アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
21日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■ アフガニスタン暫定政府、東部で新たに爆発が発生したことを受け、ナンガルハル・クナル両州の知事を解任し、「数十人を拘束した」と発表
■ 欧州委員会委員長、「仏は受け入れられない扱いを受けた」と述べる。米は仏とのパートナーシップを強調
■ リビア国家最高評議会議長、「現時点での大統領選挙の実施は安定をもたらさない」として、大統領選挙の延期を提案。代表議会は国民統一政府を調査する委員会の設置を決定
■ チュニジア大統領はシディブジッドで演説し、「新選挙法を発布する」「例外的措置を維持したまま、新首相を任命する」と述べる
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―グロッシIAEA事務局長はウィーンでエスラミ・イラン原子力庁長官と会談した。これは、イランとの対立解消と協力強化のために、同事務局長が2週間前からイラン当局と行ってきた協議の一環で、同事務局長はIAEA年次総会の始まりに、「外交的取り組みの円滑化と、イラン核開発計画に関して満足のいく結果に達するよう取り組む」と述べた。
―レバノン議会は、新内閣を賛成85票(総数117票)で信任した。賛成したのは、自由国民潮流、開発解放ブロック、ヒズボラ、ムスタクバル潮流などで、レバノン軍団や無所属議員等が反対した。新内閣閣僚の声明では、国際通貨基金(IMF)との交渉再開、銀行分野の改革計画の策定、預金者の権利の保障、来年5月に予定されている議会選挙の期日通りの実施などが公約とされている。
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―特になし
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―特になし
○ 国際テロ・過激主義情勢
―アフガニスタン東部ナンガルハル州の州都ジャララバードの中心部で爆発物による爆発が2度あり、死傷者が出た。同州とクナル州の両知事は、東部での治安悪化を受けて解任された。また、暫定政府のムジャーヒド情報相代理は、「この爆発を背景に、多くの人々を拘束した」と述べた。治安情報筋によると、ジャララバードで40人以上が拘束された。暫定政府は、「ジャララバードにおける爆発の責任はイスラム国(IS)にある」とした。
―グテーレス国連事務総長は、「アフガニスタンへの国連の介入によって、包括的政府が樹立され、人権尊重が保障されると思うことは幻想だ」「米やその他の国々が何兆ドルと費やしたが、アフガニスタンの諸問題を解決することはできていない」「国連の限られた能力と影響力にもかかわらず、アフガン国民への支援提供において主要な役割を果たしている」「タリバン指導部内の様々なグループの内部で権力をめぐる争いがあり、それが、国際社会がタリバンと関わりを持つべき、もう一つの理由だ」と述べた。
―テドロスWHO事務局長はカタールの軍用機でカブール国際空港に到着し、カブールの大統領宮殿でアフガニスタン暫定政府のアフンド首相代行とムッタキ外相代行と会談。同事務局長は、アフガニスタンにおける保健・人道状況の悪化を警告していた。この訪問に先立ち、大半の国連諸機関が同国で活動を再開している。
―米国務省は、「米は、アフガニスタンに関する閣僚級会合に参加する予定であり、国連やNPOによる支援提供の継続を保障し、人権・女性や少数派の権利の尊重を保障する取り組みにコミットする」「タリバンが、アフガニスタンがテロの拠点として利用されないよう保障する義務を履行するか、アフガニスタンからの出国を望む者にそれを許可するか、女性・子供・少数派の権利を尊重するかどうかを確認してゆく」「アフガニスタンから生じる可能性のあるあらゆる脅威を監視することに、留意する必要がある」と表明した。
○ マグレブ情勢
―リビアのミシュリー国家最高評議会議長はトリポリで会見を開き、「現時点で大統領選挙を実施することは、安定をもたらさない可能性がある」として、「憲法案をめぐる国民投票の実施後に、大統領選挙を行うよう」提案。同議長は「国家が不安定な状況に陥る真の脅威がある」としてこの提案を正当化し、「国民による大統領の選出に反対してはいないが、何らかの形で独裁が復活し、新たな独裁者が生まれる恐れがある」と述べた。一方、代表議会のアブドッラ・ブリヘク報道官は、「代表議会は、様々な問題における諸合意や諸決定に関して国民統一政府を調査する委員会を設置することで合意した」と述べた。(政府に対する信任の撤回を求める議員45人の要請に基づき、政府の業績について議論した後に委員会の設置を決定した。)
―サイード・チュニジア大統領は「革命」発端の地であるシディブジッドで演説し、「チュニスで18日に実施された(憲法の回復・議会や国家諸機関の再開を求めた)抗議活動は茶番だ」「国内で混乱や暴動を引き起こそうとしている者がいる」「チュニジアは、捏造された多くの危機に直面している」「暫定的な体制はすでに敷かれた」「首相が任命され、新選挙法が発布される予定だ」と述べた。
○ トルコ情勢
―特になし
<その他の重要ニュース要旨>
―21日夜、EU加盟諸国の外相による通常会合が開かれ、豪が仏との原子力潜水艦に関する契約(400億ドル規模)を破棄した件について協議する予定。一方、米国防総省は「仏は米にとって同盟国であり、最も古いパートナーだ。仏は国連常任理事国5か国による会合に参加する予定だ」「会合を開き、コロナや世界の安全等に関する諸問題における連携や協働の必要性について、仏と協議する」と表明した。
―フォンデアライエン欧州委員会委員長は、国連総会への出席に際した(米CNN)テレビのインタビューの中で、「EU加盟国の1つ(仏)が受け入れられない扱いを受けた。事態を明らかにする必要がある」と述べた。
―サキ・ホワイトハウス報道官は、「米政府は、数日以内にバイデン大統領とマクロン仏大統領が電話協議するために、日程の調整に取り組んでいる」「バイデン大統領はその電話協議の中で、インド・太平洋地域やその他の諸問題における我々の協働について言及する」「米は、豪との潜水艦に関する契約を破棄するつもりはない」と述べた。
エリコの目
―UAEの著名な政治学者でツイッター等で活発に活動しているアブドルハーレク・アブダッラ氏の19日のツイートが、UAEがアラブ各国の内政に介入して、「反革命」体制を支援したことを自ら認める内容である、と物議を醸している。「つまり、あんた方がアラブの全てのクーデターの黒幕だったということか」「アラブ世界の反革命勢力を保護したことの公式かつ明白な宣言だ」などのコメントでにぎわっている。(アルクドゥス・アルアラビー紙)
(ツイートのリンク)
(弊社訳)
困難な対決の10年の後、UAEは同胞団の不条理との戦いに勝利し、アラブ世界全体にそれが広がることを止めることに成功した。テロと混沌をもたらす勢力と対決し、安定と穏健の枢軸を強化することに貢献した。今、UAEは国民的、民族的、世界的な役割を果たすべく、次の10年で新たな高みに挑戦する。
<特記事項・気付きの点>
―特になし