中でエジプトとスーダンを非難していた。
エリコの目
―「アッバス体制の終焉が近づいている。パレスチナ人の抵抗運動は過激化するだろう」とイスラエル紙(イディオット・アハロノウト)が論評した。同紙論説委員によれば、2日ナブルスで発生した入植者に対する発砲事件(3人負傷)は、新時代、すなわちアッバス体制崩壊の秒読みが始まったことを意味している。アッバス議長はパレスチナ総選挙の延期を発表したが、この瞬間から、政権崩壊の秒読みが始まっている」由。(アラビー21)
中東の新型コロナ動向
―サウジアラビア・メディナの警察当局は、新型コロナの感染防止措置に違反した27人を逮捕したと発表した。被疑者は新型コロナ・ウイルスに感染している。違反者は、法律により、罰金20万リヤル(約600万円)以下、または2年以下の禁固、またはその両方を科される可能性がある。(アルホッラ)
―サウジアラビアの2日の新規感染者数は937人、死者は11人だった。同国では昨年7月17日一日当たり感染者数4,919人を記録して以降、感染状況は相当に改善したものの、今年1月末より徐々に感染者数、死者数は増加傾向にある。
<特記事項・気付きの点>
―特になし