「中東政治」タグアーカイブ

エジプト・リベラル派ジャーナリストの来日

「革命後、最初の大統領選挙。自分はムルシーに投票しなかったが、決戦投票では旧体制の象徴シャフィーク候補を嫌い、同胞団による改革に賭け、ムルシーに一票を投じた。しかしその期待は裏切られた…」「2回目の大統領選挙。自分はシーシに投票しなかったが、97%の国民の支持を得て当選した同大統領には従う。それが民主主義だ」 弊社が創立20周年を記念してお招きしたエジプト政府系新聞「アルアハラーム」の元副編集長、カマール・ガーバッラ氏の言葉である。同氏は、今年5月末に行われた大統領選挙では、当選確実と言われた軍出身のシーシ氏(元国防相)相手に唯一立候補したハムディーン・サッバーヒ候補(左翼民主勢力)を支持していた。いわば、左翼ナ … 続きを読む エジプト・リベラル派ジャーナリストの来日

エジプトの混乱に学ぶ

22日、エジプトのムルシー大統領が「憲法宣言」と呼ばれる強権発動ともとれる決定を発表したことから、エジプトの政情不安が非常に高まっている。その原因と見通しについて、とりあえずの考察をした。 <政治力学的見地から> 大別して、①軍エスタブリッシュメントと旧政権エリート、②ムスリム同胞団及びイスラム過激主義者、③自由主義者・市民勢力・革命青年勢力の三つ巴の戦いとモデルを単純化しよう。チュニジアで吹いた春の嵐は瞬く間にエジプトに飛び火し、予ねて反政府運動を繰り広げていた③の勢力が最初に立ち上がった。そして、①に首根っこを押さえられていた②は、千載一遇のチャンスと見て③に加勢した。②はその動員力と数が圧倒的であるため、① … 続きを読む エジプトの混乱に学ぶ

イスラエルを支持する理由

この風刺画は、先週alquds alarabi紙に掲載されていたもので、掘り出されたアラファト議長の骸骨が「そろそろエルサレムに移してもらってもいいんだが」と言っている。私は、1991年にアルジェで開かれたPNC(パレスチナ国民評議会)に日本政府オブザーバーとして出席し、ご本人が演説で「パレスチナ人は生きて住む家なく、死して埋葬される場所なし」と絶叫するのを聞いた。 その2年後、アラファト議長率いるPLOはチュニスにおける米国との公式対話などを経て、オスロ合意を達成、ガザ・エリコの先行統治(自治政府樹立)が始まった。「初めて領土を持ったパレスチナ人の国が独立する…」、それはそれは大きな期待に内外のパレスチナ人が包 … 続きを読む イスラエルを支持する理由

第二次オバマ政権下の中東

このブログのタイトル「global middle east」は、「中東の動きは世界に影響を与え、世界の情勢は中東に影響を与える」という、いわば当たり前の原則をリマインドしている。当たり前ではあるけれども、絶海の孤島に住む日本人が忘れがちな基本原則を繰り返し想起してもらうのに都合がよいのでこう付けた。 そもそも世界情勢とリンクしていない地域情勢などないのだが、中東はよりその度合いが強く、また直接的に現れる点で非常に分かりやすい。1年ぐらい前から、イスラエルとイランの問題はどうなるか、アラブの春はどうなるかと聞かれる度に、私は「今年は選挙の年。選挙結果を皆が待っている。選挙までは動かない」と答えてきた。 その選挙(大 … 続きを読む 第二次オバマ政権下の中東

イラク戦争から10年

時の流れは信じられない速さです。来年3月で、イラク戦争開戦から10周年ですね。先程、ある原稿を書いていてイラク戦争の細かいところを思い出さなかったので、本書に手を伸ばしました。実は、ほんの見開き1頁だけ、小生にも出稿依頼があったので拙文が載っているのです。何年ぶりかで、久しぶりに自分の書いたものを読んでみて、ふと面白いことに気がついて嬉しくなりました。それは、原稿の一番最後に書いてあった次の一文です。 「変革できない多くの政権は、交代の時期が近づいている。そして、徐々にではあるが、イスラム過激主義の欺瞞性が暴かれていくことを推理する。」 2003年6月頃に書いたものですが、ちゃんと予言してましたね。 イラク戦争  … 続きを読む イラク戦争から10年