【特集】中東の熱い冬(カイロ便り)

2月11日 赤穂智子(文、写真とも)
今日は歴史的な日になりました。
昨日のムバラク大統領による辞任を否定する演説を受けて、
今日も朝からエジプト各地で大規模なデモが行われていました。
午後1時過ぎに外出をした際は、タハリール広場に向かうデモ隊に遭遇。
地元の人が集まるカフェでは、
今日のデモがどういう動きに出るかという話題でもちきりで、
ムバラク大統領の辞任の話は耳にしませんでした。
そうするうちに大統領がカイロを離れるというニュースが広まりましたが、
その時点では辞任の気配はありませんでした。
cairo20110211
一通りの用事を終えて家でうとうとし始めた午後6時、
突然スレイマン副大統領が大統領の辞任を発表!?
最初は耳を疑いましたが、
テレビではタハリール広場に歓声が沸き起こる様子が映し出されていたので
事実だと悟りました。
まさしく歴史的瞬間でした!!
とりあえず、知り合いに電話をし、興奮を分かち合った後、
外の様子を見たいという好奇心を抑えきれず、急いで外へ。
既に通りにはタハリール広場に向かおうとする人たちの姿がありました。
みんなお祭り騒ぎです。
歓喜の時に鳴らすブー、ブー、ブ、ブ、ブー!というクラクションの音で
何も聞こえないくらいでした。
他にも国旗を掲げる人や、「おめでとうと」と叫ぶ人、
街中が歓喜に沸いているようでした。
そんな中で私がたまたま乗ったタクシーの運転手は、
「大統領はこんな形で辞めるべきではない。国民は大統領の尊厳を無視している」
と、不機嫌な様子。
街の盛り上がりで国民全体が喜んでいるかのように錯覚しがちですが、
大統領の辞任を良しとしない人たちもいるということを再認識した瞬間でした。
さすがにタハリール広場に行くのは怖いので、
ナイル川沿いの通りに足を踏み入れるにとどめましたが、
どこからともなく次から次へと人が押し寄せていました。
因みに、帰りのタクシーの運転手は喜びでかなりハイテンションな青年でした。
今後、軍の最高評議機会が指揮をとることになります。
これからエジプトはどういう道を歩むのでしょうか?
楽しみでもあり、不安でもありますが、引き続きレポートをお届けします。

コメント

  1. 緑の眼 より:

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    NHKのニュースで見たのですが、まずエジプト民衆に喝采です。デモ行進で人々が叫んでいる、『アシャー、アラー、...』ですが、正しくはなんと言っていたのでしょうか。アラビア語は全くわかりませんし、イスラム教のことばでしょうか。ご存じでしたらお願いします。

  2. jaber より:

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    デモのスローガンにはたくさんのバリエーションがあるので質問者が何をお聞きになったのかはわかりませんが、「アッシャー!・・・、」という風に聞こえるもので一番一般的なのは「国民は体制を崩壊させたいのだ!」という強いメッセージでした。アッシャーは「al-Shaab」=people です。

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