2021年10月28日 (No.21211)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

28日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ AU、軍事クーデターが起きたスーダンの参加資格を停止。独仏は軍司令官による措置を拒否、EUは民政移管への支持を確認

■ イラン、「核合意をめぐる交渉を11月末までに再開することでEUと合意した」と発表。米は「ウィーンでの協議に戻る用意がある」と述べ、「チャンスは永遠にあるわけではない」と警告

■ サウジアラビア、クウェート、UAE、バーレーンがレバノン大使を召喚し、「イエメンでサウジ・UAE同盟軍の展開する作戦を非難した」とするレバノン情報相の発言に抗議

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―イランは27日、「核合意をめぐる交渉を11月末までに再開する」と発表した。ラヒヤーン・イラン外相は記者会見で、「イランは、ウィーンでの協議のこれまでのラウンドで達した『閉塞地点』から交渉を再開するつもりはない」「イランは核合意をめぐる協議を近く再開する覚悟でいると同時に、これまでの協議の枠組みを維持する」と述べた。こうした中、米側は「ウィーンでの協議に戻る用意がある」と述べたものの、「チャンスは永遠にあるわけではない」と(イラン側に)警告した。

―上記に先立ち、バゲリ・イラン外務次官はツイッターで、「EUの交渉代表である欧州対外活動庁(EEAS)のモラ事務局次長とブリュッセルで会談し、交渉を11月末までに再開することで合意した」「具体的な日程は来週中に発表される」「交渉の議題を含むEU側との協議は真剣かつ建設的なものだった」と述べた。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―クルダーヒー・レバノン情報相がアルジャジーラのオンライン番組で25日に、「イエメンでの戦争は不条理であり、停止すべきだ」「ホウシー派が行っているのは自衛だ」と発言したことを受け、サウジアラビア、バーレーン、UAEはそれぞれの国に駐在するレバノン大使を召喚し、抗議文を渡した。

―上記についてレバノン情報相は、「議論を巻き起こしている発言が出たインタビューは、(自身が情報相に任命される)数週間前の8月5日に収録されたものだ。インタビューで言及したシリア、パレスチナ、湾岸地域の各情勢に対する意見は個人的なものであり、政府のものではない」と述べ、「私はアラブの国同士の戦争に反対であり、イエメン情勢に関する発言は友好関係に基づくものだ。サウジと敵対しているとの批判を拒否する」と強調。

○ エジプト情勢

―特になし

○ 中東和平(占領地情勢)

―特になし

○ 国際テロ・過激主義情勢

―アフガニスタン近隣6か国と露による外相会合が27日朝にイラン首都テヘランで開催され、アフガニスタンで包括的政権を樹立する重要性や、周辺地域に重大な結果をもたらす内戦の回避に向けた協力の継続で合意した。同会合にタリバンは出席せず。

○ マグレブ情勢

―特になし

○ トルコ情勢

―特になし

<その他の重要ニュース要旨>

―スーダン情勢:

・アフリカ連合(AU)の平和・安全保障理事会は27日、スーダンの参加資格の停止を発表した。AUの規約は、クーデターが起きた参加国の資格停止と、AUのすべての活動からの排除を規定している。
こうした中、世界銀行は27日、「スーダンでの事業に対する融資を停止した」と発表。

・「アフリカの角」地域担当の国連特使はAUの会合で、「憲法宣言とジュバ和平合意に基づき、スーダンで憲法秩序を早急に取り戻すことが重要だ」「スーダンで起きていることは違憲な政権交代だ」と述べた。

・国連スーダン統合移行支援団(UNITAMS)のペルテス代表は、「憲法宣言とジュバ和平合意に基づく、軍人と文民の協力を取り戻すための包括かつ緊急の対話の開始」をブルハーン軍司令官に提案した。
また同支援団はツイッターで、「米、英、仏、独、ノルウェー、EUの大使がハムドゥーク首相と自宅で会談した」「首相の健康状態は良好だ。同氏の完全な自由を呼びかけ続ける」と述べた。

・ボレルEU外交問題上級代表は、「ハムドゥーク首相と電話会談を行い、文民主導の民主的な政権移行へのEUの支持を確認した」と述べた。

・国営テレビは27日夜、「ブルハーン司令官は、暫定統治評議会(TSC)と内閣の解散、非常事態の宣言の決定に対する拒否を表明したスーダンの駐米、仏、カタール、中国大使と、EU、(ジュネーブの)国際諸機関の代表の計6人を解任した」と伝えた。これに先立ち、外交筋はロイター通信に対し、「米、UAE、中国、仏を含む12か国に駐在するスーダン大使は、軍事クーデターを拒否するとの共同声明に署名した」と述べた。

・ロイター通信がハムドゥーク首相に近い筋の話として伝えたところによると、軍部隊の拘束から解放されて26日に自宅に戻った首相は、「革命の目的と民政移管を順守する」と確認し、「民主的な歩みのいかなる逆行も、スーダンの安定、安全、発展に対する脅威となる」と述べたほか、デモ隊に対する武力行使を警告した。

・首都ハルツームなどの各地で抗議デモが続く中、スーダン医師中央委員会はFacebookで、「クーデター派の軍事評議会の発砲により、25日以降にデモ参加者の4人が死亡した」と発表。

・ブルハーン司令官によって解散が発表された内閣の報道官は、「クーデター派は3日前よりスーダンの革命家(抗議参加者)たちの権利に対する深刻な侵害行為を行っている」「各地を装甲車や武装した兵士で包囲し、平和的抗議の参加者に実弾を発射するなどしている同派の侵害行為は戦争犯罪に相当する」と述べた。

・自由変革勢力の一派「国民憲章」グループ幹部のザカレイヤ氏はアルジャジーラに対し、「ブルハーン司令官による諸決定は大衆の希望に応じたものであり、これをクーデターと表現することは不正確だ」と述べた。

エリコの目

ーイランは、アフガニスタンが経済・人道危機に直面しないよう国連主導で支援国会議を行うことを支持している域内の10カ国のひとつであるが、同国に隣接していることから、タリバン政府に次の3つの要求をしている。①テロリストが越境侵入しないよう、国境管理すること、②イスラム国(IS)が国内で成長しないよう取り締まること、③シーア派少数民族の安全を確保すること。
 カブール陥落後の混乱で、既に避難民の流入が激しいところ、イランとしてはこれ以上の混乱は困る。また、密輸業者はアフガニスタン製の阿片をイラン経由で欧州に流している。この取り締まりへの協力も求めている。ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。(アラビー21)

NYT: ثلاثة مطالب أساسية تضعها إيران أمام حكومة طالبان - عربي21
قالت صحيفة "نيويورك تايمز" الأمريكية في تقرير لها إن إيران وضعت 3 مطالب أساسية أمام حكومة طالبان بأفغانستان، نقلا عن دبلوماسيين ومسؤولين وخبراء إيرانيين.

<特記事項・気付きの点>

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