アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
19日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■ チュニジアで大統領による特別措置を拒否するデモが行われ、憲法の復活を求める。労働総同盟は「新内閣の組閣を急ぐよう」改めて要求
■ アフガニスタンのナンガルハル州とカブールで爆発により死傷者。NATOの会議で、アフガニスタンでのテロの危険への警告
■ 仏外相、「潜水艦開発をめぐる問題はNATOの将来に影響する」とし、「同盟諸国に対する立場を再評価する」と述べる
■ 米ハリバートン社が「イスラエルと地中海での石油・ガス掘削の契約を結んだ」と発表した後、レバノンは、この契約が係争地域を含んでいないという確認を米に求める
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―シリアの地元消息筋によると、露軍警察部隊がシリア政権の治安委員会を伴って南部ダラア西郊のタファスに入った。2日前にダラアの諸部族と政権側との間で結ばれた合意を実施したもの。
―露軍がシリア北部イドリブ西郊キンダの住宅地を空爆し、民間人1人が死亡、数人が負傷した。また露軍は、イドリブ南郊ジャバル・ザーウィヤのバーッラ、マシューン両村の周辺各地を空爆した。
―レバノン当局は、イスラエルが米ハリバートン社との間で地中海のイスラエル沖での石油・ガス掘削(探査)の契約を結んだことを受け、「同契約がレバノンとイスラエルの間の係争地域を含んでいないことを確認するよう」国連安保理に要請した。ミーカーティ首相は、「レバノンの海上権について、容赦したり妥協することはない」と述べ、国連に「イスラエルを抑止し、同国にレバノンの諸権利に対する度重なる侵害を止めさせる役割を果たすよう」求めた。レバノン外相は、在レバノン米大使館の幹部らと同契約について協議した。ベッリー議会議長は、同契約を「(米の仲介で昨年10月に始まった)両国間の海上国境画定に向けた間接技術交渉の基盤となっている枠組み合意に違反するものだ」と批判した。
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―イエメンのアデンのクレーター地区やマンスーラ地区で、公共サービスの悪化と通貨の崩壊に抗議するデモが7日連続で行われ、参加者らは、反「南部移行評議会」(UAEが支援)と反イエメン(正統)政府のシュプレヒコールを繰り返した。タイズでもデモが行われ、政府に「経済の悪化を止めるために、一連の実際的な措置を講じるよう」求めた。
―イエメンのホウシー派傘下の「検察」は、2018年4月にホデイダで空爆により同派のサーレハ・サンマード最高政治評議会議長が死亡した事件に関与した罪で死刑判決を受けていた9人の刑をサヌアのタハリール広場で執行した。イエメンの人権諸団体は、共同声明で「被告らは勾留場所も明らかにされず、ホウシー派による裁判では明らかな違反行為が行われ、弁護をすることもできなかった」と指摘し、同派による死刑の執行を止めるよう呼びかけた。
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―特になし
○ 国際テロ・過激主義情勢
―アフガニスタンの治安関係筋によると、ナンガルハル州ジャララバードで警察車列と病院を狙った5件の爆発があり、3人が死亡、警官を含む数人が負傷した。カブール西部の「第12保安区域」として知られるダシュテ・バルチでは、車の下に仕掛けられた爆弾が爆発し、2人が負傷した。
カブール特派員のレポート:ダシュテ・バルチはシーア派のハザラ人住民が多数を占める地域で、カブールの中でも最も不安定な地域の1つだ。過去数年間、ISによる爆破攻撃の標的となっていた。タリバンは「今回の攻撃は、政権を握ったタリバンの評判を傷つけるために前ガニ政権の情報機関が首謀したものだ」と非難している。
―アフガニスタンの病院に必要な医療支援物資31トンを積んだカタール航空機がカブール空港に到着した。またパキスタン国際航空は、カブール行きの商用旅客便を運航した。この1週間で2度目の運航。アフガニスタンの航空各社は、カブール空港と主要3都市(カンダハル、ヘラート、マザリシャリフ)との間の国内線の運航を続けた。
―アフガニスタン全土の中学校と高校で、約1か月ぶりに授業が再開された。教育省の決定を受けて、出席は男子生徒に限られた。同省筋は、「近く女子生徒が学校に戻れるよう準備が行われている」としている。(既に授業が再開されている小学校では、女子児童も出席している。)
―パナギオトプロス・ギリシャ国防相は、アテネで開かれたNATO(軍事委員会)の会合で「アフガニスタンにはまだテロの危険が存在している」「今後予想されるアフガニスタンから欧州への移民の大量流入などの大きな課題がある」と述べた。
―カーン・パキスタン首相は、ツイッターで「ドゥシャンベでのアフガニスタン近隣諸国首脳との会合後、アフガニスタンでのタジク人、ハザラ人、ウズベク人を含む包括的政府の樹立を目的としたタリバンとの対話を開始した」と明らかにした。
○ マグレブ情勢
―チュニジアの首都チュニスで、今年7月にサイード大統領が発表した特別措置を拒否するデモが行われ、参加者らは「憲法を復活させ、同措置によって停止された議会を始めとする憲法に定められた(国家)機関を再開するよう」呼びかけ、「革命の成果、特に自由を維持するよう」求めるスローガンを掲げた。一方、チュニジア労働総同盟は「新内閣の組閣を急ぐよう」改めて求めた。
―マルズーキー元チュニジア大統領は、アルジャジーラのニュース内でのインタビューで「チュニジアが危機から脱するには、サイード大統領が国民の要望に従うか、辞任するか解任されるか、という方法しかない」と述べた。
○ トルコ情勢
―特になし
<その他の重要ニュース要旨>
―国連安保理は、ソマリアの全勢力に「対話により対立を解消し、自制して国内の平和と安全と安定を維持するよう」促した。安保理は声明で、ソマリアの政府内で対立が続いていることと、それが選挙活動やそのスケジュールに与える悪影響に深い懸念を示し、「合意されたスケジュールで信頼性のある包括的で透明な選挙を実施することを優先するよう」呼びかけた。また、連邦政府と各連邦州に対し「政治的対立によってアルシャバブや他の武装諸勢力に対する統一行動の継続が妨げられることはない」との保証を求めた。一方、EUは、ソマリアの大統領と首相に「現在の国内政治危機を終結させるよう」呼びかけ、「今年5月27日に合意したスケジュールに従って選挙活動を平和的に進める必要がある」と訴えた。
エリコの目
―アラビア語衛星チャンネルの「アルアラビー」(注:カタール系の総合TV。サウジアラビアの「アルアラビーヤ」とは別)は、本部を現在のロンドンからカタールのルセイルに移転すると発表した。移転の意向については年初に同社職員に対して内報があり、数週間前より、会社と共に移住、国内拠点に残留、退職等の希望調査が始まった。退職者に対しては、英国国内法の定める基準の2倍の補償が支払われる。(アルアラビー・アルジャディード)
<特記事項・気付きの点>
―特になし