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アメリカは好きですか

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写真は、16日付のアハラーム紙(ネット版)「エジプト人が世界でもっとも嫌米」という記事の挿入アートである。米国の機関が実施した調査によれば、エジプト人とヨルダン人の85%は米国を「嫌い」と答え、「好き」と答えた割合は、エジプト(10%)、ヨルダン(12%)に過ぎなかった由。

この傾向はもう何十年も変わらないことであり、ニュースでも何でもないが、興味深かったのは、逆に最もアメリカを好きな国民はどこかと言えば、1位がフィリピン(好き92%)で、3位が韓国(同82%)という数字(2位はもちろんイスラエル)。極東の二国は超親米国だ。この記事に言及がなかったが、おそらく日本もこの後に着けていることだろう。

ネット記事はそこに群がるコメントを読むのも面白い。多くは、「米国市民や文化には憧れるが、政策が悪いので嫌われるのだ」といったご意見。これもあの国に行けば毎日聞かされるので、私の耳にはタコができている。しかし、そこにはひとつの真実が隠されているのかもしれない。米国は戦後、中東で起きる戦乱の常にスポンサーであるか、主役であり続けた。そのことがこの数字に結びついているし、東アジアに目を向けても、ベトナムや、沖縄では別の数字が出ることだろう。

なぜこんな当たり前の話を書くかと言えば、シリアを放置し、イラクやアフガニスタンからの足抜けを徹底する米国は、暫く中東には手を出さないのではないかと思うふしがあり、その分、「軍産複合体」は次の儲けの種を極東に求めているのではないかとわたしは心配で仕方がないからだ。

集団的自衛権容認の是非を問う議論で、反対論の中には、イラクやアフリカにおける戦闘に参加させられる、というのがある。しかし、事はそんな生易しいものではない。米軍が日本周辺でドンパチを始めれば、日本は否応なく戦争に巻き込まれる、ということが第一点。第二点に、米軍の行動が、もし、日本を戦争に巻き込んで巨大軍需を起そうと考える勢力によってコントロールされるとすれば、集団的自衛権に基づく武力行使を容認することで、その勢力を大いに勢いづかせることは必至だ、ということが心配なのである。現在の国際政治の流れを考えれば、今、自衛隊のタガを外すことが一番危険なように思う。10年後、日本がエジプトを凌ぐ嫌米国になっていないことを祈る。

東京は立候補取り下げを

猪瀬知事の信じられない発言はどうも事実のようであり、驚きを禁じ得ない。こういう発言が出るというのは、知事個人の責任もさることながら、それを許した都行政官、及び招致委員会幹部がいかにマヌケであるかという証拠である。行政官としてマヌケであるだけでなく、根本にあるのは、知事を筆頭に、関係者に全く国際性がないということだ。多少とも国際性のある人間なら、そういう言葉を発するということはおよそ考えられない。国際性、とは英語に訳せない日本語にしかない概念であるので説明すると、「内向きではなく、『日本人は世界の民族の一員として受け入れられ、協調し、相互に尊敬し、されながら生きていかなければならない宿命にある』という原則に立って行動すること」である。
このようなトップをいただく都民と日本国民もまた、国際性のない人種であることが暴露され、恥をかいた。その責任は私達自身にある(猪瀬知事に投票しなかったが、責任の一端は都民たる私にもある)。心ある日本国民は、自らの言葉でお詫びしなければならないだろう。
先日、私は初めてフィンランドの首都ヘルシンキを訪ね、国立博物館に行った。そこで見た古いフィルムはオリンピック・ヘルシンキ大会(1952年)の模様を映し出していた。旅を一緒にしているマアルマート協議会メンバーが「懐かしい、懐かしい」と言っている。私の生まれる前の大会だが、先輩にあたるメンバー諸氏はテレビや映画で子供の頃、見た映像だったのだ。、今も人口が500万人程度でしかない小国フィンランドでこのオリンピック大会は東京よりも前に開かれたのである。その事実を確認して嬉しかった。
オリンピックのような「平和の祭典」こそ、猪瀬知事のいう「けんかばかりしている」文化圏の人々には相応しい。2回目の開催をもぎ取ろうなどという行動は、奥ゆかしさで世界の尊敬を集めている日本民族にとって最も相応しくない行動だ。トルコは、決してイスラム圏を代表していないが、開催されれば、イスラム諸国のみならず、広く途上国、中進国の人々に希望を与えるだろう。どうせ東京は勝ち目がないのだから、今こそ、「譲る」という日本人の美徳を世界に示すべきだ。マヌケの我々の代表は、逆立ちしてもその決断はできないだろう。だからこそ、都民と国民が一丸となってその声を上げるべき時ではないか。私達日本人も成長すべき時である。それができるなら、これまでの招致委員会の使った税金は高くない。
(注:イスラム圏という言葉自体、非常に誤解を招く概念であり使うべきでない。トルコは、世俗主義の代表であり、人類の未来を代表する先進国だ。おそらく都の行政官の大半にその認識がないであろう。)