アルジャジーラ・モニタリング
<ニュース・ヘッドライン>
30日0600JST「ミッドナイト・ニュース」
■ サウジ、レバノンから大使を召還し、在サウジ・レバノン大使の国外退去を求める。レバノン産品の輸入も差止。ミカティ首相、同決定を遺憾とし、コルダヒ情報相に「国益を考えた行動」を慫慂
■ スーダンの抗議行動続く。ブルハン将軍は「平和的なデモである限り許容」。米は暫定政府の復帰への具体的措置を求める
■ 米が新たなイラン制裁を発表。イランは「矛盾した行動」だと非難。米・仏両大統領が会談し、イランの核兵器開発を許さないことで一致
■ イスラエル代表、国連総会の壇上でイスラエルを非難した人権報告書を破り捨てる
<特定関心項目報道ぶり>
○ 日本関連報道
―特になし
○ イラン・イラク・シリア情勢
―米財務省は、イラン革命防衛隊のドローン開発に関与したイランの4人の人物と2つの団体に対し新たな制裁を課したと発表。財務省声明によると、同ドローンはヒズボラ、ハマス、フーシ派などの親イラン武装勢力が使用。イラン外務省は、この制裁は米国の「矛盾した行動」を示すものと非難。
―米・仏両大統領のローマにおける会談後、両国はイランの核兵器開発・所有を許さないこと、及び、イラクの安定と独立を守り、同国がテロ組織の温床となることを防ぐことで一致したとの声明が発表された。
○ サウジ・イエメン・湾岸情勢
―サウジ、レバノンのコルダヒ情報相がイエメン戦争におけるサウジの立場を批判した問題で、大使を召還し、在サウジ・レバノン大使の48時間以内の国外退去を求めると発表。レバノン産品の輸入も差止。バーレーンもレバノン大使に国外退去を要請。ミカティ首相、同決定を遺憾とし、コルダヒ情報相に「国益を考えた行動」を慫慂、「進歩社会党」のジュンブラット党首は同情報相の解任を要求した。
―バーレーンの一般市民が、人権活動家のアリ・カンバル氏が獄中で病死したことに抗議するデモを行った。デモ参加者は、同人の死に対する「復讐」(キサース)と、その他の拘束されている政治・言論囚の釈放を求めた。
○ エジプト情勢
―特になし
○ 中東和平(占領地情勢)
―エルサレム旧市街の外側に位置するイスラム教徒の「ユーセフィーヤ墓地」の一部が強制的に潰され、「聖書公園」に改修されていることに抗議する人々に対し、イスラエル軍は音響弾を用いて解散させた。3人負傷。
―EUは、声明を発表し、イスラエルが約30の入植地に2800戸以上の住宅を建設する計画を有していることは、国際法違反でありパレスチナ問題の恒久解決に資さないとして撤回を求めた。
―イスラエルの国連大使は、国連総会の壇上で人権侵害に関する報告書を破り捨て、この映像とコメントを自己のツイッターアカウントを通じて公表した。同大使によれば、人権理事会は恣意的にイスラエルを95回も非難している。それ以外の全ての国の合計が142回(であるのに比べ異常に多い)由。また、報告はハマスや反ユダヤ主義を無視しているとのこと。
○ 国際テロ・過激主義情勢
―特になし
○ マグレブ情勢
―特になし
○ トルコ情勢
―特になし
<その他の重要ニュース要旨>
―スーダン情勢:
・「百万人デモ」が呼びかけられている首都ハルツームでは、当局が2つの橋を除いてすべての橋を通行止めにしている。「自由と変革」運動は、ハムドク首相の復帰を呼び掛け。米は、30日に予定されているデモへの軍当局の対応が、今後のスーダン情勢を決定する指標となると注目。
・ブルハン将軍は、「デモが平和的なものである限り、軍は介入しない」と言明。また、拘束されている元閣僚らの処遇については、「法的な委員会」が今後決定する、訴追理由がなければ釈放される、と述べた。
―米・仏両大統領がローマで会談。バイデン大統領は、「米は仏の最も誠実な同盟国」、と述べ、潜水艦問題で傷ついた関係改善への意欲を強調。
エリコの目
―イスラエル公共放送が報じたところによると、イスラエル政府は、従来のカタールに代わって、UAEをガザ地区の住民の「給与」支払いに関与させたい意向であったが、UAE側は「ガザ地区への送金はハマスへの支援となる」として完全に断った由。カタールのこれまでのガザ地区への支援は3000万ドルに及び、うち、1千万ドルは地区唯一の火力発電所への燃料費、別の1千万ドルは遺族貧困家族支援、残りの1千万ドルがガザ地区の労働者の給与支援である。(アラビー21)
<特記事項・気付きの点>
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(編集部)