2021年4月3日 (No.21003)

アルジャジーラ・モニタリング

<ニュース・ヘッドライン>

3日0600JST「ミッドナイト・ニュース」

■ 米議会の車止めに乗用車が突っ込み、警官と、車を運転していた男が死亡。議会は一時閉鎖。警察は、テロではないとの見方を示す

■ イラン核合意の署名国、6日にウィーンで会合へ。米も参加。イランとの直接交渉について米は「その見通しはないが、前向きだ」と声明

■ ルネッサンス・ダム問題で、AU主導のコンゴ首都での協議前夜、エチオピアは「ダム建設は最終段階に向かっている」と声明。スーダンは仲介者の拡大に拘る

■ 露とウクライナ、国境に部隊を集結させる。露、「NATOのウクライナでの展開の影響」を警告。米、ウクライナ領の一体性を支持すると強調

<特定関心項目報道ぶり>

○ 日本関連報道

―特になし

○ イラン・イラク・シリア情勢

―イラン核合意の合同委員会が2日、オンライン会合を開いた。会合後、EUは「会合の参加各国が、米国の核合意への完全復帰に向けて共に努力する意向を示した」「核合意再生に向けて多大な努力がなされている」と発表。6日にウィーンで「米を含む全当事者が核合意の再生について協議する会合」を開くことになった由。米は、核合意を離脱後初めてこの種の会合に参加する。

―6日の会合についてEU高官は、「米とイランは間接的に協議する。米が解除し得る制裁のリストと、イランが果たすべき核合意の義務のリストの作成を目指す」「全当事者が2か月以内の合意成立を望んでいる。いずれかの時点で2つのリストを統合する必要する」「2か月以内の実施は可能だろう」と述べた。

―米ニュース・サイト「アクシオス」は、複数の西側外交官の話として、「2日のオンライン会合で、アラグチ・イラン外務次官は非常に厳格で難しい立場を示した」と報道。それによると次官は「6日のウィーン会合への米の参加の仕方で合意に達していない」として、2日の会合の共同声明発出に反対。また「イラン高官は米側とは同席しない」と述べた由。これに対して仏独英は「米の提案は非常に合理的だ」として、イランに米との直接協議を促したという。また、西側外交官は「米は、6月のイラン大統領選の前に協議を進展させ、ロウハニ大統領やザリーフ外相の立場を強める必要があると感じている」「その一方で欧州諸国は、急ぐ理由はないと考えている」と指摘した。

―サキ米大統領報道官は、「米は、核合意をめぐるウィーンでの6日の協議への参加に同意した。歓迎すべき前向きな一歩だ」としつつ、「核合意に障害が残っているのは承知している」「イランとの直接交渉は行われないが、それを受け入れる用意はある」と述べた。

―プライス米国務省報道官は2日の会合の結果を「ボールを前に動かすことになった、前向きな一歩だ」と評価。6日の会合について「課題を特定する会合。難しい交渉だ。直ちにブレーク・スルーが起きるとは期待していない」と述べた。マレー米イラン特使は、「これは第一歩。我々は困難な議論を前にしているが、正しい道だ」とツイート。

―アラグチ・イラン外務次官は、2日の協議を「真剣かつ率直な会合だった」と評価した。一方、イラン政府筋は、「(6日に)米との直接協議は行われない。米は何を行うべきかを知っており、会合は必要ない」「真のブレーク・スルーには、全ての制裁の解除、全者の合意履行が必要だ」と述べた。

―ザリーフ・イラン外相は、「6日のウィーン会合は、米が迅速に制裁を解除し、それに続いてイランが核合意の履行軽減措置を止めるためのものだ」と述べた。一方、イラン消息筋は同国メディアに「イランは段階的、部分的な措置は受け入れない。実質的な制裁解除という我々の要求は明確だ」と語った。

○ サウジ・イエメン・湾岸情勢

―バーレーン検察は、「収監者している126人が、残る刑期を代替施設または刑務所外で過ごすことになる」「抗議行動や新型コロナウイルス感染拡大の懸念の中で、彼ら受刑者は電子的な監視下に置かれる」と発表した。これに先立ち人権団体が、バーレーンで人権活動家らが不当に収監され、拷問等に晒されている」「収監者の健康を保つ措置がとられていない」と批判、釈放を求めていた。

―バーレーンの複数の地域で2日、政治犯の釈放を求める広範な抗議行動があった。収監者の家族、反政府派、活動家らが「被拘束者の怒りの金曜日」と銘うってデモを呼びかけたもの。バーレーンの刑務所では、新型コロナの感染が拡大しているとされるが、当局は収監者の健康状態を明かしていない。

○ エジプト情勢

―コンゴ民主共和国(現AU議長国)のキンシャサで、3日にルネッサンス・ダムをめぐるAU主導の閣僚会合が行われる。エチオピア、スーダン、エジプトが参加する。コンゴは、ダム問題での具体的な合意案を示していない。一方、スーダン外務省は、「3日の交渉では、AUの指導のもとで(国連、米、EUを交えた)国際的な仲介の力を借りるという我が国の提案が検討される」と声明し、交渉仲介役の拡大に拘った。

