亡国の官僚主義

フェイスブックで、下記の記事の存在を教えてもらった。今後のエネルギー政策に関して、「ベストミックス」(電源の最適な組み合わせ)の具体案を来年三月までに作成する方針を固めたというが、それは、電気料金の増減や環境への負荷を算出した複数案を試案として公表するのだという。そして、一年間の議論を経て2013年春をめどに最終案をまとめ、政府のエネルギー政策に反映させる方針だと・・・。
【東京新聞】減原発 再生・省エネ 3本柱 ベストミックス公表へ
今後のエネルギー政策というのは、つまり原発をどうするか、とか再生エネルギー開発をどうするか、といった話、及び、足りない場合は炭化水素に頼る割合をどうするか、という議論のことだと思う。それを、再来年の春まで議論するとはどういう話なのか、理解できなかった。
こんなことは、普通の知見と、健全な精神を有する専門家に諮問すれば、どんなに時間がかかっても3日もあれば結論が出せることだ。そのことに1年半もかけるというのはどういう意味か。その間にいろいろな政治的介入を招くことを予定しているのなら、結論はそれこそ二転、三転し、八ッ場ダムのようになるのではないだろうか。
「選択」9月号で河谷史夫氏が、NHKの番組「日本海軍400時間の証言 軍令部・参謀たちが語った敗戦」(NHKスペシャル)の出した結論(下記に引用)について、それは「過ぎた昔のことではない。これは無為無策の政府を持つ今の日本そのものではないか」と嘆いている。この番組をご覧になった方も多いと思う。それは、私が20年以上前に役人として感じ、その後も警鐘を鳴らし続けている官僚主義の最悪の醜態である。基本政策は1年半先に決めると今決めたのに、電力全量買取法案はもう成立している、というのは一体どういうことか。どうして、だれもこのことに怒らないのだろうか。再びマッカーサーが救ってくれるという幸運はないだろう。国は滅ぶ。
「最悪の事態を想定せず、楽観的な予測に基づき、作戦を立案する。最前線に無理を強い、幹部は責任を取らない。外交努力、説明責任を果たすことを怠り、諸外国から孤立する真実を国民に公表せず、現場を軽視し、ひいては国民の命を危険に晒す・・・」

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