アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
22日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■ スーダンで民政を支持または拒否する複数のデモ、35人負傷。首相は移行統治機関の完了を約束し、「革命の目標から後退しない」と確認
■ レバノン軍事裁判所、タイユーナの銃撃戦に関してLF党首の聞き取りを求める。同党首は裁判所に「ヒズボラ書記長の聞き取りも行うよう」呼びかける
■ チュニジア大統領、例外的措置の期限設置に関する欧米の呼びかけを受け、「政治・選挙制度に関する国民対話を開始する」と発表。ナハダ運動は議会活動を再開する重要性を確認
■ リビア支援会議、閉幕の際に「完全な透明性を持って選挙を期日通り実施し、外国部隊や傭兵の国外撤収に関するベルリン会議の成果を実行する」と確認
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―レバノン首都ベイルートのタイユーナ地区で14日に起きた銃撃戦をめぐり、軍事裁判所のアキーキー裁判官はレバノン軍団(キリスト教マロン派の民兵組織・政党=LF)のジャアジャア党首の聞き取りを求めた。これについて同党首は、「ベイルートでの衝突事件に関する聞き取り要請を把握していないが、軍事裁判所が私の証言を求めるのなら、まずナスラッラー・ヒズボラ書記長の聞き取りを行うべきだ」「内戦終結以降、LFは法を犯していない」と述べ、「ヒズボラとアマル運動は新たな内戦を引き起こそうとしている」と非難した。
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―サウジ・UAE同盟軍はイエメンのホウシー派に対し、「サウジの民間人及びインフラへの攻撃に広範囲で反撃する」と述べた。同軍のマーリキー報道官は、「ホウシー派による同様の攻撃が続けば、わが国は鉄拳を下す」「同盟軍が21日にサヌアで実施した空爆は、民間人を標的とする脅威への反撃だ」「ホウシー派は、国際人道法に沿った広範で包括的な攻撃を覚悟すべきだ」と警告した。
―上記に先立ち、ホウシー派のサリーア軍事広報担当は、「サウジアラビア南部ジャーザーンの軍事基地を20日に弾道ミサイル5発で攻撃した」「攻撃により将校と操縦士を含むサウジ人35人以上が死傷した」と発表。
また、ホウシー派傘下メディアは、「サヌア東方サアワーンで空爆により1人死亡、3人が負傷した」と伝えたほか、同派傘下の「保健省」は、同盟軍がサアワーン地区の医薬品・医療物資の保管庫を空爆したと非難。
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―特になし
○ 国際テロ・過激主義情勢
―特になし
○ マグレブ情勢
・サイード大統領は21日にFacebookで、「政治制度及び選挙法の改革を含む国民対話を開始する」と発表し、「対話は、各提案の実現に向けた期限及び仕組みの範囲で行われる」「我々の主権及び国民の選択を尊重する諸外国との協力関係を強化することを重視している。一切の内政干渉を拒否する」と確認した。
・駐チュニジア米大使はサイード大統領に対し、「例外的措置に期限を設置し、民主的な諸機関の復帰を保証して、経済状況の救済に向けた『深い改革』を進めるよう」求めた。また欧州議会は、例外的措置が取られた7月25日よりサイード大統領に権力が集中していることに深い懸念を表明し、「チュニジアでの民主主義の復活と、その主要機関として議会を再度機能させ、権利と自由を尊重するよう」を呼びかける決議を全685票のうち534票賛成で採択した。
・ナハダ運動は、「サイード大統領による例外的措置とその後の違憲な諸決定は、チュニジアの利益と評判を損なう結果をもたらした」と述べ、「権力の独占に繋がった例外的な状況に期限を設置し、議会の活動を再開するよう」求めた。
―リビア首都トリポリで挙国一致内閣が主催する「リビア安定支援会議」が閉幕した。リビア情勢に関係する27か国と4つの機関が参加した同会議は閉幕声明で、「完全な透明性を持って選挙を期日通り12月24日に実施するための環境を整え、信頼構築のための措置を講じ、外国部隊や傭兵の国外撤収に関するベルリン会議の成果を実行する重要性」を確認した。
○ トルコ情勢
―エルドアン大統領は、最新戦闘機F-35の生産プログラムからトルコが除外されたことについて、「我々は権利を放棄しない」「どのような形でも必ず(トルコがこれまでにF35計画に支払った)14億ドルを取り戻す。米側との協議は継続している」と確認した。また、「2016年のクーデター未遂事件に関して拘束されている反体制派のトルコ人実業家の釈放を求める(仏、独、米を含む)10か国の大使を国外追放する」と示唆した。
<その他の重要ニュース要旨>
―スーダン保健省によると、首都ハルツームで21日、民政移管を求めるデモで35人が負傷した。また、スーダン医師委員会は「治安部隊が各州でデモを強制排除した際に参加者36人が負傷した」「治安部隊は実弾や催涙ガス弾を使用した」と述べた。一方で警察は、「ハルツーム西方オムドゥルマンでデモ隊の襲撃により警官2人が負傷した」「デモ隊の一部が平和的抗議から逸脱し、議会議事堂前で治安部隊を襲撃した」と発表。
―スーダン各地で抗議が続く中、ハムドゥーク首相は「デモ参加者らは平和及び民主主義への改革を堅持する姿勢を示した」と述べ、移行統治機関の完了を改めて約束し、「革命の目標から後退しない」と確認した。
エリコの目
ー英国東部エセックス州で保守党のエイメス議員を刺殺した実行犯(アリー・ハルビー・アリー)は、治安当局の取り調べに対し、「自分はIS(イスラム国)のメンバーであり、何年も前から議員殺害を計画していた」と供述している。ロイターが報じた。アリー(25歳)は、ソマリア系英国人。BBCによれば、数年前に英国の「暴力的過激主義防止事業」でリストアップされていた過去がある。
<特記事項・気付きの点>
―特になし