2021年9月25日 (No.21178)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

25日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ チュニジア労働総同盟、大統領に対し「権力を独占する危険性」を警告。米は同大統領の諸措置に懸念を示し、包括的改革に向けた期限の設置を呼びかける。大統領支持者らは当局間の不均衡の解消を求める

■ 米、スーダンに特使を派遣し、スーダン軍部に対し同国における政治的パートナーシップの弱体化を警告。統治評議会議員は軍部との新たな交渉の実施を呼びかける

■ リビア・トリポリで挙国一致内閣に対する不信任案を可決した代表議会の打倒を掲げる抗議デモ。ドベイバ首相は「後退しない」と述べ、議会議長は「政府の任務に制限はない」と確認

■ 米がインド太平洋地域における新たな防衛協定を発表してから1週間、米印豪日「クアッド」首脳会議

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―特になし

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―カタールのムハンマド副首相兼外相は外交問題評議会(ニューヨーク)における講演で、「湾岸危機における勝者は存在しない。唯一の勝利は、危機の解決のみだ」「GCCは地域における『安全地帯』であり、協力を通じて安定を強化すべきだ」「我々だけではなく、ほかのGCCメンバー国が(危機を経験して)様々な教訓を得た。主たる教訓は、対話を行う前に行動に移さぬこと、だ。これは重要なことであり、我々は諸課題を対話や平和的手段を通じて解決すべきだ」と述べた。

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―特になし

○ 国際テロ・過激主義情勢

―特になし

○ マグレブ情勢

―サイード・チュニジア大統領が議会の停止と全議員の免責特権剥奪による例外的措置の延長を決定したことを受け、チュニジア労働総同盟(UGTT)は声明で「憲法及び選挙法の改正を独占することは民主主義に対する脅威だ」「対話以外に危機の解決策はない」と述べ、例外的措置の継続を拒否し、「憲法関連諸機関の欠如の中で大統領が権力を独占する危険性」を警告した。またUGTT事務局長は、サイード大統領による諸措置を断固拒否する姿勢を改めて強調し、「憲法に対するクーデターであり、独裁政権の誕生だ」と非難した。

―ガンヌーシ・チュニジア議会議長(『ナハダ運動』党首)は、「サイード大統領による諸措置の決定は独裁への後戻りだ」「平和的闘争は、民主主義及び憲法を取り戻すためにチュニジア国民に残された唯一の選択肢だ」と述べた。

―サイード大統領のチームは、「現在チュニジアは例外的な段階を通過している」「権力分立における不均衡の解消に向け、憲法が改正される」と述べた。こうした中、米国務省は24日にサイード大統領による諸措置の継続に懸念を示し、「米は、市民社会と各政党の参加する包括的改革の実現に向けた明確な期限を設置するようチュニジア国民に改めて呼びかける」と述べた。

―リビア首都トリポリのシュハダー(殉教者)広場に数百人が集まり、挙国一致内閣に対する不信任案を可決した代表議会の打倒を訴えた。ドベイバ挙国一致内閣首相も参加した抗議デモでは、同内閣の任務継続が呼びかけられた。トルコ国営アナトリア通信によると、ミスラータでも同様のデモが起き、大統領選挙と議会選挙を予定通り実施する重要性が訴えられた。
これに先立ち、トブルクで開かれている代表議会が挙国一致内閣に対する不信任決議案を113中賛成89票で可決したことを受け、ドベイバ首相は21日に「シュハダー広場に集まるよう」国民に呼びかけた。

―トブルクのサーレハ代表議会議長は24日に地元メディアに対し、「クビシュ国連リビア特使に対し、挙国一致内閣は任務を続行するため、リビアで政治的空白は生じないことを伝えた」「挙国一致内閣の任務は制限されておらず、選挙の実施まで任務を続行することが可能だ」「議会が内閣の信任を取り消したのは、国外で長期協定を締結することを阻止するためだ」「リビアの危機は大統領選挙と議会選挙の実施によって解決される。国民もそう望んでいる」と述べた。

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―米大統領府は24日、「米のスーダン政府への支援を確認すべく、『アフリカの角(アフリカ北東部)』担当のジェフリー・フェルトマン特使が来週スーダンを訪問する」と述べ、スーダン軍部に対し「憲法文書が損なわれ、民主主義に対するクーデターが起きること」を警告した。

―サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)はハムドゥーク・スーダン首相と24日に電話会談を行い、「バイデン政権は、スーダンの文民が民主主義に向けて率いている移行プロセスを支援する」と確認し、「憲法宣言の基準を損なう軍側によるいかなる試みも、双方間の関係に重大な影響を及ぼす」と述べた。
また米大統領府は、「サリバン補佐官とハムドゥーク首相は、民間の指導の下で経済・治安の安定実現に向けて移行政府が前進する重要性について協議した」「バイデン大統領はハムドゥーク首相を近く招待して会談することを望んでいる」と発表した。

―スーダン統治評議会のスレイマン議員は24日に国営テレビのインタビューで、「移行政府に参加する軍部は政治状況の掌握を試みている」「軍側は『政治方程式』の変更を試みており、これはパートナーシッププロセスに違反する」と非難し、「『軍は国家の後見である』としたブルハーン統治評議会議長の発言を拒否する。同議長は政治プロセスの後見人ではない」「統治評議会内で軍と文民の不一致が存在する。スーダンの政治情勢は非難の応酬や義務の回避ではなく、勇気ある議論を必要としている」と述べた。

―米英豪による新たな防衛協定「AUKUS(オーカス)」の発表から一週間後に、バイデン米大統領は24日、豪、印、日との4カ国(クアッド)首脳会議をホワイトハウスで開いた。首脳会議でバイデン大統領は、「この会議では、将来へのビジョンを共有し、新型コロナウイルスや気候変動、先端技術等の重要課題の解決に取り組む民主主義の4か国の首脳が集った」「自由で開かれたインド太平洋の維持に向けて取り組む」「新型コロナウイルスワクチン10億回分を国際社会に提供することを目指している」と述べた。

エリコの目

―ネオコンで、イラク戦争開戦時にパウエル国務長官の副官として勤務したこともあるローレンス・ウィルカーソン退役将軍は、「イスラエルは今後20年のうちに消滅するだろう。人種差別国家として自らを非合法化しているからだ」と述べた。インターネットサイト「Mondoweiss」が報じたこの発言、他の米メディアは完全に黙殺している。「ウ」将軍は「米国はイスラエルに対してトップクラスの戦略的責任があるが、米国をハルマゲドンに導く可能性が最も高い国」「ネオコンの中東政策は、東地中海地域に火をつけてイスラエルの敵を忙殺し、イスラエルに迷惑をかけさせないようにすること」「米国がイスラエルの側につき、世界の半分と対立しているのはよくない」等と述べている。(アッシャルクルアウサト紙)

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出典の英語記事は

Israel will be ‘gone’ in 20 years– says Wilkerson, former State Dept aide
Israel is a “strategic liability of the first order” for the United States and is “the most likely state in the world to take the United States to Armageddon,” says Lawrence Wilkerson, former chief of staff to Sec’y of State Colin Powell.

<特記事項・気付きの点>

―特になし

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