エリコ通信社は、トルコ国営放送「東日本震災10年」オンライン取材の通訳をさせて頂きました
エリコ通信社は、トルコ国営放送「東日本震災10年」オンライン取材の通訳をさせて頂きました。
取材に関して、河北新報のONLINEニュースでとりあげていましたので、ご紹介いたします。
震災時の絆 雄勝出身・佐藤さんとトルコ元救援隊長、オンラインで再会
2021年02月23日 11:08
東日本大震災で甚大な被害を受けた石巻市雄勝町で16日、震災直後に同町で救助活動に当たったトルコ救援隊の元隊長ヤルチュン・ムムジュさん(58)と同町出身の解体業佐藤昌利さん(41)=仙台市泉区=が10年ぶりの再会をオンラインで果たした。2人は互いの変わらない姿を喜び、絆を確かめ合った。
震災で雄勝町の実家を津波が襲い、近所に避難を呼び掛けていた祖母のやよゑさん=当時(88)=が犠牲になった。当時、川崎市でとび職に就いていた佐藤さんが変わり果てた古里にたどり着いたのは地震から4日後。実家は1階部分が流されていた。「祖母は家の下にいる」。そう確信しつつも、倒壊する恐れがあったため手を出せなかった。
「せめて遺体だけでも…」。無力さにあえぐ1週間を過ごした。光明が差したのは3月22日、トルコからムムジュさんが率いる救援隊が到着した。隊員たちは迅速に捜索に当たり、がれきに埋もれたやよゑさんを発見。「見つけられない人も多い中、これは奇跡だ」と当時のムムジュさんは語ったという。佐藤さんは通訳を通して感謝を伝え、隊員たちと握手を交わした。
10年ぶりの再会は佐藤さんの実家があった近くの塩竈(しおがま)神社=同町明神地区=でかなった。ムムジュさんはトルコの自宅から、自立走行ロボットに備えられた画面越しに登場。「祖母を発見してくれてありがとうございました」と感謝する佐藤さんに、「災害の絶望の中でも希望を失わない、日本の方々の姿に感銘を受けました」と応えた。
トルコは日本と同様の地震国。ムムジュさんは「日本の救援隊に助けられたこともある。もし再び災害があれば必ず駆け付ける」と話し、佐藤さんは「多くの人を助けられるよう、けがをせずに健康でいて下さい」といたわった。2人は互いの国を訪れた際はもてなし合う約束を交わし、10年越しの再会を終えた。
外務省国際報道官室がトルコ国営放送による震災10年の取材を企画。震災当時のトルコ救援隊の足取りを追う中で、佐藤さんと隊員の写真が見つかった。トルコと親交がある県東部地方振興事務所が佐藤さんを探し出し、今回の再会が実現した。トルコ国営放送による取材はオンラインで16、17日にあった。