オバマ大統領の公式声明によって、米国がイスラマバードでビンラディンの隠れ家を発見、襲撃し、同人を殺害したことが事実であることが明らかになった。遺体は米側が確保しているとのこと。
オバマ大統領は、ビンラディンが9.11事件の首謀者であり、数千人の無辜の命を奪ったこの人物に法の裁きを下したと強調した。また、テロとの戦いは、米が望んだものではなく、一方的にテロリストの側から仕掛けられたものだとも述べた。そして米国とその国民がイスラムそのもののに敵対しているのではないと付言することを忘れなかった。
しかし、大多数の穏健なイスラム教徒ですら、この論理をそのまま受け入れることはできない。まして、首領の首をとられた過激な人々の心情はどうであろうか。
アルカーイダという亡霊が跋扈した背景には、米国の対中東政策のひずみがある。そのことへの反省を大統領が語り、具体的な措置がとられるまで、サラフィー主義者であれ、その他の思想の者であれ、イスラム教徒からの加害行為は止むことがないだろう。
新たなテロを警戒しなければならない。
(旅先のウクライナ・キエフにて)
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