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自由と人権を逆手にとる過激主義

◆アルジャジーラ記者を拘束 「記者であることは犯罪ではない」。それは、6月下旬、ドイツのベルリン空港でエジプト当局の国際手配に基づいて身柄拘束されたアルジャジーラのアフマド・マンスール記者がテレビカメラに向かって示したプラカードの標語である...
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カダフィの亡霊

◆開かれた武器庫 2011年2月25日、反政府勢力の一段の攻勢が伝えられる中でカダフィ指導者(当時)は演説に立ち、「武器庫を開ける」と絶叫した。その目的は「人民ひとりひとりに、そして全ての部族に武器を行き渡らせるため」であるとし、「人民が一...
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湾岸諸国の安全保障に不安

◆補完関係にある日本とアラブ諸国 4月に東京で湾岸協力会議(GCC)が開催した連続セミナーは、改めて日本経済の中東諸国依存の実態を確認する機会となった。わが国経済は、湾岸産油国が産出する化石燃料(石油、液化天然ガス=LNG、液化石油=LP=...
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「イスラム国」を作ったのは誰か?

◆「仲介役」を演じた聖戦主義指導者 ヨルダンのスンニ派聖戦主義の精神的指導者マクディシ氏は、日本人人質が斬首され、ヨルダン空軍のパイロットが焼殺されたと判明した後で地元テレビに出演し、自分がヨルダン政府と過激組織「イスラム国」の間で捕虜交換...
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追いつめられるイスラム過激主義

◆カタール、同胞団幹部を飼い殺し 友邦アラブ諸国の諫言をこれまで聞かなかったカタールが「改心」し、サウジアラビア国王の名代に付き添われる形で特使をエジプトに派遣、シシ大統領にわびを入れた(12月20日)。翌日、首長家有力者であるこの特使はア...
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「イスラム国」が衰えない理由

◆攻勢をそぐのが精いっぱい 情勢分析をする専門家が好んで用いる言葉に「中東政治の方程式」がある。その変数は、石油資源などの権益に群がる諸外国の与える影響、冷戦時代に後戻りしたかのように対立する米、露の介入といった外的要因から、トルコ対クルド...
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過激組織「イスラム国」の狂信性

◆殺人をむしろ奨励する「タクフィール」主義 「唯一絶対の強大な力=アッラー(唯一神)」を信じるか、信じないか。人として生まれた以上アッラーに帰依しなければならず、そうしない者は「不信心者」、すなわちアッラーの敵である。それは、ジハード(聖戦...
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イラクは三分割の可能性

◆戦争が常態 今年の初め、バグダッドを訪問する機会があった。会議通訳の依頼だった。治安情勢は昨年暮れあたりから最悪になっていたため、空港からホテルに防弾チョッキを着て護送され2日間ホテルに缶詰めになった後また「護送車」で空港に引き返すという...
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オバマ弱腰外交のつけ重く

◆「中東のクリミア半島」バーレーン バーレーンは、人口約125万人、ペルシャ湾に浮かぶ淡路島ほどの大きさの王国であるが、この島を「中東のクリミア半島」になぞらえた論説を読んだ。18世紀にアラビア半島から移り住んできたスンニ派の王家が支配して...
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細分化するアラブ諸国

◆お題目にとどまった「アラブの統一」 アラブの統一を目指す「汎アラブ主義」は1952年の「エジプト革命」で同国の軍部支配を確立した故ナセル大統領の一大政治綱領であった。アラビア半島から北アフリカの西端までをかつてのイスラム帝国のようにひとつ...