―ルネッサンス・ダムをめぐる3日の会合を前に、エジプト外務省は「交渉に参加し、ダムの貯水に関して拘束力ある法的合意への到達を目指す」と声明。一方、エチオピア外相は「ダム建設は最終段階、完遂に向かっている。このダムには歴史的、経済的な重要性がある」と述べた。

―エジプトのラビーア・スエズ運河庁長官はCNNに、「エバーギブン号の座礁と同様の事故の再発を避けるため、運河拡張を検討している」「運河の深さ(24m)などを増す必要はないが、座礁があった運河南部は、航行ルートが1つに限られている」と述べた。長官は、「拡張」が南部での運河新設を意図したものかは明確に述べず。

○ 中東和平(占領地情勢)

―特になし

○ 国際テロ・過激主義情勢

―特になし

○ マグレブ情勢

―フッド米国務次官補代理(近東問題担当)は、アルジャジーラとの単独会見(後刻放送)で、「米は、リビアの12月の選挙実施と、全ての外国の介入終結を目指すリビア政府への支援で責任を果たす」と述べた。また「外国の部隊や傭兵がリビアに残留する口実はもはや何もない」「対リビア武器禁輸の新たな安保理決議を支持する」と語った。

○ トルコ情勢

―エルドアン大統領と、スーダンのブルハーン統治評議会議長が電話会談。スーダン側によれば、相互関係、地域・国際的な共通の関心事について協議がなされ、議長はトルコ訪問の招待を受けた。訪問時期は未定。トルコ大統領は、経済、投資、貿易分野の関係を強化したいと述べた由。

<その他の重要ニュース要旨>

―米連邦議会前で2日、乗用車が車止めに突っ込み、警官2人をはねて、うち1人が死亡、1人が負傷。運転していた男は(インディアナ州の25歳、ノア・グリーン)は、刃物を持って車外に出て、警察に射殺された。事件前、職を解雇されていたとの情報もある。事件後、議会と周辺は一時閉鎖された。警察は「我々のもとに容疑者の記録はない。テロとの関連はないようだ」と発表。

ワシントン特派員の話:米メディアは、上記事件の容疑者(死亡)が「Nation of Islam」に属していると報じた。この組織は宗教的というよりも文化団体だ。構成員のほとんどがアフリカ系で、平等などを求めている。同組織への支持が、今回の攻撃の動機に関係するとは限らない。むしろ、この情報は、事件がテロである可能性を警察が排除した理由の一つだろう。

エリコの目

―「ミドルイースト・アイ」は、「アフリカビジネスの首都・ドバイ」と題して、対アフリカビジネスの中心地は過去数百年間、ロンドンやパリ、リスボンといった欧米にあったが、この地位がドバイに移っているとの分析記事を掲載している。ドバイには現在アフリカ系企業が2万1千社以上存在している。これは2017年から25%以上の増加だ。(アラビー21)

https://tinyurl.com/2h6rkv2z

ミドルイースト・アイの元記事(英語)は

Dubai, the business capital of Africa
Growing numbers of Africa-focused companies are basing themselves in the emirate

中東の新型コロナ動向

―国別感染状況(イラク)
累積感染者数は約86万人で中東第三位。
累積感染者数:856,939(20,955)人、累積死者数:14,360(351)人。カッコ内は人口百万人あたり。一日あたり新規感染者数は1月16日の596人を底に上昇に転じ、3月31日には6,664人と連日、最多記録を更新している。4月1日の死者は37人。最多を記録した昨年6月26日の122人よりはかなり少ない。検査能力の向上で感染者を多く検出するようになった一方、医療体制の前進で死亡者数は抑えられている、と解釈すべきか。
第一波は、昨年5月末から11月であったが、今回の波は既に2月から急カーブを描いて感染者数が拡大しているため、今後が懸念される。

Iraq COVID - Coronavirus Statistics - Worldometer
Iraq Coronavirus update with statistics and graphs: total and new cases, deaths per day, mortality and recovery rates, current active cases, recoveries, trends ...
<特記事項・気付きの点>

―ラマダン月まであと10日余となったが、コロナ禍の中で2回目のラマダン月を迎えるエジプトに関する情報。
1日、エジプトのジュマア宗務相は、今年のラマダン月明け礼祭(イード)の礼拝は、制限付きで実施することとし、現在各地方事務所と制限内容を調整中、と発表した。一方、「イフタールの食卓」(慈善の食卓)はいかなる場所においてもこれを禁止するとした。葬儀は屋外で礼拝の時間を避けて行う等、モスクでの集会に関する制限措置は従来通り継続される。(アルクドゥス・アルアラビー紙)

Redirecting to https://www.alquds.co.uk/%d9%85%d8%b5%d8%b1-%d8%aa%d9%85%d9%86%d8%b9-%d9%85%d9%88%d8%a7%d8%a6%d8%af-%d8%a7%d9%84%d8%a5%d9%81%d8%b7%d8%a7%d8%b1-%d8%a7%d9%84%d8%ac%d9%85%d8%a7%d8%b9%d9%8a-%d9%88%d8%a7%d9%84%d8%a7%d8%b9%d8%aa/
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