新谷恵司

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シリアのかたきをドイツで討つ

◆アサド政権の犯罪裁く 先月23日、ドイツのコブレンツ高等裁判所でアサド・シリア政権の治安将校2人の「人道に対する罪」を問う裁判が始まった 。この10年間、反政府運動に対して筆舌に尽くし難い残虐行為を行ってきたシリア政権側の人物に対する裁判...
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サウジアラビアというリスク

◆国王存命中の即位狙う? サウジアラビアで国王の実弟や前皇太子をはじめ多数の王族、内務省幹部らが反逆罪の疑いで拘束された。今年G20の議長国役は大丈夫か、と心配していたら、事実上の最高権力者の座を確保しているはずのムハンマド皇太子が、実は1...
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イラン革命防衛隊司令官暗殺が意味するもの

◆もっと早く除去すべきだった トランプ大統領はイランの革命防衛隊コッズ部隊、ソレイマニ司令官の暗殺が命令通りに実行されたことを見届けるや、ツイッターで、「彼は何年も前に取り除かれているべきだった」と述べた。この空爆作戦、国内的に必要な手続き...
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米軍「傭兵化」で信用失墜のトランプ政権

◆政治も派兵もビジネス 今月に入り、米政権はシリア北部から一方的に撤退してトルコ軍の侵攻を容認し、その一方で、サウジアラビアには3千人を「増派」すると発表した。トランプ大統領は、同盟者として功績のあったクルド人民兵組織を文字通り見捨てるに当...
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湾岸首長国と政治対話強化を

◆イランと戦争なら最大犠牲者に UAE(アラブ首長国連邦)の外交姿勢が急変した。 同盟を組んで戦っているサウジアラビアには挨拶もせず、イエメンから突如一方的な撤退を始めたかと思えば、イランへは6年ぶりに沿岸警備協議のため代表団を派遣した。米...
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中東の強権政治とどう付き合うか

◆スーダンの弾圧で100人死亡 民主的な改革を求める人々が座り込みを続けているスーダンの首都ハルツームで、治安部隊が強制排除に乗り出し、およそ100人が死亡、数百人が負傷し た。第二の「アラブの春」とも呼ばれる「民衆蜂起」の様相であり、首都...
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ベールを被った女性宰相

◆NZ首相にイスラム世界から称賛の声 モスクで礼拝中の人々を無差別に大量虐殺するという衝撃的な事件の対応に当たったニュージーランドのアーダーン首相のイスラム圏における評価がうなぎ上りだ。イスラムのしきたりを受容する形でベールを被った女性宰相...
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イランがシリアに投げかける長い影

◆イスラエルと直接対決の構図 シリア内戦は落ち着きを見せ、これからは復興だと考える気の早い人もいるかもしれない。トランプ大統領は米軍を撤退させると言い、一部の湾岸諸国は既に大使館再開の意向を公にしている。しかしそんな中、イスラエル軍機がダマ...
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望まれる湾岸君主制国家の安定

◆独裁者を苛立たせるのは穏やかな諫言 今年初め、本欄でトルコのエルドアン大統領と、亡命サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏の二人を相次いで紹介した際、私はこのような事件が起きるとは夢にも思わなかった。それは、惨殺されたカショギ氏も同じで...
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ホルムズ海峡波高し

◆イラン核合意後、何が起きたか イラン神権政治は、神の名において国家テロを行ういわゆる「ならず者国家」だ―。米国を牽引役に、中東の主要国はこのようなイラン観を堅持している。しかし、ノーベル平和賞大統領のオバマ氏が外交政策上の奇妙な「遺産」に...