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解き放たれたイランの神権政治

◆経済制裁解除がもたらすもの イランは、神の意志を正しく解釈できる(!)という聖職者によって統治されている珍しい国だ。バチカンというカトリック聖職者の「国」が、他国を攻撃する軍隊を持たず、その宗教的メッセージは概ね世界平和に貢献しているのに...
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イスラム世界の変革に期待する

◆アラブの春から5年 深まる混迷 サウジアラビアの著名ジャーナリスト、カショギ氏は、ドバイのムハンマド首長の言葉を借りて、「叡智とガバナンス」によって「幸福な中東」という夢は実現可能だ、と意気消沈気味の世論を鼓舞しようと懸命だ。しかし、「ア...
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「シリア分割統治」の現実を見よ

◆ロシア介入ではっきりした内戦の構造 ロシアの軍事介入で、シリア内戦が「複雑化した」との邦字紙見出しを読んで驚いた。むしろこの戦争の「構造」、つまり、誰が何のために戦っているのか、ということがこれではっきりしたと感じていたからだ。「本気のロ...
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イラン核合意で混乱する中東情勢

◆よみがえるキッシンジャーの言葉 「米国の敵は米国を恐れるべきだが、米国の友邦はもっと恐れるべきだ」。25年間駐米大使を勤め、米国を最も良く知る男であるサウジアラビアのバンダル王子が引用したこの言葉は、キッシンジャー元国務長官のものとされる...
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自由と人権を逆手にとる過激主義

◆アルジャジーラ記者を拘束 「記者であることは犯罪ではない」。それは、6月下旬、ドイツのベルリン空港でエジプト当局の国際手配に基づいて身柄拘束されたアルジャジーラのアフマド・マンスール記者がテレビカメラに向かって示したプラカードの標語である...
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カダフィの亡霊

◆開かれた武器庫 2011年2月25日、反政府勢力の一段の攻勢が伝えられる中でカダフィ指導者(当時)は演説に立ち、「武器庫を開ける」と絶叫した。その目的は「人民ひとりひとりに、そして全ての部族に武器を行き渡らせるため」であるとし、「人民が一...
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湾岸諸国の安全保障に不安

◆補完関係にある日本とアラブ諸国 4月に東京で湾岸協力会議(GCC)が開催した連続セミナーは、改めて日本経済の中東諸国依存の実態を確認する機会となった。わが国経済は、湾岸産油国が産出する化石燃料(石油、液化天然ガス=LNG、液化石油=LP=...
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「イスラム国」を作ったのは誰か?

◆「仲介役」を演じた聖戦主義指導者 ヨルダンのスンニ派聖戦主義の精神的指導者マクディシ氏は、日本人人質が斬首され、ヨルダン空軍のパイロットが焼殺されたと判明した後で地元テレビに出演し、自分がヨルダン政府と過激組織「イスラム国」の間で捕虜交換...
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追いつめられるイスラム過激主義

◆カタール、同胞団幹部を飼い殺し 友邦アラブ諸国の諫言をこれまで聞かなかったカタールが「改心」し、サウジアラビア国王の名代に付き添われる形で特使をエジプトに派遣、シシ大統領にわびを入れた(12月20日)。翌日、首長家有力者であるこの特使はア...
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「イスラム国」が衰えない理由

◆攻勢をそぐのが精いっぱい 情勢分析をする専門家が好んで用いる言葉に「中東政治の方程式」がある。その変数は、石油資源などの権益に群がる諸外国の与える影響、冷戦時代に後戻りしたかのように対立する米、露の介入といった外的要因から、トルコ対クルド...